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素材としてのキャラクター 後編

※前編はこちら:https://note.com/kawausowright/n/n50029767bea6

前編では、
「物語を描くのに必要なのは結論・テーマ」
「そのためにキャラが動く必要がある」
「動くためには、そのキャラの意思や信念や正義を設定すべき」

こういったことを述べた。
しかしそれは、まだキャラクターが下準備を終えた状態でしかない。
後編では、この状態のキャラクターを、さらに良くしていく「スパイス」の話をする。

上で述べた下準備とは、「ある入力に対してこのような出力を返すもの」として、まさに創作物としてキャラクターを決めてしまうことである。
そこで次に、「ではなぜそのような入力→出力という関係ができていったのか?」という境遇を考えること。これが肝要になってくる。
それはつまり、そのキャラクターの生い立ちであり、現在置かれている状況であり、人間関係もこれに含まれる。
だからまずは、この入力→出力関係を設定したキャラクターを何人か作っておく必要がある。


※たとえば、主となるキャラクターを決めて、そのキャラクターの関係者という形でキャラクターをどんどん増やしていくというやり方。
これはかなり簡単だ。あまりキャラクターが思いつかない時は、そのようなやり方をやってみるといいだろう。


ともかくこのようにして、「人間的なキャラクター」ができていく。大切なのは、基礎的な部分を設定し、それからこのように背景などを考えていくこと。
こうすることで、複雑ながらも、感情移入のしやすいキャラクターができる。
※つまり、キャラクターを2段階で作るのは、いいとこ取りをするためなのだ。

そうしてキャラクターの生い立ちや人間関係などを設定していると、今度は「派閥」や「グループ」ができるはずだ。
もし自然にできない場合は、キャラクターたちがどのようなグループや派閥をつくるかをきちんと考えていく必要がある。

おおよそ三つか四つのグループができるくらいまでキャラクターの設定を考え終わったら、もうひと踏ん張りだ。
ある主要な人物を軸として、全てのキャラクターやグループに目標を作る時が来た。
この目標とは、最初に考えたそのキャラクター達の「現状を変化させていった結果」のことである。必ずしも、団体の目標として、キャラクターたちが認識している必要はない。物語の終わりに、その集団がどうなっているのか、どうなりたいと思っているのか…そういうことを、考えればいい。

全てのキャラクターやグループが各々の目標に向かって動き出そうとすることを、イメージしてほしい。
それらのグループやキャラクター達は、必ずお互いに干渉し合い、あるいは邪魔し合うことになる。
もし全くそうならない気がするのであれば、そうなるように目標などを考え直す必要があるだろう。
物語を制作するときは、一度作ってみたものをもう一度見返し、戻し、考え直すことも必要になってくる。

そのようにして…読み手から見て明らかに矛盾のない、しかし予想もつかない流れができた時、それはきちんとした「キャラクター」たちが動く、面白い「ストーリー」だと言うことができる。
いいとこ取りをしてキャラ設定を考えたからこそ、このような結果がうまれる。

基本的な入力→出力関係が設定されたキャラクターたちに必要なスパイスとは、
「なぜそうなったのかの理由となる出来事」
「キャラクターたちの関係性・派閥」
「それぞれの派閥の目標」
である。

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