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「王道、お約束、テンプレキャラ」①:王道とは編

※お約束とは編はこちら:
https://note.com/kawausowright/n/n8068d5e69b19

人類が神話を紡ぎ始めたはるか昔の時代から、物語というのはあらゆる人間によって 創作され伝えられてきたものである。
するとそこには当然、「伝統」というようなものが発生し 、過去の傑作を真似するような人間が出てくることも多くなってくる。

王道やお約束やテンプレキャラといった言葉は 、そういった伝統や模倣から生まれたものであり 、現在では物語を創作するのに大変重宝する「遺産」である。

そして、この3つの言葉には……もちろん、それぞれの意味がある。
だから、きちんと把握して、物語制作に役立てていきたいものだ 。

3つの中でも圧倒的に耳にすることの多い「王道」。これは一体、どういうものだろうか?

王道とは、その物語の軸における、昔からよく使われている決まりきった流れのことだ。
言い換えれば、物語全体を通して、ある伝統的であったり、有名であったりする流れがあることに他ならない。

具体例としては、

・勧善懲悪
  ……正義が悪を懲らしめる話

・貴種流離譚
 …… 高貴な血筋が試練を乗り越え旅をする話

・アルゴノート(金の羊毛)
…… ある目標や報酬のために、 チームを組んだキャラクターたちが課題を解決していく話

・ 異世界転生
……新しい人生を与えられた主人公が、ハーレムを築き、改めて自己実現を達成していく話

などが挙げられる。
これらをベースにして、オリジナルのキャラクターや展開などを考えていく。それが、王道を用いるということである。

王道は、インプットの量が少ない段階では取れる選択も少なく、他の作品と似通ってしまう危険性が高くなることは要注意だ。

だが一方で、扱うことそのものはとても楽である。

なぜならば、王道は物語全体にわたるものであるから、単純化しやすく、細部にわたって把握する必要もないものだからである。
むしろ細部まで適用してしまえば、それはその元となった物語と全く同じになってしまう。
だからこの点において、王道を扱うというのは「ざっくりと流れをつかむ」ことを主眼とすれば事足り、ストックすることもかなり容易である。
王道の面白さは歴史が証明しているので、創作者としては安心感があるのもメリットと言える。

以上、物語を創作する時に参考にすべき伝統やお約束の中で、ここでは「王道」というものを取り上げた。
これは、物語全体の流れをざっくりと参考にするものであり、そこにある面白さや、真似されてきた理由などを考えて、あなたの物語に適応していくべきものである。

趣味や消費が多様化している現代だからこそ、連綿と続く「面白さ」の根源たる王道は、踏まえて損はないものである。
そして何もないところから創造するよりも、ずっと簡単で確実な物語づくりが期待できる点で、「王道」は参考にされるべきものである。

※このテーマに関するご意見・ご感想はなんなりとどうぞ。

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