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【書評】書店通いの効用は数知れず〜『10分あれば書店に行きなさい』(齋藤孝)

本が好きな人間は、この手の読書術の本を見るとつい読んでしまうところがあります。そして自尊心をくすぐられて、なお一層読書に励むことになります。

良いサイクルだと思うのですが、問題は読書術の本だけでもかなり大量に出ているということ……(笑)。

私も、読書術の本ばかり読みふけって、肝心の本当に読みたいものを読む時間がなくなるという、本末転倒なことになりがちです。

1、内容

毎日のように書店通いをするという齋藤孝さんが、長年の経験から編み出した「書店活用術」が満載です。

資料探しはもちろん、アイデアの発想を生み出したり、雑談のネタを仕入れたり、市場調査を行ったり……。

書店を訪れるための準備から、棚への目の配り方、集中力を上げるテクニックまで、幅広く伝えてくれる一冊です。

2、私の感想

私はこの齋藤孝さんにお会いしたことがあります。わざわざ東京の明治大学にまで足を運んで会いに行きました。

それくらいに一時期傾倒し、今でもそれは続いています。

この本で提案しているのはただ一つです。

「1日に10分、書店通いをすること。」

たったそれだけですが、たくさんの効用があるとのこと。その効用についてたくさん書かれています。

生きていると嫌なことがたくさんあります。それが「書店に行くと、本から得られる刺激によってネガティブな感情が上書きされて消える」と齋藤孝さんは言います。

実際、私も書店でこれを何度も体験しています。色んな本を手に取り、パラパラめくって読んでいるうちに、脳がいっぱいになって、ネガティブな感情が追い出されるのです。

しかし、意識的に「嫌なことを消すために書店に行こう」とやったことはありませんでした。この本を読んで以来、嫌なことがあった日は努めて書店に行くようにしています。上書き効果を狙ってのことです。

色んな悩みを持っている人は、ぜひ書店に行ったらいいと思います。普段私たちが直面する課題は、必ず誰かが解決策を見つけていて、それを本に書いています。きっとヒントが見つかります。

3、こんな人にオススメ

・今何か課題を抱えている人
きっと書店で解決策が見つかることでしょう。

・ストレスがたまっている人
書店に行くことによって、ストレスな出来事を「上書き」することができます。

・帰り道に書店がある人
行かない手はありません。私は書店に寄ると完全に遠回りになってしまいますが、それでも書店に行くようにしています。

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