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やさしい気持ちをもらって、やさしい気持ちになる

 やさしい気持ちを受け取る場面が多くて。どなたについて書こうかしらん。どのエピソードを書こうかしらん。
 とっておきの言葉。あれは良かったっていう瞬間。文字にしたいエピソード。思い出せないかなあ。

 自分の中に「これだ」がわいて来るのを期待して待っている間に、次々と「やさしさにふれて」の記事が上がってくる。読む度に、ふわ~んと良い気分になって「読んで良かった~」って思う。読んでいると、もうこの人の記事で良いんじゃない? って心底満足しちゃう。
 
 特に、さりげないやさしさは、ちょっとしたことをその人が心に残したものだから、感じたその人の心がやさしくて良いもんだな。

 
 やさしさって、人に伝染するんだ。
 だから読むと「やさしいなあ」って気持ちが満たされちゃう。

 やさしさってそもそも何だろう。

 その人が感じ取るもの。
 「やさしいな~」って思う時ってどういう時?

 note上のやり取りで考えてみる。
 コメントで肯定的な言葉をもらった時。コメントに書き込んだら、それに対して気持ちよくお返事もらえた時。
 時々ちょっと見当外れで、その人の意図するところとちょっと違うよなあって思いつつ書いてしまう。わかっているんだけど、自分の感じたこと率直に伝えたくて。私だけ変なコメントでごめんなさい。ってどうしようもなくなって伝えたら、「そういうコメントでも良いんだよ」って実際に言葉で伝えてもらったことがある。あの人はやさしい人だった。
 見当外れじゃなくても、違う意見とか違う見方をした時に受け入れてくれる人もいる。ごめんなさい、私のこと嫌いになるんじゃないかしらって思いながらも、それまで親密にやり取りしていたら書かずにいられない。これを書いて乗り越えないと、きっと私もこの人とこの先やっていかないかもって思って書くけど「そういう考えもあるよね、わかるわかる」って受け入れてくれる。そういう時「やさしいんだなあ」って感激する。私もそうありたい! って思う。全然できてない自覚はすごくあるけど。


 そうだ。
 受け入れてもらえた感じ。

 受容してもらえると「やさしい」って感じる。気持ちを差し伸べたり、助け合ったりも、相手を受け入れようとしていることになるのかな。

 友達関係がずっと続いている人も、やさしい言葉をたくさんかけてくれている。一人一人のあの言葉この言葉、たくさんある。

 最近の友達の言葉。
 「いつも似たような愚痴でごめんね。思い描く人とか起きたことは違うのに、根本的なことは一緒だよね。また似たような内容を聞いてもらうかも」に対して、「でも人間関係があるってそういうことだと思う。そういう悩みとか苦しみがない時は、単にその時に濃い人間関係がないってだけで。社会と接してたら、何かしらあるのが当たり前だと思うから良いんだよ」って言ってくれて、やさしい気持ちになった。
 きっと、受け入れてもらった、って思えたんだ。

 友達だけじゃない。夫の言葉も、父の言葉も、母の言葉も、祖父の言葉も。たくさんやさしい言葉をくれる。

 やさしい言葉をもらうと、お布団にくるまれたような、ふかふかで温かい気分になる。激しくなくて、やわらかい感情。でもぬるいよりはちょっと温度が高い。
 それはきっと、ふにゃふにゃやわらかいだけじゃなくて、その人の強さが垣間見えるから。やわらかさの中に強さが見えた瞬間も含めてやさしさなんだと思う。周りが見えなくなる当事者だけの馴れ合いは、やさしさじゃないんだろう。考え方や発言の中に毅然とした部分があるのもやさしさの中に含まれるんだ。

 やさしい気持ちと出会うと自分がやさしい気持ちになって。自分がやさしい気持ちになると、周りにやさしい気持ちを分けたくなる。

 感情ってそういうものなのだろう。怒りもそう。伝染する。怒りは怒りや憎しみや悲しみを生む。どうせなら、やさしさを生みたいけれど、自分はそんなエネルギーを持っているかな。

 何年か前、息子が突然「僕ってやさしい?」って聞いてきた。「やさしいと思うけど……」唐突な質問に戸惑って言葉が続かないでいると、「僕は、お母さんはやさしいと思う」と言う。「そんなことないでしょー。○○(息子)にキツイこと言ったりするよね」なんて、照れ隠しで否定しちゃった。そしたら「僕にだけじゃなくて、周りの人に対してもやさしいなあって思うんだよ」って言われた。

 そう見えたのは、いつどこでなんだろう。どんな場面か思い当たりもしなければ、息子にも聞かなかった。全然「やさしい私」を意識していない日々だけど、息子にはそう見えた瞬間があったんだ。
 心がふんわり温かいもの包まれて、やさしい気持ちでいっぱいになった。
 そしてその言葉で、息子の中にやさしさが育っているのを見た気がした。

 やさしさって、すぐ近くにたくさんある。


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読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。