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楽しく読めるおがたちえさんの「繊細すぎて生きづらい~私はHSP漫画家~」

 ご自身がHSP(highly sensitive person)とのことで、noteでフォローをしているおがたちえさん。
 この度、HSPに関しての漫画が出版された。

 予約注文していたので、届いてすぐに一気読みした。私にとっては「あるある」で、読みながら何度も笑った。

 違うところもあった。

 漫画に対する感想と共に、これを機会にHSPへの理解を深めていただけたらと思って、ネタバレ(?)過ぎて迷惑にならない程度に、じっくり書かせていただこう。


 おがたちえさんとは違った表れ方だけど、心のストレスがすぐに体調に表れ……に「ああHSPでもあるからなのか」と知った。
 私の場合は気圧や気候に左右されるものが大きいのだけど、そういったところに敏感なこと自体、HSPなのかもしれないなあと思った。
 それによって「落ち込んだときの自己肯定感が限りなく低」いのも「わかるわあ~」とうなずく。でも普段から自己肯定感が限りなく低いわけじゃないのだ。自分でコントロールできない物事だからこそ客観的であって良いはずなのに、すべてを自分のせいだと背負ってしまう。

 そしておがたちえさんは、そんな自分を許せず休めないそうだ。
 私は休んじゃう! あとけっこう逃げちゃう! でもきっと休んで精神力を保っていられるのだろう。そういう意味では、私はHSPの割にあまり精神的にダメージを受けていない方なのかもしれない。

 この辺は、身体の方が先にダメになるからで、それも悪くないのかもしれないと思わせられる。

 彼女が出会ったHSP専門カウンセラーのみさきじゅりさんの、「コーヒーフィルター」の表現が実に上手いと、うなった。

 同じ情報でも茶こしのように流していける人たちがいるとするならば、私たちはコーヒーフィルターのように「その気がなくても」外からの刺激を多くためこんでしまう。カップに注がれるのに時間がかかるのだろう。

 感覚過敏なところは私は少ないと思っていたけれど、例えば柔軟剤の香りが苦手だったり、光のまぶしさでもメニエールを呼び覚ましてしまったり、気に入ったカフェの気に入った席にこだわりがあって、すごく限定的だったりするのは、感覚的に過敏なのかもしれない。

 HSPにロングスリーパーが多いのも初めて知った。どおりで!!
 夢が繊細でリアルなのも。どおりで!!!

 ただやっぱり私は幼少期にニュージャージーで暮らしたおかげで、言わなければならないことや、言わずに過ごせるところをちゃんと伝えるところはHSPらしくないかもしれない。もちろん、考え過ぎて発言しない時の方が多いのもやっぱりHSPなのだけど。

 「〇〇(私)、どう思ってるの? あんまり喋ってないやん」は、本当に何度も言われた言葉。でもそこにいる一人一人の気持ちを考えると、とてもじゃないけどサッと発言などできない。


 映画鑑賞に関しても、とても共感した。
 通路側に座らないと、「トイレに立つかもしれない」と気になってしまう。気になると、その光景すら勝手に頭の中で作り上げてしまう。
 家族で行くと、夫や息子の気持ちも考えるので、二人が「できれば真ん中で」という雰囲気(あくまでも「雰囲気」)であれば、真ん中で良いよと従うけど、本当はちょっとドキドキしている。でも二人に気を遣ってほしくないから今後もあれこれ言いたくない。私が気を遣うのはこれに関してストレスなほどではないからだ。
 でもトイレに立つなんて、今まで映画館で観てきた中で記憶にもないのに。我慢したのは記憶の中で2回程。なのにその恐怖心で「できれば通路側」と思っている。
 飲み物も必ず持って入る。むせるかもしれないからだ。これもたった一回むせかけて周りを気にした記憶が強烈過ぎて、飲み物をお守りのように持って入る。たいてい、一口も飲まずに観終わる。
 そして観終わった後、その内容に緊張したり感情移入が激し過ぎたりして、ヘトヘトになる。ヘトヘトになって疲れ果てるけど、映画は好きとおっしゃるおがたちえさん。「お値段以上の満喫」の言葉に笑ってしまった。
 そうだ、きっとそうなんだ!!
 私も何度夫に「映画だってば」と呆れられただろう。

 他にも、もう「わかるわかる」が満載。


 感情の乱高下が激しいから、「感情がたいらな人が身近にいると落ち着く」。のも本当にそう。夫や母親に何度励まされただろう。直接的な言葉は傷つくから、日常生活においては「いつものスタンス」でいる人に安心するのだ。

 HSS(High Sensetion Seeking)もあるらしいけれど、以前試したチェック項目に関しては私はほとんど当てはまらなかった。
 好奇心は強いけど、刺激は全然求めていない。
 ただこの漫画を読むと、下ネタもまあ大丈夫だし、何言ってるのかわかれば平気で大笑いする。でも育った家庭がそういうので大笑いする雰囲気だったし、兄がいたからだとも言える。
 B級グルメは大好きだけど、胃が荒れやすくて自分で制限しないといけない。でも痩せているわけでもないぽっちゃりなのもポイント!(何のポイントなのか…)荒れる胃と食べる量のせめぎ合いと絶妙なバランスで、常にやせられない。不思議な現象だ。
 毒舌もかなり平気で吐いて笑い合うけど、時々だし、相手がかなり限られている。すごく心を許した者同士、と認識していないと、言いたくない。聞くのも苦手。例えその対象が自分の嫌いな人でも、心を許していない人からは聞きたくない。強めの言葉もそう。キツい物言いの人はすぐに敬遠してしまう。それも「自分が思う」「キツい」なので、人と基準が違うかも。


 こういった風に、「同じHSP」でもそれぞれに個性があって、どこが強く出るか、どこがあまり出ないかなども違う。

 何だか書いているうちに、ただの詳しい自己紹介になっているだけじゃないかと思えてきた。
 でもHSPってすごくわかる感覚があるので知ってもらいたいし、さらにその中でも人それぞれあるものだとも知ってもらいたいしで、こんな日があってもまあ良いか。

 辛さや苦手をやり過ごす方法なども描かれているので、是非手に取ってみていただきたい。又、身近にHSPがいて、家族や友人を理解したい非HSPの方も是非!

#エッセイ #本 #HSP #おがたちえさん #繊細すぎて生きづらい #感想 #ただの自己紹介

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