息子のかかりつけ医
息子の体調が悪くて、学校を休み、病院に連れて行った。幼い頃からのかかりつけの病院。こちらに引っ越してから、あちこち探して、結局割と近い所に、相性の良い病院があった。
度々体調を崩す息子が、あまり丈夫ではないことや、私の方が時には症状が重くなること、色々事情をすぐに把握して適切にケアしてくれた。
何よりも、息子の無邪気さや、息子と私とのやり取りを楽しんでくれる先生。私より20歳くらい年上だろうか。
雪降る季節に、スキーを始めて間もない息子が、鼻水垂らしながら誇らしげにゴーグルを着けていった時も、笑ってやり過ごしてくれた。割り箸にピンポン球くっつけてマイクに見立て、やっぱり鼻水垂らしながら先生にインタビューした時も、先生はちゃんと質問に答えてくれた。
看護師さんや受付の方たちも温かい。
私の知っている限りでは、キツイ物の言い方をする方が一人もいない。幼い息子と私の、真面目なつもりなのに後から振り返れば漫才のようなやり取りを、横で笑ってくれる。
中学生になった息子がじんましん発症して、病院で嘔吐し気を失った時もこの病院のお世話になった。
助けて、この子がどうかなっちゃいそう、と身がすくんで息子の身体を支えているしかできなかった時。先生と看護師さんたちみんなでバタバタとそして明るく対応してくれた。
今も、息子のアレルギーのお薬や皮膚炎のお薬を、定期的にもらいに行く。
その病院の先生が、今年ゴールデンウイーク辺りに1ヶ月休んでいたとわかった。
特に事情もわからなかったので、久し振りに行った時に「1ヶ月お休みだったんですね」と言うと、「うん。検査でね。でも大丈夫だった」とニッコリして下さった。
本当に大丈夫だったのかな。
でも私たちを前にして「検査結果が良くなかった」なんて言っても仕方ないだろう。ちょっとは無理しているかもしれない。わからない。でも、「大丈夫だった」とニッコリ安心させようとして言う目の前の先生を、受け入れたいと思った。
「そうですか。良かったです」私もニッコリした。
あの頃から先生は、平日の休みが少し増えた。最近は、午前中と午後の間の休憩時間もしっかり取るようにしているようだ。前なら、午後からの診察時間は、午前中からの人たちが終わってそのまま続いていたけど、今は違う。
「午前中の診察が混んでいたので、休憩挟んで午後からの診察、少し遅れます」と言われる。
でも、せっかく早めに来たのに、とか以前なら思いそうな気持ちは起こらない。多分、他の患者たちも。
先生に元気でいてほしい。先生のことが大好きな親や子供たちがたくさんいるから。休める時にちゃんと休んで下さいねと心から思う。
今日も先生は、疲れがたまってダルそうな息子に優しかった。
読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。