大好きなカフェで気分転換して、ちょっと元気になった
ああもうなんだか気がおかしくなりそう!
そう思って、年に1~2回くらい来るカフェに車を走らせた。
以前も書いて載せたことがあったけど、大好きなカフェ。市街地とは逆の方面なので、車で30分くらいだけど、めったに行かない。
用事を済ませてすぐ帰宅する生活も長い。
帰宅時にカフェに寄っても、できるだけテイクアウト。
特にここ数週間は、変異株がこの田舎町でも猛威をふるっているから、「目的」の用事のみを手短に済ませる。外食をする気にももちろんならない。
髪はもうだいぶうっとうしくなってきている。
リモートでも友人や子供、両親、と話すのは楽しいけど、それでも家に居続けるから気持ちが切り替わりきらず、一人になるとすぐ息苦しさを感じるようになってきた。
加えて更年期症状。不安感の波が時々高くやってくる。強い虚しさ。不信感。心細さ。卑屈な思い。
ああ私。だいぶ気持ちが疲れてる。
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大学生の頃、失恋すると、宝塚から、神戸三ノ宮辺りまでドライブしたものだった。ポートアイランドの端っこ、人が歩かないような行き止まりの道で、車を止めてすんすん泣いていると、大型トラックたちが通り過ぎていく。えーと。2~3回あったかと……。
今思えば、よく見えていただろうな。きっと「あれ。若い女の子が泣いちゃって。失恋でもしたんかいな」とか思われていたかもしれない。思い返すと恥ずかしい。
もう一度ニュージャージーに住みたいと思い始めてからは、仕事が休みになると、伊丹空港まで車を走らせて、展望デッキに上った。飛行機を眺めて、気が済んだらその場を後にした。
結婚して札幌に住んだら、お気に入りの喫茶店を探し、見つけると通った。当時は「喫茶店」と呼んでいたけど、今時のカフェと遜色ないオシャレな空間だった。そこで文を書いたり本を読んだり。
妊娠してお腹が大きくなると、若い私に、店主の奥さまが微笑みかけてくれるようになった。
私にとっては、30分くらいのドライブも、静かに過ごすカフェも、大切な気分転換。
大好きなこのカフェは、窓が大きい。
部屋のぬくもりの中にいながら、目の前の木々の揺れや、池の面から、風を感じる。
奥には一面の田んぼ。
この時期は、水を張って、鏡みたいな銀色の風景が広がる。
近くの木々とのコントラストもすごく好き。木々には、野鳥がちょこちょこ遊びにきていて、キクイタダキもカケスも、ここで初めて見たのだった。
雪の季節には銀世界を楽しめる。野鳥も見えやすくなる。
年にたった1~2回だけど、どうしてもあのカフェに行きたいと、日常から逃げるように行く時がある。
今回、店の対策や状況によっては、テイクアウトにしようと思いつつ、それでも良いから行ってみた。
注文はカウンターで先に行うようになっていた。もちろんビニールカーテン越し。呼ばれたら、紙コップを取りに行く。
これなら、また来ても良さそう。
ちょっと天気が良くなかったけど、たった30分で、私は風に揺れる木や、田んぼに張られた水や、木々の間に見え隠れする野鳥に、そっと、ちょっと、元気付けられて帰宅した。
読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。