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キャラ設定:積極的「隠し事」のすすめ

キャラクターに裏の顔がある、 あるいは誰にも言っていない隠し事があるというのはとても重要なことである。
物語にとって、これほど助かるものはない。

ーーいやいや、キャラクターの裏の顔など、設定上当たり前のように作るものだろうーー

もしかしたら多くの制作者が、そんなふうに思ってもおかしくない。
だが、その中の何人が、最初からそうしてやろうとしてキャラクター設定を考えただろうか。
ここで言う「秘密」は、「生い立ち」や、「性格」などといった設定の中に紛れ込むようなモノではない。わざわざ別に項目を用意して設定することすら推奨される、「このキャラクターが秘するべきこと」というモノである。

この「秘密」が、重要だと認識していることこそが、まずは重要なのだ。意識して意図的に作っておくべきと言えよう。

昨今の物語作品においては、原作展開のみならずメディアミックス展開が非常によく行われている。
これは 消費者の興味関心が移ろいやすいからということと、メディアミックス展開が比較的容易になったーー高度な仕組み化がされたーーという背景があるだろう。
このような状況の時、あなたの描く物語をより容易に、広く紹介し、そして消費者を飽きさせないメディアミックス作品を制作するためにはどうしたらいいのか?

…つまり、ここで使えるのが裏設定、隠し事、また別の一面というものなのだ。

消費者や読者はまずキャラクターを通してその作品や世界を把握する……すなわち、キャラクターをこそ注目して、その物語を消費する。
であるならば、あなたの描く作品の派生作品というものとして求められるのは、
「そのキャラクターの設定の掘り下げ」である。
あるいは「そのキャラクターたちの集団の別の日常」である。もっと言い換えれば、「本編とは別のテーマにおけるキャラクターの様子」である。

だからキャラクターたちには、意図的によりしっかりとした裏設定、裏の顔を作っていくことが大事だ。
なぜならばそれを作っておくことによって、昨今求められているスピンオフ作品、番外編、メディアミックス等の派生作品へと応用することができるからである。
もちろん、キャラクターの深みも増し、より人間らしい、魅力的な存在にすることができるのも、この秘密あってこそだ。

このような裏設定等を作ることは、多くの物語制作者にとっては当たり前のこととされている。
だが、もしあなたがあまり意図してそれを考えてこなかったのならば、是非これを意図的に作るように考えてみて欲しい。
そうすることによって、キャラクターそのものの魅力のみならず、物語そのものにとってもいいことづくめなのだから。

※このテーマに関するご意見・ご感想はなんなりとどうぞ。

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