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制作メモ #7 トナカイ

今度の土日はクリスマスということでトナカイの木彫りを作ることにする。

リサーチ

スケッチ

トナカイは鯨偶蹄目シカ科の動物。別名は馴鹿(じゅんろく)といい、大人しく人に馴れる家畜化可能な鹿という意味。実際に古くからユーラシア大陸においては家畜として使われていて、サンタクロースのソリも引いている。ちなみに日本語の「トナカイ」という言葉はアイヌ語からきているよう。

偶蹄類の仲間はやっぱり顔付きなど似ているような気がする。トナカイは顔も大きくて、正面から見るといわゆるシカよりもむしろウシに似ている。目は正面から見て一番外側にある。

足は細く、そしてつま先はとても大きい。これは雪や氷の上をうまく歩くため。この大きな足先は他のシカと大きく違うところ。

ツノは他のシカと違い、オス・メスともに生える。メスは小さめ。毎年生え変わりながら大きくなっていく。オス同士の戦いで使うだけではなくて、雪を掘り返して苔をたべるためにも使う。
オスのツノは春から生え始めて、繁殖期の終わる秋すぎには抜け落ちてしまう。一方メスは、冬に子育てをするので、雪を掘り返し子供の餌を確保するために、冬の間生えていて春〜夏に抜け落ちるそうな。(サンタクロースのソリを引いているトナカイは、冬に立派な大きなツノが付いているから、去勢したオスだとか)

いろいろ動画などで実際のトナカイを見てみると、角の形などは、地域差や個体差、かなり違うみたい。毎年生え変わるので、その年の栄養状態などでも違うらしい。

オスは首の下に長い毛が生える。

デザイン

特徴を拾いつつ、私の木彫り動物の作風に落とし込む。
最初に描いたのは左上のもの。かわいさとカッコよさが出てるけど少しギュッとさせたいな〜。
次はその隣に描いたもの。ギュッとしたけれど、さらにギュッとさせるかな〜。
そしてさらにその隣。かなりギュッとしたけれど、ん〜〜これはちょっとやりすぎかな〜。
そして最後、下に2番めと3番目の間くらいにして描く。うん、これで行こう!

角の形はあんまり細かくしすぎると、全体の作り込み密度のバランスが悪くなるし、欠けやすそうなのである程度省略しつつ表現することにする。省略しているけど、角の生え方などはウソにならないようによく観察して形をきめる。

大きなつま先も少しつけてみることにする。

制作

材料に下描き。細い足や角の方向が木目の向きになるように木取り。

ノコ入れ。入り組んだ細かい部分があるので、いつもよりも細かめにノコを入れた。ツノ周りは、彫りながら3次元的に見て形を決めたいので、大きめにのこしてある。
真横と真正面からの絵だけで形を決めると、どうしても形がその"絵"に引っ張られてしまう。なので、ここは彫りながら(3次元の形を直接操作しながら)形を決めることにする。

そもそも、3次元的なイメージを2次元の絵にするのはなかなか難しい。さらに「2次元の絵の中だけで3次元の形を探る」ということはさらに難しい。

まずは横から見た形に削る。

身体の両脇を削って身体の形もなんとなく出す。

顔や耳、ツノを一緒になんとなく彫り出す。

そして色々やって彫れました。
写真を撮らなかったけれど、ここの過程が時間的にも、実際的にもなかなかむずかしいところ。

着彩は、首周りの白いところとツノと顔に入れることにした。

完成


メリークリスマス!!(言うの気恥ずかしい)

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