見出し画像

スタン・リーが伝えたかったことの原点を観た~アイアンマン~

 やっと観ました。
 「アイアンマン」。
 MCU(マーベルシネマ作品)が好きとか言っておきながら、全然観ていなかった多くの作品を少しずつ消化していっている。

 「ガーディアンズオブギャラクシー」1、2を観て、何とか怖いシーンも乗り切るように頑張り、夫と息子の強い希望のため「アベンジャーズ インフィニティウオー」を観たわけだが、観た直後は後悔した。あまりにも恐ろしい場面が続いて、怖くて、疲れて、しかも絶望的な終わり方をして。でも絶望的な気持ちに耐えられずに、何とか希望を見出そうとし、その希望を考えるうちに、あれもこれも観たくなってしまった。まずは近い作品から遡っていくことに。当初の、表面的なつじつまを合わせたかったのだ。「ブラックパンサー」や「ドクターストレンジ」などから。そして夏に公開される「アントマン&ワスプ」が、「インフィニティウオー」にもつながるからと「アントマン」。

 色々観ているうちに、夫も息子も(もちろん私も)、あれも知りたいこれも知りたいが増えていき、とうとう「もう全部観なくちゃ」となった。確か「シビルウオー」の辺りで、もう降参しました。

 そして「ウルトロン」を観た後、「最初から順番に」観ていくことにしよういうことになった。家族での「どれから観るか」「誰のシリーズから観るか」という議論にようやく終止符が打たれた。

 4月の「エンドゲーム」、その直前の「キャプテンマーベル」に向け、フェーズ1を観ないと心に与えるものが全然違うはずだから。覚悟決めてもう最初から観ていかなくちゃと。

 マーベル展を観に行ったことも大きかった。偶然観る羽目になったのだけど、そこでスタン・リーのインタビューを観たり、それぞれの作品のダイジェストや成り立ちを観て、ますます面白いと思えたんですよね。「ガーディアンズオブギャラクシー」だけで良かったはずなのに、それをつなげるものとして「アベンジャーズ」を観た方が面白いに決まっていると思わせられてしまった。「ガーディアンズオブギャラクシー」3が、ジェームズガン監督ではないことは、相当なショックだったけど。

 で、MCU最初の「アイアンマン」をようやく観るに至りました。怖がりな私は、終始ドキドキし、怖くて疲れた。このトーンずっと続くの? と不安でしんどかった。

*以下、ネタバレあります。

 これを観て、やっぱりマーベル展のスタン・リーのインタビューを思い出した。詳しくはきちんと記憶しているわけではないけど、彼がどういうことをMCUに託しているのか、何を表現したいのか、という原点のような作品なんですね。


 やはり戦争について描かれたことが大きい。戦争がいったい何を生むのかということをマーベル側としては伝えたいわけですね。

 平和をもたらすはずと思い込んでいた戦いは、武器を作る側がいて、武器の技術開発は技術者がいないと成り立たないわけで、その技術者が、自分が作ることによってどんなことが起きているのか。このことに、天才的な技術者トニースタークは直面したことで、葛藤と苦悩を抱え、自分を変えていくわけです。

 彼が父親を亡くした日のこと、どの映画で描かれていたっけ。「シビルウオー」だったかな。また観なくちゃ。私はやっぱり家族関係の観点で観てしまうのだけど、最初にギリギリで救われたインセンとの関係も、短い間ながら相当強い絆で結ばれる。彼との別れは、哀しみだけでなく、父親との別れをそこでしっかり体験できたかのような、納得すら感じた。短い間だったけど、二人の間には強固な信頼関係が築かれていた。インセンは、どうやら本当に家族を既に亡くしていたらしいけど、トニー・スタークのためにすべてを投げ打ち、「テロで亡くした家族に、天国で会う」というようなことを言う辺りは、辛いシーンとして印象に残りました。

 スタン・リーが描きたい世界、戦争に対する考えについては、マーベル展の頃に知ったが、初期の作品にはこういった考えが多く出てくるように思う。まだフェーズ1を観始めたところだけど、少なくとも「ウルトロン」ではまだ色濃かった。

 「アベンジャーズ インフィニティ・ウオー」でも、サノスの思う正義が、果たして正義なのかということ。「正義とは」「正しいってなんだ」という、共通のテーマがある。世界を元に戻す、平和のために、という正義をかかげて大量の殺戮を行うことは、今もどこかで起きている戦いに対して問いかけているものだ。

 ちなみに、私はR.Jパラジオの書いた「ワンダー」での、「正しいことをするか、親切なことをするか、どちらかを選ぶときには、親切を選ぶ」という言葉が好きだ。単純に「好き」な考えと言葉だ。

 トニー・スタークは、自ら起こしてきた行動がどのような結果になっているかを自分の目で見て体験し、考え直し、やり直している。彼はそういったことを「アイアンマン」となって救うしか方法がなかった。
 彼が、アベンジャーズもののどれを観ても、苦悩に満ちていた理由がようやくわかった。

 あと付け加えておきたいことは、「アイアンマン」1と2で監督しているジョン・ファヴローが出演していたのが、嬉しかった。実は、私は「シェフ」をずいぶん前に観ている。その時に、夫がエピソードだけ教えてくれていた。夫は「シェフ」が大好きで、ジョン・ファヴローが何故ああいう映画を撮ったのかも説明してくれた。「シェフ」には、ロバートダウニージュニアもスカーレットヨハンソンも出てくる。彼は、世間の心無い批判や批評に対して「It hearts」と言い、自ら務めた主役に自分を重ね合わす。楽しく温かい映画である。これはこれで、MCU関係なくおススメです。


#感想 #映画 #アイアンマン #アベンジャーズ #MCU #コンテンツ会議

この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,733件

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。