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更年期で動けなくなった時に、走って泳いで飛んで、どこにでも行けた~おばさんを支えてくれた「ゼルダbotw」~

 なんなのこのダルさは!
 約2年前に、その倦怠感と戦い始めた。

 起き上がれない。身体が重い。体重のせいだけじゃない。座っているのも辛い。本を読むエネルギーもわかない。テレビを観ていても、さすがに飽きてくる。

 息子がちょうど、「ゼルダの伝説~botw(ブレスオブザワイルド)~」を始めたところで、それを観るのが楽しみになってきた。
 でも良いのか良くないのか、少し元気な時間を狙って家事を始めても、その手が止まるくらいに夢中になって観てしまう。

 私がゲームを始める時って、「私ならこうするのに!」「私ならあそこに行くのに!」「私なら次……」「私なら……」。
 「私なら」が増えてくると、ああ私はこのゲームを始めてしまうかも。と思う。それまでの私のゲームを始めるパターンだからだ。

 このひとつ前は、「スプラトゥーン1」だった。その前は「ピクミン3」。
 「ピクミン1」も「ピクミン2」も、夫や息子が遊び、それはそれは上手で。観ているだけで楽しくて、満足してしまう。
 以前「スプラトゥーン2」は、私のプレイスタイルに合わないと書いたけど、それだけではなく、息子がめちゃくちゃ上手だったので、これも「観ているだけ」で満足できていた。

 「ゼルダの伝説~ブレスオブザワイルド~」は、気になる場所が多いのに、息子はサラッと通り過ぎるし、効率の良い戦い方をしない。しかも見ている私には「あっち行ってみたい」が多すぎた。

 息子が遊ばない間、私がコントローラーを握るようになった。

 家事する元気がなくてギリギリ座れる程度の状態でも、コントローラーを握っている間、私は座れた。体調が悪過ぎて、あまり外に出られなくなったけど、ゼルダの世界で行ってみたい所に次々と行けた。
 岩を登り、川を泳ぎ、滝も登って、あちこち飛んで行けちゃう。もう好きなだけあちこち行ける。
 毎日、あっちも行ってみたい、こっちも行きたい。と思えるのは、何にもできなくて気持ちまでふさぎこみがちだった私に、夢を与えてくれた。

 そう。あまりに動けなかったので、気分まで落ち込んでいた。もう何もできない。夫や息子に迷惑をかけている。自分のモットーとしていた「病気でいても楽し気に暮らす」すらできない。何のために日々過ぎていくのか。
 もう極端なくらい落ち込んでいた私は、「ゼルダの伝説」に救われたのだ。

 気質上、戦うのが苦手で、魔物の姿が怖くて夢に出てくるほどなので、魔物を直視せずに戦いに勝つ方法を身につけた。
 ゲームをクリアすると、楽しくなってしまって、二周目を始めた。二周目は、地図をさっさと広げて、そこからじっくり回っていく楽しみ方。三周目は、地図を広げないでいかに地形を覚えているか。どこに何があるかを覚えているかを楽しんだ。

 もうゼルダで遊び過ぎて、日常での空目が激しかった。
 夜の青信号が夜行石に見え、近所の壺が気になる。頭上に掲げて、わりたくなる。わらないけども。ああなんてほどよい大きさ……と思いながらいつも通り過ぎる。ぽつんと石があると、めくってコログを見つけたいと思う。

 そして四周目をこの前終えた。
 なんと。と言っても、遊んでいない人にはわからないだろう。「コログ」と呼ぶ森の妖精を900全部集め、すべての地域をこまごまとまわり、達成率100%にしてしまった。

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 いざ100%にしてしまうと、ちょっと寂しい。もうやることないって言われているみたいで。でもウロウロしたり素材集めしたりするのが好きなので、もうちょっとだけ遊ぶけど。遊んでどうするのかって、せいぜいお金持ちになるくらいだ。ゼルダの世界でお金持ちになったって、何の影響もないけど。あっもちろんだけど、このAM5:55も、現実の時間じゃあない! ゼルダ時間。こちらの世界の10秒が、ゼルダの世界の10分で、時間の流れも当然違う。

 100%達成してからの素材集めも呑気で良いけど、どんどんお金持ちになっていき、それで魔物と戦うのなんか、ただの金持ちの贅沢な遊びと化して、残酷さが増している。
 大丈夫だろうか。

 以前、あまりに魔物を滅多打ちにしているので、息子の前でこんなのって親として良いのかとちょっと不安になった。
 「こんな親で大丈夫なんだろうか」と不安を漏らすと、息子は大笑いしていた。

 そう言えば、柄本明の奥さま、和枝さんは、息子たちである佑、時生兄弟に「アナタたちは、ゼルダの伝説から何を学んだんだ!?諦めない心だろ!!」と叱咤激励するほどのゲーマーだったと聞いた。
 きっと大丈夫。今までの自分の子育てに自信をもとう!

 ゼルダの世界は、戦う場面も多いけど、自然もたくさんあって、可愛い草花。動物や虫がいる。オーロラが見える時もあるし、虹も出る。

 ゼルダが好き過ぎて、夫が始めた当初、攻略本を買ってくれたのだけど、昨年はとうとう図鑑まで買ってくれた。

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 いや。夫から妻へのプレゼントって、花とかアクセサリーとかさ……と複雑な気持ちで受け取った。
 のに。今は

 「あああーーりがとうございまあーす!!」

 と身体を90度折って全力でお礼を伝えたい。

 攻略本がなかったら、コログ900は達成できなかった。衣装を集める楽しさもなかった。
 そして図鑑を読む楽しさは、リラックスにもつながるようで、寝る前に時々眺めては眠る。そこには、武器が美しく描かれていたり、栄えていた頃のハイラルの様子が描かれていたりする(その世界でハイラルという名の地を救うストーリー)。完成するまでの素案なんかもたくさん描かれていて面白い。
 プレイヤーは、リンクとして戦うので、リンクの様々なシーンも描かれている。衣装のデザインも様々にある。
 リンクが吹雪の雪山を登っているシーンを図鑑で見た時には、なんだか胸がいっぱいになった。ゲーム上では淡々と登るだけに見えるけど、本当はこうだよな。

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 ガノンたちと戦う姿も胸いっぱいに。

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 そう言えば、友人に「夫が、ゼルダの図鑑をくれた。こういうんじゃない物がほしい」と話したら、「かせみさんの喜ぶ顔が思い浮かんで買ってくれたんですよきっと」と言われた。

 思うつぼだ。


  ところで私は、戦うより、地味に素材を集める方が本当は好きなので、「あつまれどうぶつの森」で遊んだらどうかと以前から夫に勧められていた。
 でも、ここnoteで、どうぶつの森の様子をあげてくださるお友達がいる。観ていたらすごく可愛いのだけど、なんだかそれだけで満足している。「私なら」が出てこないから、やるならもっと先かなあと思っていたところ。

 なんと。
 「ピクミン3」が「デラックス」になってニンテンドースィッチから出るというではないか。
 わあああ!! あんなに好きなピクミン3が、ニンテンドースィッチでできるのん?
 ちょっと前も、久しぶりにwiiUにつなげて達成してしまったぞ。

 更年期症状であろう強い倦怠感がいまだに定期的にやってくる最近。
 ピクミン3。
 「ゼルダ無双」も11月に来ると言う。

 いやあ困ったなあ。目白押しだ。


#エッセイ #ゲーム #ピクミン #ゼルダの伝説 #ニンテンドースィッチ #私を支えてくれたもの #ブレスオブザワイルド #100

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