2022年のベスト5(映画編)
観る側のセンスが問われるような、結論を委ねてくるような映画はニガテ
分かりやすく人が沢山死んだり、復讐しまくる映画だ〜いすき!な映画ヲタクによる2022年ベスト5
ちなみに2022年、映画館で観た映画は68作品でした
1位 「RRR」 S・S・ラージャマウリ監督
ポスターからして絶対に私は好きでは無いタイプの映画だったのに、なんとなくで観たらベストワンに躍り出てしまったナートゥ。
完全にふたりはプリキュア☆なんだよなぁ(観た人には伝わると信じている)
恋愛、友情、家族愛、故郷愛、夢、希望、神話…まるで少年ジャンプのような私の嫌いな要素ばかりが詰め込まれているのに、あまりにも真っ直ぐで情熱的すぎて私のひねた心にもスっと入ってきてしまった。
ツッコミどころしかないのに無駄なシーンは一切なく、3時間という長尺なのに中弛みすることもなく、最初から最後まで怒涛の暑苦しさで押し切ってくれる。
インド映画って分かりやすく勧善懲悪で、行間を読ませるとかオチは想像に任せるとか、そういう観客の感性に丸投げする部分がなくて、完全なる完成系としてとてつもないパワーで投げつけて来る感じがめっちゃ好きっす。
2位 「さがす」 片山慎三監督
片山慎三監督、ポン・ジュノ監督の元で助監督をしていたというだけあって全体的に韓国ノワールみが強い。
実際にあったいくつかの事件を元にしているけれど、邦画特有の湿っぽさや説教臭さはなく、しっかりエンタメ映画でおもしろかった。なにより佐藤二朗さんの素晴らしさに気付かせてくれた。
死にたい人、殺したい人、生きたい人、助けたい人…。弱くて脆い人間の生々しい感情を見てしまい、何が正しいのかわからなくなってしまったけれど、観たあとに答えをさがしたくなる映画だった。
「死にたいと言っていて、本当に死にたい人なんて一人もいなかったよ」
3位 「哭悲/TheSadness」 ロブ・ジャバス監督
去年一悪趣味だったねぇ…(とても良い意味で)
100分間のうち、90分間はずっと血が出ている。怒涛のノンストップエログロ血祭りである。血飛沫ブッシャー!殺!殺!殺!人間なんてみんなゴミ!生きてる価値なし!殺!殺!殺!という作り手の思想が強く強く伝わってくる。
ただゾンビ化するだけでなく罪悪感に涙を流しながらも凶暴化が止まらないという設定も良い。涙を流しながら顔に齧りついたり目潰ししたり人目を気にせず性交に夢中になるなんて、なんて人間らしい姿なんだ!とときめいてしまった。
自分の中に底知れず眠っている破壊衝動に気付かせてくれる素晴らしい映像体験であった。
4位 「さかなのこ」 沖田修一監督
のんちゃんが笑っているところを見せてくれただけでもう無条件に☆100億個あげちゃうんだけれど、「好き」を貫いた先にある幸福というのを分かりやすく見せてくれて、趣味に生きる私にとっては救いでしかない物語であった。
好きを貫くことの大切さだけでなく、人と人との繋がりの尊さみたいなものも感じられて人間がとても愛おしくなるし、なによりも細かいところの配役や撮影にまでさかなクンへのリスペクトと愛が感じられて最高。
何かを好きな気持ちというのは、誰にも否定されない尊いものであってほしいでギョざいますね。だって好きに勝るものなし!でギョざいますからね〜。
5位 「神は見返りを求める」 吉田恵輔監督
恩を仇で返しまくり調子に乗りまくる女と無償の協力と見せかけて見返りを求めすぎる男と悪口伝達男(しかもちょっと盛る)…。出てくる人間、総じてゴミのようだが、しかし、私はどちらにも思い当たる節があり、背筋が凍るような思いになった。
憎しみが憎しみを生んで、仕返しの連鎖が止まらなくなってゆく様は見ていてとてもしんどい。が、頭から血を流し踊り狂う田母神さんはとても美しかった。輝いていた。
吉田恵輔監督の描くダメ人間は、皆愚かで滑稽だけれど、そのなかにわずかにある美しさみたいなものも描いてくれていて、ダメ人間に対する愛情のようなものを感じられて、その優しい視線がとても好き。ラストシーンの美しさですべてを許せてしまった。
68作品の中から5作品を選ぶのはなかなか難しかったな。
他にも面白い映画はたくさんあったけれど、ベスト5の映画はどれもこれも、サブスクがこれだけ普及し家から出ずとも月数百円払えばいくらでも世界中の映画が観れるこの時代に、わざわざ足を運び決して安くはないお金を払い映画館で映画を観るということの素晴らしさを改めて感じさせてくれる最高の映画だった。
これだから映画っていいねえ。
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