見出し画像

新型コロナウイルスに残されたフリーメイソンのサイン!?

初めまして。翡翠です。
記事に興味を持っていただき、ありがとうございます。

今回は、理系院卒が『新型コロナウイルスに関するデマをぶった斬る』シリーズの第2回目です。

ぶった斬る!!

画像1

今回のターゲットはこちら。

COVID Evil: Satanic References in the Coronavirus Scamdemic
直訳)コロナウイルス詐欺の悪魔のような証拠
by George Mackenie
http://stateofthenation.co/?p=15223

COVID Evil: Satanic References in the Coronavirus Scamdemic
http://stateofthenation.co/?p=15223

そして、この記事を引用した以下のブログです。

あんみんさんの
これがPCR検査で使用されるコロナのデータ!やはり体内物質だった
https://anmin579.com/2020/06/06/これがpcr検査で使用されるコロナのデータ!/

スナメリオさんの
コロナウィルスの遺伝子配列にイルミナティが好んで使う「33」マーキング!+世界支配の具体例
https://ameblo.jp/sunamerio/entry-12600788203.html

記事には、以下のような文章が書かれています。

This paper’s elaborate and detailed analysis of the COVID-19* genomic sequence contained no explanation nor even mention of the extraordinary 33 A’s that complete the sequence. This is strong evidence that the genome sequence listing in the NCIG* is the product of purposeful manipulation. A highly likely conclusion is that Holmes tacked on the 33 A’s as commanded by his Satanic masters behind the Royal Society to convey their Luciferian hoodwink, the hidden joke. The fact that the Royal Society was founded by Freemasons, and that the number 33 is paramount in Freemasonic numerology, supports this conclusion.
訳)最初に新型コロナウイルスを発見し、COVID-19*ゲノム配列の詳細な解析を行った論文には、『異常なAが33個連続していること(33A’s)』について、説明どころか、言及さえありませんでした。 これは、NCIGデータベース*に掲載されたゲノム配列が意図的に操作されたことを示す強い証拠です。 可能性の高い結論は、Edward C. Holmesが、王立協会の背後にある彼の悪魔のような指導者たちによって、彼らの隠されたジョークを伝えるように命じられ、33A’sを付け加えたということです。王立協会がフリーメーソンによって設立されたという事実と、33という数字がフリーメーソン数秘術で最も重要であるという事実は、この結論を裏付けています。
COVID Evil: Satanic References in the Coronavirus Scamdemic
http://stateofthenation.co/?p=15223
*)COVID-19はウイルスの名前ではありませんし、NCIGはNCBIの間違いです。こういう細かな部分でも、書いた人がきちんとサイエンスを理解できていないことがわかりますね。

画像6

胡散臭い記事ですが、驚くのは、これを信じている人がいるということです。

このデマを一言で論破すると、「アデニン(A)の連なったポリA配列(ポリAテール:尻尾)はmRNAからタンパク質の合成に必要な配列なので、コロナウイルスの遺伝子がこの配列を持つことに何らおかしな点はありません」

詳しく解説していきます。

”セントラルドグマ”という言葉をご存知でしょうか?(生物学の話で、エヴァンゲリオンの方ではありません。)

すべての生物は、基本的に DNAでできた遺伝子を持っています。このDNAでできた遺伝子は『タンパク質の設計図』と呼ばれ、DNA の配列がタンパク質のアミノ酸配列を指定しています。
細胞内では、まず、DNAの塩基配列が、RNAの塩基配列に写し取られます。この過程を転写といいます。次に、RNAの塩基配列がタンパク質のアミノ酸配列に置き換えられます。この過程を翻訳といいます。
この一連の『DNA→(転写)→RNA→(翻訳)→タンパク質』という過程は、すべての生物に共通するもので、これを分子生物学の中心原理『セントラルドグマ』と言います。

セントラルドグマ-1024x768

ただし、DNAの遺伝情報がRNAに写し取られただけでは次の翻訳のステップに進みません
写し取られたばかりのRNAはmRNA前駆体と呼ばれますが、それが翻訳に進むためには、RNAプロセシング(成熟化)と呼ばれるステップが必要になります。
この時にmRNA前駆体に対して行われるのが、キャップ構造の付加、スプライシング、そして、ポリA配列(ポリAテール)の付加です(RNAプロセシングの解説)。

今回のキーワードは、『ポリA配列』です。

画像5

上の図中では、7個のアデニン(A)の連なったAAAAAAAで示された『ポリA配列』ですが、実際には、100〜200個のAがmRNA前駆体(pre-mRNA)に付加されます(mRNA 3′末端プロセシング研究)。中央値で67〜96個という報告もあります。

画像7

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4086860/

画像8

ウイルスは、宿主細胞の様々な機能を利用(”ハイジャック”)して、自身を増やします。
コロナウイルスは、RNAからなる遺伝子を持つRNAウイルスです。DNAウイルスではないので、DNAからRNAを合成する転写のステップは必要ありません
感染後、コロナウイルスのRNAが細胞内に侵入し、それが、RNAプロセシングを経て成熟したmRNAに”擬態”するように、コロナウイルスはポリA配列を持っているのです。
ポリA配列を持つコロナウイルスは、宿主細胞の翻訳機構を”ハイジャック”して、宿主細胞のタンパク質と同様、自身の遺伝子情報をもとにウイルスタンパク質を合成させます。賢いですね。

これがコロナウイルスの『生存戦略』です。
コロナウイルスが増殖するために必要な、非常に意味のある配列で、フリーメーソンが力を誇示するための”ジョーク”ではありません!

記事には、以下の文章も書かれています。

To confirm, I scanned back up through the sequence. Nowhere did I see more than four of the same letters in a row together in the sequence.
訳)確認のため、シーケンス全体をスキャンし直しました。 同じ文字が4つ以上連続して並んでいるところはどこにもありませんでした。
COVID Evil: Satanic References in the Coronavirus Scamdemic
http://stateofthenation.co/?p=15223

頭痛がします。

画像3

デマブログにもありますが、武漢で最初に単離された新型コロナウイルス(SARS- CoV-2)の遺伝子の配列は、NCBIのデータベース上で公開されています。

Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 isolate Wuhan-Hu-1, complete genome
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/1798174254

たくさんの情報がバーッと書かれているので分かりにくいですが、左上にある『FASTA』というボタンをクリックすると、新型コロナウイルスの遺伝子配列だけを表示することができます。

名称未設定.001

Command+Fで、例えば「AAAAA」を検索してみてください。最後の33個のポリA配列以外の場所でも「AAAAA」が見つかると思います。

同じ文字が4つ以上連続して並んでいるところはどこにもありませんでした。
COVID Evil: Satanic References in the Coronavirus Scamdemic
http://stateofthenation.co/?p=15223

こんなデマは一瞬で論破できます。「検索すれば、A、T、G、C全て5つ連なった箇所が見つかりますよね?」ぜひ使ってください!

今回はここまで。
デマ情報を~、ぶった斬る!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?