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だれもが安心して暮らせるユニバーサルなまちづくりを目指す新規事業!eスポーツを通じた就労支援「ONEGAME三島芝本町」オープン

こんにちは!静岡県三島市で「まちの元気」をつくっています!加和太建設 広報担当の村上です。

加和太建設では今年、社内の新規事業コンテストをきっかけに新たなかたちでの「まちの元気」づくりをスタートしました。それが、就労支援B型事業所「ONEGAME三島芝本町」です。

どのような思いで、どのような取り組みをスタートしたのか? 今回の記事で紹介します。


社内新規事業コンテストから生まれた、新しいまちづくりのかたち

2024年2月1日、加和太建設の新規事業として、就労支援B型事業所「ONEGAME三島芝本町」が三島市芝本町にオープンしました。この事業は、KIC (加和太建設の社内公募制度・カワタ・イノベーション・コンテストの略称)の新規事業コースで、経営推進部の井澤賀奈代さんとまちづくり事業部の工藤由紀さんが提案し、実現に至ったものです。KICの提案事業が実際に事業化されたのは今回が初めてのことでした!

左・工藤さん、右・井澤さん。
年初の経営方針発表会で、改めて表彰と事業開始のアナウンスがされ、喜びのコメント中!

この取り組みは、加和太建設が抱えていた自社の「障がい者雇用率を安定させたい」という雇用者側としての課題と、地域で障がい者の方々が抱える「仕事の選択肢が少ない」「賃金が安く将来が不安」といった就業する当事者の課題をきっかけに考えられたものです。

実は、井澤さん、工藤さんはご家族が障がいを持つ当事者でもあります。そのような背景もあり、何か会社のために、そして地域のために「障がい者支援」につながる取り組みを見出そうと考えました。

そんな二人が事業検討をする中で出会ったのが、eスポーツを通じた就労支援でした。

元々福祉事業の経験は無く、ゲームも全くしないという井澤さん。

わからないジャンルだからこそ、可能性を感じられた

「福祉×ゲーム」という一見つながりにくい2つの領域の組み合わせに、おもしろさと新たな可能性を感じ、この取り組みで新規事業コンテストでの提案をし、見事採択されたのでした。

総務課長も務める井澤さん。
建設業と福祉業の「二足の草鞍」を明るくチャレンジ中。パワフルすぎます…!

eスポーツだからできる 将来の選択肢を広げる支援内容

事業化にあたり、フランチャイズへの加盟を選択。群馬県に本社を置くワンライフ株式会社が全国展開する「ONEGAME」の事業所を三島でも展開することとなりました。

eスポーツは身体能力や年齢に関わらず、多様な人々が同じフィールドで戦うことができる分野として注目が高まっているのだそう。【選手】【イベント】【実況解説MC】の3つのコースを設け、利用者一人ひとりの適性を見極めながら、将来の選択肢を広げる支援を展開しています。個々のペースに合わせてスキルを身につけ、専門家を目指せるよう伴走する、ユニークな仕組みです。

事業開始にあたり、市への企画書提出や開設申請書作成など必要書類の申請から施設づくり、採用に至るまで、さまざまな準備を重ねてきました。無事開設の許可を得て、2024年2月1日に施設をオープンすることができました。

それぞれのコースに必要な設備はばっちり!

「隠れた支援対象者」と福祉をつなぐ入り口としての期待も

事業のスタートにあたり、心身に障がいのある利用者さんたちに特性に応じた支援を提供する役割を担う「サービス管理責任者」として加和太建設の仲間になったのが、太田英美さんです。

太田さんは長らく福祉事業に従事しており、直近は伊豆市の就労支援A型事業所に勤務。ひきこもりや8050問題(80代の親が50代の子の世話をしなければいけないという問題)など、福祉の手が行き届いていない課題に直面してきたと言います。

もともとその解消のために、IT分野を活用して社会へと導く新たな支援方法を探っていました。そんななか、加和太建設がONEGAMEを立ち上げると知り、太田さんがその仕組みを知りたいと問い合わせをしてくれたことが、出会いのきっかけでした。

いつも穏やかな笑顔で迎えてくれる太田さん

建設会社が福祉事業に携わることで、障がいの有無に関わらず、だれもが安心して暮らせるユニバーサルなまちづくりを実現できると感じました

そう語る太田さんは、この偶然をきっかけに私たちの仲間に加わってくれました。

弱さを受け入れ、一緒に歩んでいくことが大切だと思っています

そう語る太田さんは、単に支援する側に立つのではなく、利用者一人ひとりの自己決定を尊重しながら、寄り添う姿勢が何より重要だと考えています。また、これまでの経験と向き合ってきた課題から、eスポーツを通じた支援には、その寄り添う姿勢を実現する大きな可能性を感じていると言います。

パソコンやIT活用能力は将来の就労に役立つスキル。従来の作業所で行ってきた工賃作業は単純作業が多かったですが、eスポーツなら好きなことを仕事に活かせる。また、支援が行き届いていない人も新たに接点を持ちやすく、この事業が提供できるきっかけ・機会などの可能性は無限にあると思います。

例えば、鬱などの診断を受け長らくひきこもっていても、そこから必要な手順を踏んで支援対象としての公的な認定を受けていないケースは珍しくないのだそう。既にONEGAMEへの問い合わせも多くあるなかで、その接点をきっかけに福祉につなぎ、支援からこぼれてしまっている状態を解消していく一助になれば、と考えています。

室内の設計・施工は自社で実施!
非日常的な空間で、利用者の方が楽しく通所できるよう後押しします

「また来たくなる事業所」を目指して


事業のスタートからもうすぐ2か月が経ちます。利用者の方々への対応と立ち上げ期の環境整備などの業務の両立に奔走中です。SNSでの発信、イベント開催、楽しみながら対象となる方々が支援へアクセスできる工夫を重ね、誰もが気軽に立ち寄れる「居場所」づくりを目指していきます。

元プロのeスポーツプレイヤーであるスタッフの毛利さんは新たな挑戦に前向きです。

決まりごとやマニュアルがない新規事業では、自分たちでマニュアルを作っていく必要があります。そこが一番の難しさでもあり、面白さでもありますね。eスポーツの魅力を伝えながら、楽しくてまた来たくなる事業所を目指したいです。

右・毛利さん。わきあいあいとしたONEGAMEのチーム!利用者の方を優しくサポートします

福祉とeスポーツの新たな融合に挑戦し続ける中で、一歩ずつ課題を乗り越えながら、着実に前に進んでいきます。地域に開かれた新しい"場"として、1つの新しいまちづくりのかたちの実現に、ぜひ引き続きご注目ください!