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宝物にしたい、手作りオルゴール

 友人から、手作りのオルゴールをプレゼントされた。


 とか冷静に書いているけど、「この気持ちをどうしよう!」と行き場のない喜びを持て余している。とりあえず、その思いをこちらにぶつけることに。

 オルゴールと言っても、高い音でぽろんぽろんと旋律を奏でるあれではない。私はあの類のオルゴールも大好きだ。オルゴール店でバイトしたいと試みたことすらある。高い知識が要求されて断念したけど。
 そこまでじゃないのか私。と自分にガッカリしたことの一つ。

 彼女は、ここ数年で親しくなった友人。夫の大学時代の後輩だ。ダンナさんも夫の後輩で、卒業後もずっと夫のお気に入り。
 長らく私も親近感を持っていたものの、なかなか接触する機会がなく、数年前、ダンナさんと同じゲーム(ゼルダの伝説~ブレスオブザワイルド~)を楽しみ、情報を共有してから、ご夫妻との距離が近くなった。
 奥さんには最初、ゲームと映画の話を聞いてもらっていたら、実は音楽の好みがけっこう似ていると気付いた。


 夫と私も音楽の好みが似ているけど、ちょっと違う……と思う私の好みが、その奥さんと合う。夫も、私と違う好みでそのダンナさんと合う。何だか偶然うまくできているのだ。

 作ってくれるオルゴールは、オルゴールと言えども、曲がそのまま聴けるもの。「Music box」の名のごとく、入れた音楽がそのまま聴こえてくる箱。CDやパソコンで聴ける曲がそのまま聴ける仕組みだ。鳥の鳴き声なども入れられる。

 入れてもらう曲を考える時に、曲順を考えて、この曲からこの曲へ流れるのが自然、とかカッコいい、とかを自分で決められる。

 彼女は、このオルゴールで必要な電子工作だけでなく、物づくり自体が好きなようで。中身ももちろん、外側も作ってくれる。自分が好きなため、作りたいがために、他の方たちにもプレゼントしているようだ。

 今回は、私のリクエストに応えて、アベンジャーズマークのデザインにしてくれた。

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 他のデザインは彼女のアイディア。
 側面にはアベンジャーズのタトゥーが彫られていたり、後ろには、スワロフスキーのクリスタル・ガラス(クリスタル・ガラスの中でも特殊な製造技術を生かしたもの)を使ったインフィニティストーン(マーベル作品に出てくる)の6色。いちいちこちらの気持ちをくすぐってくる。

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 箱自体の色も試行錯誤されたようで、この色。光の具合によって見え方が違って、とても素敵なのだ。写真で見てもわかるように、青に見えたり、紺に見えたり、紺とは違う青黒いように見えたり、深みがあって魅力的。

 中には何の曲を入れてもらおうか考えた結果、サントラの大好きな曲にした。
 「マイガール」の中の曲、「マイガールのテーマ」は最初に決まった。このインストだけの曲を繰り返し聴きながら、家事を進める日もあるくらい好き。他には「ララランド」「オデッセイ」「はじまりのうた」「スパイダーバース」「デッドプール2」「アベンジャーズ / エンドゲーム」「sing」「ボヘミアンラプソディ」「グレイテストショーマン」「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(1)(2)などから。
 幾つかボタンを作ってもらって、完全にインストだけの曲たちと、ボーカルの入った曲たちとに分けた。

 そしてある日、「出来上がった!」と4人で共有しているメールで知らせが来た。

 「曲入れして聴いてみたらとてもいい感じに仕上がりました。
奥様の選曲も良いですね。」

 えっ。

 奥さまの選曲も良いですね。

 えっ。……。……。なんてなんて??

 奥さまの選曲も良いですね。

 えっ。もっかいもっかいもっかい。

 奥さまの選曲も良いですね。

 むふふ。気分が良いのである。

 
 音楽の好みが似ているとしても、違う部分も含めて、彼女の趣味嗜好を尊重し信頼している。さらには性格的にも、「自分」がハッキリしていて揺るがないところ。「私はこれが好き」と自分のスタイルで暮らしているところ。

 だから彼女に褒められると嬉しいのだ。

 「社交辞令でも嬉しい」と返事すると「社交辞令ではない」とわざわざ伝えてくれて、また「え? なんてなんて??」と繰り返すのだ。

 どこまでも自分軸の彼女と、自信がないからつい周囲に翻弄されそうだけど必死で抗い何とか自分を保つ私。

 ああ今日も、彼女の作ったオルゴールを聴きながら、家事をするのが楽しみだ。なんならオルゴール聴くために家事をしようとか、本末転倒になりそう。


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読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。