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兄弟間で起きる葛藤を考えさせられる~「マイティ・ソー」~

 皆さんは北欧神話をご存知だろうか? 「神話」というくらいだから、神さまの話である。で、神さまはどういう言語を話すのだろうと考えたことはないですか? 私は「マイティ・ソー」を観て「英語を話すんだな……」と思ってしまい、すぐに映画に入り込んでしまう私が何度か我に返りそうになった。

 「ソーの世界でも英語が共通語なの?」と映画観た直後、夫に言ってみた。そうしたら「きっとみんな必死で勉強したんだよ。何しろ時間も能力もあるし」とか言う。じゃあ、と気になったのは「ガーディアンズのみんなは?(何故英語を共通語としているの?)」。すると夫は「翻訳こんにゃくがあるんだよ」と、いきなりドラえもんを持ち出してきた。

 そこから夫と私の「タッタララッタ、タッタララッタ、タ~……ムジョルニア~!」「タッタララッタ、タッタララッタ、タ~……ヘイムダル~!」「アスガルド~!」と、ソーの世界に出てくる単語を次々挙げていく言葉遊びが止まらなくなってきて、息子まで「ロキの杖~!」と参加してきた。

 そうやって映画を観終わって間もなく、私たちはドラえもんの声真似で、ひたすら「マイティ・ソー」に出てきた単語を思い出すだけの作業に終始した。書きたいことを忘れてしまうから、こんなことしていないで早く感想書かなくては。と書き始めた次第です。

 さて、「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」から、ソーとロキの存在を知り、パンフレットや好奇心などで少しは知っていた。そして今回、夫が「北欧神話知ってるともっと面白いはずだよね」と言ったのをきっかけに、北欧神話の本を買ってしまった。(まだ読み始めたところだけど、なかなか面白い! そして複雑!!)「ウルトロン」でも目にしており、何となく勝手に父親越えの映画だと思っていた。でもこの「ソー」シリーズの1作目に、ソー自身にその要素はなかった。

 まだこれが3作目まであってからの、「インフィニティ・ウォー」なのか。気が遠くなる。「エンドゲーム」までも、やっぱり「ウルトロン」や「シビル・ウォー」はまた復習しておこう。

※ ここから、ガッツリとネタバレあります
 
 「マイティ・ソー」は、当然ソーの映画でもあるけど、ロキの葛藤がすごいんですね。ロキ、人気ある理由が少しわかりました。2、3に向けて今からもう楽しみです。

 ソーに関しては、王にふさわしくなっていく様が描かれている。北欧神話の雷神。次期王の候補者が、地球で我が身を振り返り、改心していくのだが。どうにも「神話の王になろうとする者が地球で?」と思うのだけど、観ている側に親しみを感じるように描いているんだろう。と思うことにする。そうやってソーは、周りの人々を愛する心を覚え、自身が犠牲となってまでも人々を救おうとする。そこはちょっと美女と野獣を思い出した。

 で、弟のロキが、ヨトゥンヘイムという氷の巨人の王の息子だという知識はなかった。北欧神話にはガッツリ書いてあるんですね。道理で顔も髪も全然違うわけだ。違うということだけでなく、「弟である」という故の劣等感は強く、兄弟の葛藤の映画でもあるけど、ロキの父親越えの映画でもあったんですね。生みの親を超えることはできたけど、愛してくれた育ての親を超えることはできない。これは今の段階で、ソーもまだである。

 ロキは、北欧神話では善悪の二面性を持っているとのことで、これもまあ観ている側がすっかり翻弄されるほど(私だけ?)、計算高くて企みだらけ。それですべての行動を決めると言っても良い。何とかして自分が父親に注目されたいわけだ。ここでもやっぱり、ああなんだか伝わっていなくて歯がゆいなあと思う。子供は自分の思いが親に伝わっていないと思い込んでいるけど、親にはわかっている。ただ、親の思いは子供にはなかなか伝わらない。

 「真実から守りたかった」という父親の気持ちは、ロキの立場や性格からしたら不十分だろう。

 真実を幼い頃から知らせ、子供に嫌われても愛情を示し続けることを怖がってはいけない。親から子供に伝えなくても良いことがあるとしたら、子供に対して「わかってほしい」「愛してほしい」というメッセージくらいだろうか。親は愛情を与え、見守り続けなければいけない。こうやって考えても、「ガーディアンズオブギャラクシー」のヨンドゥは、乱暴で粗野だったけど、なんと素敵な父親だっただろうと思う。ピータークィルにちゃんと愛情が伝わっていたのだから。

 兄弟姉妹での嫉妬心は、親の愛情の奪い合いであることがほとんどだ。それを親は知っておかなければならない。私にもう一人子供ができていたとしたら、カウンセリングの勉強をしていた時にコツは知ったけど、それが果たして実際にうまくできただろうか。それにはまったく自信がない。

 相変わらず、復讐心もテーマの一つだ。これはずっとMCUのテーマとしてめぐっていくものだろう。特にフェーズ1では、戦争のことが大きなテーマとなっているため、欠かせないものとなっている。


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読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。