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記念日なんてものは存在しない。
失恋により、半年が経っても心はボロボロ。
どうも、雇われ家主です。
あるのは、大きな一軒家とルームシェアする仲間たち。
そのうちのひとりが現・旦那なわけですが、誰だって人には良い顔したくなってしまうもの。当時は「本当はまだ辛い!」なんて言うこともできず、家ですら元気にふるまう日々。
気持ちに変化が現れたのは、本当に何気ない一言でした。
ルームシェアならではの、お裾分け
不思議なもので、心がしんどいと何も考えたくないからよく働くし、何も考えないからご飯も適当になります。
不意に「なんかもう、全部どうでも良い〜〜〜!」って思いながら洗濯物を干していた午後。
「ご飯作ったんで、よかったら食べてください」
そんな風に声をかけられました。
我が家はルームシェアではあったけれど、それぞれに部屋があったし、ご飯を食べるのは別々。共用の物以外は食費も別々。”お裾分け”は、そんなによくあるイベントではありません。
彼にとってどのくらいの意味合いがあって、こんな言葉をかけてもらったのかは分かりませんが……その時の私には、遭難した吹雪の山で見つけた山小屋と、そこで飲んだスープのような感覚がありました。
(吹雪の山で遭難したことないけど)
人にもっと、甘えても良いんだな〜という気持ちの芽生え。
次第に一緒にご飯を食べることが増え、何をしてない時でも共用スペースにいることが増え、ルームシェアならではな感じで距離が縮んでいきました。
3人のうち、2人が良い感じってあり?
でもなんとなく、3人暮らしで2人が良い感じになるのが気まずい。それぞれに引越しの予定はないし(むしろ私は引っ越せない)その状況で気まずくなるのは困る。冷静な私が、心が癒され始めている私にこう言うのです。
確かに困る。
でも、3人一緒に暮らしているのに、変に嘘をつくのも居心地が悪い。どないしよ。そう思って、付き合うとかそういった明確な話は避け続けながらしばらく経ったある日。
私の中で何かが爆発して、私はあの行動を起こしました。
そう、
プロポーズ。
続く。
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