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ドリアンとジャックフルーツの比較

「ドリアンってこんなに大きいんだね」と投稿された写真を見ると、
そこにあるのはジャックフルーツでした。

なかなか認知が進まず、度々膝から崩れ落ちております。

本来全く違うドリアンとジャックフルーツですが、見た目が似ているため、混同されがちなので、違いについて説明しようと思います。
慣れれば見ただけでどっちがどっちかわかるようになりますので、よく違いを理解していただければと思います。

形が違う

ドリアンはラグビーボール型、ジャックフルーツは俵型と、殻に包まれている状態でおおよそ判別できます。

また、ドリアンは鋭いトゲに包まれていますが、ジャックフルーツはトゲと言うよりはつぶつぶとした表皮を持っています。実際にどちらも手に取ってみるとわかると思いますが、質感からして違う植物だということがわかります。

味が違う

ドリアンはカスタードクリームのようなねっとりとした食感と、強い甘味が特徴です。果肉の繊維はシルクのようにきめ細やかで、口の中でとろけるような感覚があります。

ドリアンの果肉。薄皮に包まれたきめの細かい繊維。


ジャックフルーツは、くにゅっとした柔らかい食感ですが、大きなとうもろこしの粒のような形に添って細長い繊維を感じます。また、さっぱりとした甘みで、柿とパイナップルの中間的な味わいです。

ジャックフルーツの果肉。繊維が目に見えてわかる。

似た見た目でも、ドリアンはこってり、ジャックフルーツはあっさりと、それぞれ違ってそれぞれの良さがあります。

植物として、分類が違う

ドリアンの学名はDurio zibethinus
ジャックフルーツ(パラミツ)の学名はArtocarpus heterophyllus
ドリアンはアオイ科ドリアン属に分類されるのに対して、ジャックフルーツはクワ科パンノキ属です。
ドリアンの属するドリアン属には様々な種類のドリアンが含まれていますが、食用やそれ以外も全て基本的にはドリアンらしい見た目をしています。
ジャックフルーツの属するパンノキ属は、ジャックフルーツ以外に、パンノキと言う、その名の通りパンのような香りのする果物が含まれています。

パンノキ:Wikipediaより引用

たまたま見た目が似てしまっただけで、親戚ですらないドリアンとジャックフルーツ。もちろんお互いに受粉をしないので、ドリアン×ジャックフルーツの果物は存在しません。


脱線:ドリアンみたいなジャックフルーツ?
東南アジアに行くと小さなジャックフルーツ(と言っても3~4kgほどありますが)に出会うことがあります。
その名もコパラミツ。マレーシアではCempedak(チェンペダッ/チェンパダック)という名前で流通しています。

路上屋台のCempedak

ジャックフルーツよりもねっとりとした食感とその強い香りがドリアンのようだということで、台湾では「ドリアンパラミツ(榴蓮波羅蜜)」と呼ばれることもあるそうです。
ジャックフルーツにはないほろ苦いアルコール臭があり、こちらも非常に美味しい果物です。

Cempedakの果肉はジャックフルーツに比べてやや丸みがある

原産地が違う

ドリアンの原産地はマレー半島(タイ南部からマレーシアにかけて)だと言われています。現在最も生産量が多いのはタイやベトナムですが、マレーシアでもたくさんのドリアン果樹園があります。
完全に熱帯のマレー半島で生まれたドリアンは寒さに弱く、25℃以上の気温がないとうまく育ちません。

対してジャックフルーツはインドからバングラデシュにかけての南アジアが原産地だと言われています。
比較的耐寒性が強く、10℃くらいまでは耐えられるとのこと。
日本でも沖縄などでは露地で生育していますので、ドリアンよりも広く栽培されています。2021年まではメキシコ産のジャックフルーツが生で輸入されていました。

最後に

ドリアンとジャックフルーツがいかに違うかということがお分かりいただければ幸いです。
ドリアンはほとんどの場合、成熟した生の果肉が食用とされますが、ジャックフルーツは未熟な果実をカレーの具材に使ったり、アメリカでは代替肉としてジャックフルーツの果肉まわりについている繊維が使用されていたりします。
また、ジャックフルーツの種も食用にされることが多く、炒ったり蒸したりするとほくほくとした芋のように食べられるため、ジャックフルーツに慣れ親しんだ方は種有りの果肉を好むようです。

どちらも日本では珍しい果物ですが、見かけたら是非お試しいただけたらと思います。
ドリアンは弊社オンラインストアからどうぞ


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