かわうその川流れ日記⑪~図書館という魔窟
11日目。
快楽充満の桃源郷と、阿鼻叫喚の地獄絵図が、渦に渦を巻いていた都会から無事帰還。
五体満足で戻ってこれたはいいものの、愛しのハニーとしばしの別れとなり、心は不満足、失った部分も多いようだ。
あちらへいる間も、あぁ、心が蒸気になって、この空間に充満していっている・・・。うわぁ・・・心が液状になって、カーペットにしみこんでいっている・・・。とは思っていたが、やはり全て再結晶化させるのは不可能だった・・・。
本体(私)と離れすぎた、心たちはもう永くは生きれないだろう・・・。
となれば再生産を行うしかない。
そのためには、材料とエネルギーが必要!
というわけで、図書館に行ってきた。
これが失策だった。
棚に並べられているのは、未知と英知の数々。
ハイパーセンチメンタルの私には、自分は自分が生きている世界のこともほぼほぼ何も知らないんだなぁと、ギガハイパーセンチメンタルデスパレードクロニクルキャノンに襲われた。
これがもし、ウキウキかわうそ君だった場合、世界にはまだこんなに知らないことがある!発見だらけで、生きることって大冒険だ!となっていただろうが、残念、今日の精神喪失・心の根幹モゲモゲかわうそ君には酷な話であった。
とはいえ、車で20分ほど飛ばした手前、手ぶらで帰るわけには行かない。それこそみじめな自分に絶望し、心の全てを霧散してしまう。
というわけで、震える手と震える足を、震える心と震える脳で無理やり動かし、何とか1冊の本を借りてくることが出来た。
太宰治「人間失格」
とどめの1殺にならなきゃいいが。
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