見出し画像

地域×学校をどう進めて行くのか

今月栃木に私たちと同じような事業を行っていくための若者NPOが誕生し(ちゃっかり理事にも就任しました)なんだか刺激を受けているニシダ(理事長)です。

今回は、先日山梨県中の教育関係者(教員、教育委員会、行政担当)150人が集まり、いよいよ本格的に始まっていくコミュニティスクール「地域と学校の協働」について学ぶ研修にお呼びいただき、河原部社の事例を紹介すると共に、いろいろな情報を入手してきたので、そちらをシェアしてみようと思います!

コミュニティスクール(学校運営協議会)とは

簡単に言うと、学校×地域で学校運営をよりよく進めて行くためのひとつの仕組みです。

もう少し詳しく言うと、幅広い地域住民の参画を得て、地域全体で子どもたちの学びや成長を支えると共に、「学校を核とした地域づくり」を目指して、地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働して様々な活動を行っていくことでもあります。

具体的な活動としては、

①学校運営(学校運営への参加と質の向上)
②学校支援(学校教育の支援と質の向上)
③地域貢献(学校を核とした人づくり・地域づくり)

とされている場合が多く、その他にも学校の運営方針や教職員の任用について承認したり、意見を述べたりもします。

学校×地域において何が大事なのか

研修の中では、以下の1~9の中で特にどれが大事だと思うか考え話し合いを行われていました。この1~9はその地域の現状によって優先順位や重要度は変わってくる気もするので、自分たちの地域のステークホルダー同士でぜひ意見交換をしてみて下さい!

1,ボランティア人材の開拓
2,コーディネーターの人材確保とスキルアップ
3,学校教師の業務負担の軽減化
4,学校教育と社会教育の連携
5,ボランタリー組織の参画
6,企業の社会貢献活動(人材・教材・体験・寄付)
7,保護者(PTAやボランティア)の参画
8,高校生・大学生・教員など人材や教育成果の提供
9,その他(あなたが思うこと)

個人的に9番に入れたのは、
コーディネーターとして学校と地域を繋いぐ役割(中間支援)を本気で仕事として行う個人もしくは団体の存在と、それを資金的にも支える仕組み(例えばコミュニティ財団など)です。

理由としては、全国の様々なコミュニティスクールの事例を見ていると、形だけの(あて職のような人の集まり)組織で形骸化してしまっているか、コーディネーターがちゃんといて上手く機能しているかのほぼ2通りだと感じているからです。

コーディネーターの役割

コーディネーターの最大の役割は以下の4つの社会セクターをつなぐこと。

①市民社会(市民の社会参画による非営利活動)
②政治行政(法律・制度による社会政策)
③企業(市場経済原理による有償サービス)
④地縁社会(近隣住民の相互扶助契約による共助)

事例①千葉県木更津市

■活動内容(学校支援ボランティア活動)

・地域の誰もがボランティアになれるチャンスを創出する
 -ボランティアからコーディネーターにステップアップしていく
・市内全小中学校に毎日複数名のコーディネーターを配置
 -H10年から実施!国がやるよりも早く市と民間で実現
 -学校の真ん中ににコーディネーターの部屋を設けている
・全市をあげた人材バンクを運営し成果を市民に報告
 -いまでは全市民の9人に1人が登録している
・各学校で年2回ボランティア会議を開催し意見交換
・学校教育課は人材バンク、生涯学習課は人材養成
・オール市民で「学校支援ボランティアサミット」を開催
・地域と学校協働教育の成果を評価し市民に公表する

 -5年に1度実施

■プログラム・メニューづくりの5つのPOINT

1,お互いに得るものがある互酬性に配慮したプログラムは長続きする
2,“知らない・できない・わからない”ボランティアこそ子どもの主体性を育む
3,上級生と下級生が助け合いのなかで学び合う異年齢交流は思いやりの心を育む
4,学校に行くことが“学校支援”ではない。子どもの力を必要とすることも教育活動
5,“教えない・指導しない・助言しない”ひたすら子どものメッセージを聴くトレーニングを!

事例②横浜市都筑区東山田中学校区コミュニティスクール「やまたろう本部」

■活動内容

・2005年の開校と同時にコミュニティスクールを導入
・建築構想時にボランティアコーディネート機能を重視
・学校中心部にボランティアの研修や活動拠点を設計
・子どもたち、保護者、地域住民が参加してネーミング決定
・年間カレンダーやガイドブックを作成し全戸に配布する

 -地域の人が今日学校で行われていることを把握している
・多彩な経験知を持つ人や組織が変化するニーズに対応
・全国の学校との交流や教職員研修のコーディネート

プログラム・メニュー

1,学習サポート
2,生活サポート
3,読書サポート
4,環境サポート
5,地域サポート
6,クラブサポート
7,行事サポート
8,子育てサポート
9,安全サポート
10,放課後サポート

まとめ

研修で取り上げられていた2つの事例に共通しているのは、国よりも早く、地域ではじめていること。
そして核となるコーディネータ―の存在と確かなプログラム設計がなされていること。
さらには地域市民や地域企業を巻き込み圧倒的な成果を上げているところ。

これらを学校づくりの段階から行うことで、学校自体の仕組みを作っているところがとてもすごいなと感じました。

韮崎市でもR6年度からコミュニティスクールが始まる予定と聞きました。
形骸化したものではなく、きちん機能したものにするべく引き続き私たちも勉強を重ねていき、行政や学校に提言をしていきたいと思います!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?