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銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE

2016年から活動しているセルパブSF雑誌『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE』のnote版です。
明るく楽しく激しい、セルフパブリッシング・エンターテインメント・SFマガジン。気鋭の作家が集まって… もっと詳しく
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#ガンズアンドユニバース

目次

各作品の第1話へのリンクです。 (作者50音順) 神楽坂らせん 宇宙の渚でおてんば娘が大冒険『ちょっと上まで…』 かわせひろし 少年とポンコツロボと宇宙船『キャプテン・ラクトの宇宙船』 道具として生まれ命を搾取されるクローンたち『クローン04』 にぽっくめいきんぐ 汎銀河規模まんじゅうこわい『いないいないもばあのうち』 宇宙人形スイッチくん夫婦の危機を救う『アリストテレスイッチ』 幾つもの世界と揺らぐリアリティ『町本寺門は知っている』 波野發作 銀河商業協同組合勃興記

【ちょっと上まで…】〈第十部〉『The past days ~ 過ぎ去りし日々』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ # <<【 第九部】 へ            >【第一部】から読む< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈第十部〉 『The past days ~ 過ぎ去りし日々』 ――― 【プロローグ】  引き戸が勢いよく開けられた音で目を向ける。  あの気の強そうな小娘が、真剣な面持ちで、  怒りにも取れる思いつめた目をして立っている。  力のある瞳だ。  と、思うが早いか、娘は戸

【ちょっと上まで…】〈第九部〉『リリクの一番長い日』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ # <<【 第八部】 へ            >【第一部】から読む< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈第九部〉 『リリクの一番長い日』 ――― プロローグ~今・海面 急に暗くなって振り返る。空から見た時に西側に広がっていた大地の大部分は、もうほとんどが水平線に隠れてしまっていた。  高層に浮かぶ薄雲からの反射で、周りの海面が赤紫がかった茜色に彩られている。  世界中が

【ちょっと上まで…】〈第八部〉『帰還』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ # <<【 第七部】 へ            >【第一部】から読む< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈第八部〉 『帰還』 〈シャトル〉・今  亜軌道とも准軌道とも呼ばれる、成層圏低層。地球の大気と真空の狭間。  深宇宙でも、大気圏でもない、そんな中途半端な空間でアタシはあえいでいた。  やっばい。やばいよ!  船いないじゃん!!  これじゃ船に……、〈バイトアルト〉に

【ちょっと上まで…】〈第七部〉『High Altitude Mission』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ # <<【 第六部】 へ            >【第一部】から読む< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈第七部〉 ─ High Altitude Mission ─  それは十五年前。まだコンピュータたちが生きていた、最後の夜のこと。  国の中央圏から北東方向に数百キロ離れた地域にその施設はあった。  人里から遠く離れた険しい山中。むき出しの岩肌の間に、周囲の自然からかけ

【ちょっと上まで…】〈第六部〉『夢の船』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ # <<【 第五部】 へ            >【第一部】から読む< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈第六部〉『夢の船』 あの時「行ってあげなよ……。どんな姿だって、親が生きてるんだから。話ができるんだから。話、してあげなよ……」  言葉を選び選びし、つっかえながら僕は言った。  だいぶ時間を置いて、リリクは小さな声で答える。 「……うん。いってくる」  つづけて、「あ

【ちょっと上まで…】〈第五部〉「母娘」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ # <<【 第四部】 へ            >【第一部】から読む< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〈第五部〉「母娘」 〈ラウンジ〉 アタシの名はリリク。リリク・カミヤマ。  自分で言うのもなんだけど、本当のアタシはめちゃくちゃ元気。野山を走り回ったり、家の軽飛行機、ペラ子で空を自由に飛び回ったりするのが大好きな、ごく普通の女の子……、だと思う……。  そりゃあ喧嘩もた

【ちょっと上まで…】〈第四部〉「セイコ」

―――― # << ー 第三部 へ ―――― 〈第四部〉「セイコ」〈ラウンジ〉 成層圏界面を滑るように飛ぶ亜軌道船(エクラノプラン)〈バイトアルト〉。  地球を覆っている厚い大気の層は〈バイトアルト〉のすぐ下にある。宇宙線の衝突で帯電したうすいガスや微粒子ははるか前方から高速でたぐり寄せられ、艦底をかすめてまた後方へ飛び去って行く。巨大な船はちょうど水面を跳ねる飛び石のように圏界面にかすかに触れ、大気層表面効果と電磁気力、重力のせめぎあいで生み出されるエネルギーによってごく

【ちょっと上まで…】〈第三部〉「船」

―――― # << ー 第二部 へ ―――― 〈第三部〉 〈バイトアルト〉~囚われの宇宙人 成層圏を越えて……。  地表にずっしりと積もり、重く滞っている深い大気層の圏界面を抜け、アタシ達が乗るロケット〈キウンカムイ〉は海面から飛び出すトビウオのように真空中に躍り上がった。  圏界面上を滑る亜軌道船(エクラノプラン)、〈バイトアルト〉へ飛び乗るために……。  ◇ 「……んで、飛び乗ったまでは良いんだけどさ、この状況、なんなの?」  はるばる飛んできて、巨大な〈バイトア

【ちょっと上まで…】〈第二部〉「ショーゴ」

―――― # << ー 第一部 へ ―――― 〈第二部〉 【ショーゴ】 薄暗い霧の中のような、はっきりしない意識の中、すぐ近くから声だけが聞こえる。 『ショーゴちゃん、あなたのパパやママはもういないの。もう誰も迎えに来ないのよ……』  ああ、いつもの夢だ。  保母さんの顔も覚えていないけれど、声だけは耳に残っている。一見かわいそうにと言う風な同情的な声音だった。でも、僕がなにかをしでかしたあとのような、どうしたら良いかわからないような不安げな声。 『やーい! 親無しッ子ー

【ちょっと上まで…】〈第一部〉「リリクとショーゴ」

――― <<#00(note版まえがきのようなもの)へ ――― 〈第一部〉「リリクとショーゴ」【ペラ子】  父が死んだ。 『ちょっと上まで行ってくる』そう言って出かけたまま、親父は帰ってこなかった。  知らない国の言葉で〝高いところ〟と言う意味らしい〈バイトアルト〉。定期的にこのあたりの上空を通過する亜軌道船だ。昔は成層圏プラットフォームと呼ばれていたのだとか。  その〈バイトアルト〉へ荷物を運ぶロケット屋が父の職業(しごと)。 『危ねぇ? そんなのは他の奴らが飛んだ場合だ

【ちょっと上まで…】#00(note版まえがきのようなもの)

まず『ちょっと上まで…』のこれまでとこれから、そして裏側のおはなしみなさまはじめまして 始めましてじゃない人はご無沙汰しております。神楽坂らせんです。 かつて月刊群雛という雑誌でSFっぽいお話をちょこちょこと書いておりましたワタクシですが、雑誌の廃刊にともなって発表場所を失くし、行くあてもなく精神エネルギー体としてボツ作墓場をさまよっておりました。 そんなおり、かわせひろし編集長に召喚され現世に舞い戻りまして、光栄にも『銃と宇宙 GUNS&UNIVERSE』という、SF