見出し画像

自由過ぎて羨ましい!山下清の人柄

こんにちは。かわたんです。
先日、主人が珍しく自分から山下清展に行きたいと言うので、出かけてきました。

山下清はとても精巧な貼り絵を描かれた方と知っていましたが、ドラマ「裸の大将」のイメージが強く、それ以外の事は何も知らずに見に行きました。これがかえって良かったみたいで、今まで勝手に抱いていたイメージが払拭されました。とても意外だったのが次の3点です。


①旅先で絵を描いていたのではない
②絵を描くために旅をしていたのではない
③彼の母は放浪の旅に賛成していない


旅先で絵を描いていたのではない

ドラマの中で山下清は旅先で絵を描いていたように描写されていましたが、実際は旅から帰ってきてから描いていました。彼はとても記憶力が良く、見たものは決して忘れないので、その場で描く必要はなかったようです。

旅先でお世話になった弁当屋さんのために、お店の宣伝の絵を描いたり等の例外はあったようです。ですが、基本は美しい風景を前にしても制作はしなかったようです。

絵を描くために旅をしていたのではない

個人的にはこれが一番びっくりしました。彼が旅をしていた理由は美しい景色を見たいというただそれだけだったのです。寒くなれば南に行き、暑くなれば北に行くという動物のような気ままな旅でした。やはり徒歩の旅で北は厳しいようで、福島より上には行かなかったみたいです。反対に暖かい西の方はよく訪れていて、鹿児島の桜島はよく清の作品にも登場しています。

美しい景色を目にしたら、かなりの長い時間ぼーっと眺めていたようです。こうしてじっくり観察することで、緻密な作品を作り上げていたのでしょうね。本展覧会ではキャプションの他に彼のコメント?のようなものが書かれていて他の展示では見たことがなかったので、とても新鮮で面白かったです。

ある作品には
「ここと同じ景色を天皇陛下も見たらしいけど、こういうものは沢山のおともと一緒じゃつまらないんだけどなあ」的な事が書かれていました。

確かに!!
この言葉を見て、彼は自然や自分の目で見たものとじっくり向き合う事を愛したのかなと思いました。それほど彼の作品はリアリティがあり、温かみまで伝わってくるものでした。

彼の母は放浪の旅に賛成していない

ドラマ「裸の大将」では、清が「お腹が空いたら親切な人におむすびをもらって食べなさい」と母から言われた。みたいなシーンが度々出てきます。ですが、彼が放浪の旅をしている時点で実の母は健在なので、これはドラマ上の設定のようです。このセリフはかなり印象に残っていたので、「これ、全然事実とちゃうやん!!」と笑ってしまいました。

彼はいつもお茶碗と汁椀と箸を持ち歩いていたので、実際はおむすびではなく、ご飯とお味噌汁をもらっていたのかもしれません。基本的に夕飯前の時間に民家に行って食事を分けてもらっていたようですが、西洋風の家ではもらえなかったみたいです。別荘地を歩く清が、「このあたりは西洋風の家ばかりでご飯がもらえなくて困る」とある作品の横に書いてありました。

彼が放浪の旅に出たのは養護学校に6年もいて、そこでの生活に飽きたからと徴兵検査から逃れたかったからだそうです。そのため、母や家族はいなくなった彼を探し、見つけられた清は無理やり徴兵検査を受けさせられました。(結果は不合格で戦争に行かずに済みました)
もう放浪はしませんと養護学校の校長に宣誓書を書いても、またフラフラと出かけてしまうので、家族も困っていたようです。

まとめ

こんな感じの人柄で作品が素晴らしいのはもちろんですが、自由過ぎてなんだか元気が出てきました(笑)
他にも自由過ぎエピソード沢山あります。

負けず嫌いで腕相撲で負けたくないから、女の人としかやらない
(彼は体格の割に力が弱かった)

旅先で一時的にお金を稼ぐ時は9時から17時までしか働かない

もらったお金をとっておかずに好きなことに使った
(水族館に行ったりとか)

などなど。作品を見て感動するのもありますが、クスっと笑えるエピソードがいっぱいあり、気持ちがほっこりとします。そんな彼ですが、幼少期はずっといじめに遭っていました。それでも、養護学校で先生や友達に恵まれ、絵を描く楽しさもより深まって、どんどん優れた作品を世に出すようになりました。

ここまで自由に、他人や常識を気にせずに生きられたらすごいですが、時代にマッチするかや才能も関係してくるので、自分に出来る範囲で自分に優しく生きられたらいいなと思います✨

山下清展。もう少しゆっくりしてもいいかなと思わせてくれて、日本の美しい温かい風景が心おきなく堪能できますので、興味ある方は是非足を運んでみてください🥰

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。あなたらしく素敵な毎日をお過ごしください🍀

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?