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【書評】人生にも通じる、トップランナーの言葉〜『走って、悩んで、見つけたこと。 』(大迫傑)

マラソン男子日本記録保持者、大迫傑選手のエッセイです。エッセイというにはあまりに内容が濃く、もはや「人生訓の書」です。東京マラソンの映像を見ながら読むとなおいいでしょう。

※書評の目次一覧はこちらです

1、内容

去年のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)直前に出版された本。

「過去を振り返ることは好きではないし、意味がないと思っている。レースについて思い出すこともほとんどない」と語る大迫傑選手。

そんな大迫選手が今一度自分を見つめ直し、走ってきた中で見つけたこと、出会ったこと、現在の自分を形作っているもの──いわば、「自分と向き合い続けて出した答え」を綴ったのがこの本です。

思考法やトレーニング論のみならず、髪型やピアスについての悩みなどについても書かれていて、等身大の大迫選手の実像を知ることができます。

巻末には一般読者からの質問に答えるQ&Aもあります。

2、私の感想

人生や仕事にも通じる内容が多くて、驚きます。「マラソン」を「仕事」などに置き換えれば、一般の人にも通じることばかりです。これなんかまさにそう。

最大のチャンスはいつ来るか分かりません。だからこそ過度な期待をせずに、今という瞬間を大切にして、集中してやっていく。

他にも、これなど。

やらない理由というのは探さなくても簡単に見つかるものです。だから僕はやらない理由よりもやるべき理由を常に探して積み重ねています。

勉強なども全く同じことが言えるのではないでしょうか。

私はぜひこの本を中高生に読んでほしいと思います。まるで求道者のようにストイックに見える大迫選手ですが、言っていることを突き詰めると、とてもシンプルです。

「自分でしっかり考えて、当たり前のことを当たり前にやる」ということだと思います。

勉強でも部活でも、自分で考えなければ身にはなりません。当たり前のことが当たり前にできなければ成果も出ません。

大迫選手はこれができる人だから、あれだけの結果が出せるのだと思います。

東京マラソン後のインタビューでも、「身体と対話しながら……」というフレーズが出ていました。やはり闇雲に走っているわけではないのだな、と感じました。

3、こんな人にオススメ

・大迫選手に興味を持った方
あの驚異の走りの理由がよくわかると思います。

・市民ランナー
「読むエナジードリンク」のようなものです。走るモチベーションを注入してくれます。

・運動系部活をやっている中高生
上で述べた通りです。ヒントになる言葉が絶対に見つかります。

大迫傑選手、東京マラソン優勝で、オリンピック代表内定へ一気に近づきました。今後も楽しみです。

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