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「部活もの」①︰コミュニティ×青春=面白い!

物語には王道というものがある。
それは、ストーリー全体を貫く伝統的な軸であったり、お決まりの流れというものを表す。
※詳しくは以下︰
https://note.com/kawausowright/n/n79d8cae5c97e

そんな王道の中でもかなり強力なものがある。

それは、「部活もの」といわれるジャンルだ。
言葉からイメージされるように、学校などの部活というコミュニティを基本とした物語のことである。
知らない人間はいないくらいありふれたコミュニティであるが、では、なぜこれが王道なのだろうか?

基本的なポイントは3つである。

・基本は「コミュニティ」×「青春」
・刺激するのは「基本欲求」と「共感性」
・効果は「問題を協力して解決する」ことによる達成感


今回はまずひとつめの、「コミュニティ」×「青春」のことを話してみよう。


この部活ものに欠かせないのが、ふたつの要素である「コミュニティ」と「青春」だ。
一般的に、このテの物語は部活として設定されたコミュニティに、主人公が受け入れられるところから始まる。
慣れない主人公が、見知らぬ組織の構成員と出会い、少しずつ打ち解け、受け入れられていく……こういった、あるコミュニティへの融和は、人間の本能を満足させる。
何故なら、人間は社会的な動物だからだ。孤独ではなく、誰かと仲良くなり、協力することで生き延びてきた歴史がある。
だから、コミュニティに属し、その活動の幅が広がっていくということに、生の実感を得るのである。
とくれば、その様を見て楽しくならない読者はいない。

ただ、そういった、「コミュニティに打ち解ける→そのコミュニティが拡大していく」という過程は、実際のところ時間がかかるし、飽きる。
そこで、「青春」の出番である。
物語的にダレる過程というものを、「青春」で色付けするのだ。
内容がどうあれ、青春時代を過ごしたことのない人間というのは幼児以外に存在しない。だから、この青春という概念は、誰にでも受け入れやすく、共感も容易で、夢中になれるものなのである。
そういうわけで、コミュニティの変化の過程を、青春的な活動・シーンによって、読者に楽しんでもらう。
そういった基本的な仕組みが、この部活ものという王道である。

「コミュニティ」も、「青春」も、現代人にとって重要だったり既知だったりと、とにかく当たり前の概念である。
だから、これらをかけあわせた「部活もの」は王道で強い。
これが基本にあるから、部活ものは廃れることはないし、今後も数多くの物語が、この王道を使っていくだろう。

「コミュニティ」×「青春」。

あなたの創作する物語が、もし部活ものに思えるなら、ぜひ、上記の要素を思い出し、その意味やメリットを考えてみてほしい。


・刺激するのは「基本欲求」と「共感性」

に続く……

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