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キミが教えてくれたことを、いつかキミに話そう~8歳の息子が16歳になって~
高校生息子の友人に、悩み深き子がいて。
内容が深刻らしい割に、息子が唯一の相談相手だそうだから、「○○(息子)が背負いきれなくなってきたら、その子と関わりのない別の人や、母さんに話すんだよ」と伝えている。
そう言えば、と気になって聞いてみた。「○○(息子)は、しんどい時、どうやってやり過ごしてるの?」
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先日、息子が幼い頃の、私の日記を見つけた。(ちょこちょこ直して載せてみる)
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息子が画用紙に何やら書いて、冷蔵庫に貼っている。見てみると、
「お母さんへ まいにち たのしいかい? まいにち いそがしいかい? ○○(自分の名前)」
と書いてある。その後にニコニコの、当人のだろうと思われる笑顔が描かれてある。
なんて可愛いんだろうと思い、返事を書いてみた。するとニヤニヤしながら読んだ後、「ハハハ!」と短く笑ったきり、その紙をその辺に置いていたので、それほど喜んでいるわけでもないのかなとそのままにしておいた。
ところがしばらくして、また冷蔵庫にいつの間にか紙が貼ってある。内容は、「私の返事に対する返事」で質問もなかったので、そのままにしていた。ところが何週間かして、「この返事、まだ来ないのかなあ〜」とか冷蔵庫の前で、聞えよがしに言っている。
「……! えっ。それにも返事がいるの?」
驚いた私は、慌てて返事を書いて、机に置いておいた。
すると、その返事を読んで、またニヤニヤしている。そして読み終わったらまた短く「ハハハ!」と笑った。
その「ハハハ!」は、何に対する「ハハハ!」なのか。
笑わせるようなことも書いていないので、「ハハハ!」の真意がよくわからないのだが、なんだか息子は嬉しいみたいだ。きっと嬉しくて「ハハハ!」なのだろう。
小学校二年生。まだまだ可愛い。
ここまでの約8年間、日々たくさんのことがあって、赤ちゃんの頃のことなんて、遠い昔のような気がするのに、でもあっという間なんだなあ。すごく不思議で、すごく寂しい。
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確かに、8歳には8歳の、可愛くて仕方ないところがある。でも8歳なんて、今のちょうど半分じゃないか。
16歳の今は?
いまだに可愛い。高校生には高校生の可愛さがある。
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「しんどい時、どうやってやり過ごしてるの?」
冒頭の質問に息子は答えてくれた。
「僕、未来のことはどうしても不安になるタイプだからどうしようもないんだ。でも過去のことは、あんまりくよくよしない」
泣き虫で、8歳頃まで毎日毎日、何かと絡んでは、ひどい大号泣を繰り返していた、かんしゃくの激しい息子。「くよくよしない」と言えるまで、どのような気持ちを積み重ねてきたのだろう。
そういえば当時、「グズグズ泣いているストレスの方が、我慢するストレスよりしんどい。自分で泣くのをこらえる方がラクだって気がついた」と言っていた。あの頃を境に、確かに、うんとグズグズは減った。
そして今。「どうしたら、くよくよしないでいられるの?」と聞いたら「原因を考える。それでスッキリできることがある。原因を考えてもわからないことは、くよくよが少しずつ過ぎるのを待つよ。いつか薄まるから」
高校生だから、頭でっかちな考えにしてもだ。
「未来のことはどうしても不安になるタイプ」と、自分を受け入れている息子。そして「考えてもどうしようもないことは、過ぎるのを待つ」と考えられる息子に、いたく感心してしまった。
そうだよな。いつか過ぎる。辛い気持ちも、イヤな気持ちも。
あの可愛い8歳の息子が16歳になって、当たり前だけどそれまでと同じ「8年間」を過ごして。たくさんの出来事があって。経験して。それを心の糧として。そして友達の話を聞く相談相手となっている。
息子が、この先、苦しい時や辛い場面に遭遇したら、自分で言ったその言葉を思い出してほしいから、この言葉を私も忘れずにいよう。そして私から、またいつか息子に伝えよう。
読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。