オーストリアでの家探し | 検索・賃貸に関する法律編
こんにちは、Kayです。
移住してからなかなか頑張ったのが、家探しでした。とてもありがたいことに、最初の1年は職場が提供してくれたアパートに滞在できるので、じっくり家探しができるかと思っていたのですが、そんなこともなく…
というのも、息子の小学校入学を踏まえて、小学校の近くに住むことが得策だと思ったからです。引っ越してきてから2ヶ月間も経たないうちに本格的に探し始めました。
学区は日本ほど厳しく分けられていないようですが、やはり学校の振り分けは住所を基準に行われるとのこと。9月に新学期が始まるオーストリアは1月頃(場所によっては早いと入学前年の11月)入学手続きが行われます。
なので、10月に到着した私たちも、1月頃には次の住居を決めておきたいという事情があったのです。
結果から言うと、11月末頃に家探し開始、翌年1月に住居決定、契約開始が4月というタイムラインになりました。
今回は、オーストリアの家探しについてシェアしたいと思います。
賃貸検索サイト
一般的に多く使われているのはWillhabenというサイトです。
このサイトは、賃貸だけでなく、マイホーム購入、また中古車や、個人的に売り買いしたいおもちゃやら、メルカリの拡大バージョンみたいなものです。
賃貸に関しても、不動産エージェントを介する物件と、オーナーと直接やりとりする物件が入り混じっています。
気になる物件があれば、その広告を張り出している不動産業者なり、オーナーなりにサイト上のDM機能で連絡します。
日本と大きく違うな、と感じたのがオーナーに私たちを選んでもらうという部分でした。良い物件だと、オーナーは多くの問い合わせが届くそう。その中でも、オーナーがこの人たちに貸したいな、と思わせるアピールが必要なんだと!
わたしたちが、外国人というのは不利に働くのでは、という心配はありましたが、日本人って言うのはむしろ有利では?とポジティブに頑張りました。
そしてやりとりはやっぱりドイツ語で。DeepL翻訳、チャットGPT、Googleの協力を得て…
また、Willhabenに会員登録(無料)すると、指定したオーナーに個人情報を一部公開できる機能もあります。例えば、入居人数、入居希望期間、ペット有無、職業そして世帯年収など。
やはりオーナーも、リスクがある人には貸したくないですもんね。これを見つつ、直接契約の場合は、内覧を承諾するかオーナーが決めます。
このように内覧のアポをとり、お互いの相性を見るという目的も含んだ最初の顔合わせが行われるのです。
賃貸契約に関する法律
オーストリアには、借主を守る法律が多く存在しているようです。
その中でも、ここ最近の大きな変化が仲介手数料について。
ラッキーなことに私たちが転居したときはこの法律は施行されていました!
なので、基本的には借主側が払う仲介手数料はないと理解して問題なさそうです。
借主側をサポートしてくれる専門家たち
このように、借主側が不利にならないように様々な法律はあるにしろ、実際に契約を結ぶというのはなかなか大きなコミットメント。
個人的にオススメしたいのは、借主側をサポートしてくれる弁護士や行政書士からなるオーストリア・テナント協会への加入です。
賃貸はオーナー側が契約書を作成して、そりゃあちらに優位になるように作りますよね。外国人ならなおさら、こちらの法律や、常識などもわからないまま、交渉・サインするというのはなかなかのリスク。
そこで、この団体に入会して、契約内容を事前に確認してもらうというのは、リスクヘッジができて、なにより精神的な安心感がハンパない。
そして年会費もとても良心的。
非営利団体なので、入会費69ユーロ、年会費70ユーロ。
初期費用は139ユーロかかりますが、翌年から70ユーロ。特に相談回数に制限はないので、なにかあればいつでも連絡できます。
本格的にオーナー側と揉めて訴訟に発展したときも、会員だとサポートが受けられるとのこと。訴訟に関する別途費用(裁判所への費用など)は自己負担らしいですが、弁護士がこの会費でついてくれるのはかなりお買い得だと思いました。
相談は全部ドイツ語のみになるとのことですが(おそらく法律の会釈などでの誤解を避けるため)、メールでやりとりすれば、翻訳ツールでまったく問題ありませんでした。しかもリスポンス早い。通常、翌日には毎回連絡くれました。
こちらがオーストリア・テナント協会のサイト
あと、実際に入会しなくても、このサイトで必見なのが、家賃設定が適正かどうか確認できる計算ツール。
ちなみに、オーストリアは戦前の古い建物をリノベしたアパートが多く存在しますが、古い建物と、新しい建物で適用される不動産法が異なるらしいです。
この計算ツールは古い建物に適用されたもののようなので、新しい建物(といっても築50年とかもここだと新しいというカテゴリーらしいです)だとあまり参考にならないかもしれませんが。
これも日本と異なって面白いと思ったのですが、部屋の様々な機能の有無によって、法律的に家賃設定がされるということ。
例えば、シャワーだけか、バスタブがあるのか。トイレはあるか、トイレはシャワー室から独立しているか、玄関エリアはあるか、キッチンはあるか、などなど。
なので、これらを満たしていないのに、規定以上の家賃設定をしていると、賃貸人が違法な家賃を請求しているということになり、このテナント協会の出番になる、ということです。
次回、実際に内覧したときのエピソードなどを紹介したいと思います。
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