「アントマン」から、愛情と承認欲求について考える

 ほどなく「アントマン」(※1です。2の感想は既に載せました。今日載せるものに関しては5月頃に書いたものです)を観てしまった。


 もうマーベルの意のままに私は動かされている気がする。

 「アントマン」の映画宣伝の時、ちょこちょこ目にしていて、コメディ要素も強そうだから、観ても良いかなと思っていた。しかしやはり闘うシーンが多くて疲れそうということもあり、あまり強くは主張しないようにしていた。

 だけど「アベンジャーズ」の3つ目「インフィニティーウォー」を観て、どうやら4に続くということだけでなく、「アントマン」が何らかの都合で3に出なかった、そして4には出るようだ、という噂を目にするにつけ、「アントマン」を観た方が良いのではという思いを強くした。というのも、「アベンジャーズ」の4作目が公開されるより前の今年の夏終わりに、「アントマン2」が出るからだ。「アントマン&ワスプ」という。何かアベンジャーズとつながりがあるのだろうけど、何もわからない。私のことだから何もわからなくても楽しめちゃうのだろうけど、「1」を観ていた方が格段に面白いはずだ。マーベルに洗脳されているのだろうか、私は。

 前置きが長くなったが、「アントマン」、実は既に二度観た。

 一度目は夫が出張の間に息子と観た。面白かったので、「2」の「アントマン&ワスプ」の前に夫に観てほしくて、かなりしつこく誘った。夫は映画館で映画を観ることが好きなのだが、私のしつこさに「このままだといつまででも言われ続けられるのでは」と思ったようで。重い腰を上げて(実際にブルーレイをセットしたのは私だけど)、「アントマン」を観てくれた。

 バンザーイ!もう一回観ることができるー!

 そんなわけで、もうすっかり気に入ってしまいました。

 「アントマン」を観て、色々と驚くことが多かった。
 まずタイトル!
 

 そこから? 

 だけど、私にとっては驚きの一つだった。映画の宣伝の時に、すごくちっちゃくなっちゃうヒーローだということは知っていた。「アリのようにちっちゃくなってしまう」から「アントマン」だと思っていたが、なんとアリとお友達になり、アリのボスとなる。つまりアリたちが、アントマンと共に戦うのだ。

 うおおう! やめてくれ~!! 

 ……虫が苦手な私は、画面が非常に辛い時が何度もあった。アリのアップの時には、とにかくボンヤリと、詳細を観ないようにはしたけど、こんなにアリだらけの映画だとは思わなかった。

 次に、博士役がマイケル・ダグラスだったことだ。マイケル・ダグラスが、こんなタイプの映画に出るとは思わず、画面を観ながら「ええ~?!」とマスオさんばりに驚きの声をあげてしまった。家の中で良かった。

 「ええ~?!」……今思い返しても新鮮に声を出せそう。いやびっくりした。

 さらに、アントマンは小さくなってアリと共に上手に戦うというだけでなく、タイミング良く、大きくなったり小さくなったりとできる。都合が良いけど、そこがカッコ良いのだ。ただアリとお友達とか、大きくなったり小さくなったりとかは、アベンジャーズの他のメンバーみたいに特別な力や強さが宿っているわけでない。

 スーツと共に修業が必要なのだ。訓練が。本人の意志でもないところも何だか可笑しい。非常に人間的なのである。


 そんなわけで、この映画はかなりコミカルに見せてくる。主人公のスコットも軽くて楽しいし、周りの友達もみんな可笑しい。特にルイスはキュートだ。スコットの娘もまだ幼くて可愛い。全体的に軽い。
 でも少し考えさせられるところもあった。

 父と娘の関係性について、が面白い。スコットと娘キャシーとの関係。離婚してから母親が新しい相手と住んでいる。その彼もまたキャシーをとても可愛がっていて、守るという気持ちがある。さらに、スコットを雇ったピムが娘のホープとの関係で、映画の前半に葛藤がある。それが二重になっていて、父と娘の関係についてそれぞれが議論する場面がとても興味深い。ホープは、父親であるピムに認めてもらえないことに強い不満を持ち、葛藤しながら悲しむのだが、スコットは異論を唱える。スコットは、娘のキャシーを愛しているが故に、ピムがホープを愛していることを理解し、信頼して何かを託すことは別だと話す。そして自分はピムに認められているが、愛されているわけではないということをホープに伝える。だからこそ使い捨ての役をあてがわれているのだと。

 そこにスポットを当ててみると、この映画はその辺りから「能力を認められること」と「愛情」についてなかなか考えさせられるのだ。相手を「認める」ことと「愛情」は両立し得るが、子供にとって、親の信頼がないからと言って親の愛情がないと嘆くのは少し違うというか、承認欲求があるのはわかるが、親からしたら、「愛情」があっても「能力を認める」かどうかは別物なのである。「認める」から「愛情がある」わけでもない。
 でも子供の側にとってのそんな見極めは難しく、つまり親にとって「愛情を与えているから」と、能力や個性を認めないのは子供にとって強い悲しみなのだということを感じる。そしてスコットと蟻たちとの関係も、認めることに始まり、愛情も持つようになっていく。

 いやあ、深読みしちゃったぞ「アントマン」。
 ちなみに、映画の中の会話に、何度も「アベンジャーズ」という台詞が出てくる。ファルコンというアベンジャーズの一員も出てくる。これで「3」に出なかったのだから「4」に出てくるべきであろう。何らかの理由で「3」には出られなかったようだけど。
 そんなわけで、「アントマン2」つまり「アントマン&ワスプ」も非常に楽しみな映画の一つとなった。

 しつこいけど、もう観終えて、感想も書きましたからね。これ、5月頃に書いたものですから。今では腹をくくって当分、マーベル作品と共に歩むことに決めました。


#映画 #アントマン #親子関係 #承認欲求 #アベンジャーズ


読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。