様々なドリアン

ドリアンはひとつじゃない

ドリアンの主要な産地としては、タイ、ベトナム、マレーシア、ベトナムですが、インドネシアやミャンマー、ラオスなど熱帯地域で広く栽培されています。インドやスリランカ、台湾南部、オーストラリア北部の一部地域でも栽培されています。また、アフリカ諸国でも栽培しているところがあるようです。
要は低緯度の熱帯・亜熱帯地域であれば基本的に栽培ができるのですが、一般的に「ドリアン」と言われて思い浮かべるのはDurio zibethinusという種です。しかし、ドリアンはそれだけじゃありません。

そもそも「種」について

少し脱線して「種」についてというか、分類の話をします。知ってる人は飛ばしてください。

前述したDurio zibethinusというのは学名ですが、学名は(属名)+(種名[種小名])という形で表記されます。種小名の後に命名者が付くこともありますが、なぜかDurio zibethinusはリンネさんの時とマレーさんの時があるので省きます。この原因を知っている方がいたら教えてください。

また、学名は基本的にラテン語の表記です。なんでそんなややこしいことをするんだと憤怒の形相で見るのはやめてください。ちゃんと理由がありますから。

言語というのは使われる度に少しずつ変化します。
ほんの10年前までは「〇〇こそ至高。異論は認めない。」だったのが「〇〇しか勝たん」になったのは目に見える変化だと思います。
一方でラテン語はもう日常的に使っている人がほとんどいないので、変化することがありません。
学名というのは恒久的に使われるのが前提の上でつけられています。
なので、変化しない言語が適しているということでラテン語が学名に使われています。

(属名)+(種名)

「属」は「種」よりも大きな分類で、親戚関係でひとくくりにしたものくらいに思ってもらえるとわかりやすいかと思います。ドリアンはDurio属です。

「種」は一応最小の分類単位です。「亜種」だの「品種」だのはまた別にありますが、これらは「白って200色あんねん」だと思ってもらえれば大丈夫です。同種の生き物同士は子孫を残すことができます。

ドリアンの種は

Durio zibethinus(ドゥリオ ジベチヌス)

猫山王

おそらく一番広範囲で栽培されている一般的なドリアンです。
品種改良が行われ、タイやマレーシア、ベトナムでは大規模なプランテーションがあります。モントーンや猫山王はこの種のドリアンです。
特にモントーンは大きな果実をつけ、18kgにもなる果実が約$2,500で落札されたりしました。
果肉は黄白色から濃い黄色がほとんどで、果皮は緑や黄色がかった茶色が多いです。

Durio graveolens(ドゥリオ グラヴェオレンス)

https://www.yearofthedurian.com/2013/05/durio-graveolens.htmlより引用

小玉で果肉が目を突くような黄色や赤色をしているのが特徴です。
色によって名前が変わり、赤い果肉のものはdurian mera、黄色い果肉のものはdurian simpor、オレンジの果肉のものはdurian dalitと呼ばれます。
香りはマイルドで、ビターな味が特徴だそうです。
主にボルネオ島内に分布しているようですが、マレー半島の一部にもあるとのことです。

Durio dulcis(ドゥリオ ドゥルキス)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%82%B9より引用

レッドドリアンとも呼ばれる、果皮が赤いドリアンです。
ドリアンの中でも最も甘いとされています。
ボルネオの森林のなかに樹があり、栽培されていることは稀ですが、樹は非常に丈夫で、有用性がありそうです。

Durio kutijensis(ドゥリオ クティエンシス)

https://tropical.theferns.info/viewtropical.php?id=Durio+kutejensisより引用

主にインドネシアやブルネイで消費されているドリアンです。
果肉の食感はD. zibethinusに近いですが、香りは穏やかでフルーティーな香りがするドリアンです。
黄色い果皮と、上から見ると角の丸い星形をしています。
栽培種ではなく野生種で、栽培はされていますが改良はされていないようです。

他にもあるぞドリアン

Durio属に分類されているものは30種にのぼるそうですが、食用にできることが確認されているのはそのうちの9種です。
今回紹介した4種に加え、中にはあまりおいしくない種や、見た目や特徴が似通っている種も存在するようです。
私自身、Durio zibethinusしか食べたことがないので、全種類試すのが今後の目標の一つです。

ドリアンではない「オランダドリアン」

https://www.olive-hitomawashi.com/column/2018/08/post-2301.htmlより引用

サワーソップ(Annona muricata)です。
別名がオランダドリアンと言い、別にオランダ原産でもないんですが、トゲトゲとした見た目がドリアンに似ているのはわかります。
ヨーグルトのようなさわやかな風味がくせになる果物です。
サワーソップが属するバンレイシ属には、アテモヤやシャカトウ、ポポーなどが含まれます。

超能力戦士ドリアン

https://prcm.jp/album/b0000ae147d18/pic/82271019

ロックバンドです。
なぜか公式HPに行くと桃を全面に押し出しているのでもはやドリアンなのかというところではありますが、そんなことを言い出したらキリがないので大丈夫です。


そろそろ本題と全く関係がなくなってきましたのでやめます。
本当にありがとうございました。

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