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極みの茶匠・最高級煎茶を3つのスタイルで楽しむ『川根茶 茶茶茶』プレゼント!

●3つの味わいを楽しめる最高級煎茶

お茶は食品としては完成品ではありません。あなたの手で抽出することで、初めて完成品になります。
そして本当に良いお茶とは、一つの味わいだけでは終わりません。様々な楽しみ方により、いっそう深い味わいが体験できるのです。

今回、静岡県知事賞一等受賞茶を3Styleで楽しめる、極みの茶匠の煎茶と、3つの楽しみ方のしおりのセット(4000円相当)を8名の方にプレゼント。
最高級の煎茶を、余すことなく味わい尽くしてみませんか?

※こちらは、2023.2.10~2023.2.19までの期間にインスタグラム内にて行われるプレゼントキャンペーンの商品紹介です。

【プレゼント内容】
・楽しみ方のしおり×1枚
・静岡県知事賞一等受賞茶(6g)×3ヶ

プレゼントの応募はこちら


●川根茶・茶茶茶の楽しみ方、3つのお手前

川根茶・茶茶茶とは?

今回プレゼントとしてご紹介するのは、お茶の品評会のひとつである「静岡県知事賞」で一等を受賞したお茶です。

1本1本がツヤツヤの針のような美しく繊細なお茶

川根茶・茶茶茶の特徴
・山で育った葉肉の薄い繊細なお茶の葉を、丁寧に浅蒸し仕上げ
・新芽の状態を常に見ながら、一芯二葉で、丹念に手摘み
・お茶の評価である茶葉の形状やツヤにもこだわった
・お茶を飲んだ後のお茶殻の色や形も美しい
・水色(抽出したお茶の色)は薄いが、濃厚な旨味と香りが感じられる

川根茶・茶茶茶の楽しみ方

1年かけて1本1本のお茶の木と向き合って作られたこのお茶は、口で感じる味わいだけでなく、「お茶を飲む時間」が、「自分と向き合う時間」に変わる、そんな、心にも染み渡る力を持っています。

是非、時間にゆとりのある時に、お茶と向き合い、自分の心と向き合いながら味わってほしいお茶です。

茶器を選ぶ楽しみ

今回、ご提案する3種類の淹れ方それぞれに、違う茶器を使用しました。
ご自身で淹れる際は、もちろん、ご自宅にある茶器や器を使って淹れていただければ大丈夫ですが、選ぶ茶器によって気分や味わい方が変わる...そんなきっかけの一つになったら嬉しいです。

❶水出しの淹れ方と味わい方

日本茶は、水で淹れることで渋味が抑えられ、旨味主体の味わいを楽しむことができます。

お茶の葉が見えやすいよう透明蓋碗(がいわん)を使いましたが、急須や小さな器でも大丈夫です。

≪使用した茶器≫
お茶の葉の開く様子が良く見えるよう、透明な蓋碗がいわん を使用しました。
元々、中国茶を淹れる時に使う茶器で、注ぐ際には蓋を少しずらして、そのすきまからお湯のみへとお茶を注ぎます。

蓋のすきまから茶葉が出ないよう、ゆっくりとお茶を注ぎます

一煎目
お茶の葉:6g/水:40cc(濃い目)~60cc/温度:常温/抽出時間:5分


≪水出しの淹れ方≫
➊急須や蓋碗がいわん (無ければ小さな器)にお茶の葉とお水を入れて5分待つ。
➋お湯のみに最後の一滴まで優しく注ぐ。(茶こしを使っても良い)


通常は6gのお茶の葉に対して60ccのお水で淹れることをおすすめしていますが、濃い目の味を楽しみたい方は40ccのお水で淹れてみてください。
40cc:コクのあるしっかりとした甘旨味と、じんわり感じる心地よい渋味
60cc:やわらかな甘旨味と、ふんわりした清涼感

口に入れた瞬間、舌先に触れる甘味と、舌全体に広がっていく旨味とかすかな渋味が、ゆったりと広がる波のように感じられます。

日々のストレスや、ネガティブな感情を優しく包み込んでくれる、そんな味わいです。

ゆったりと開いていくお茶の葉の様子も眺めてみてください。とても癒されます。

二煎目
水:40cc(濃い目)~60cc/温度:常温/抽出時間:2分

一煎目よりすっきりとした爽やかな甘旨味と、清涼感のある香りの余韻が、心をふわっと軽やかにしてくれます。

三煎目
お湯:40cc(濃い目)~60cc/温度:ポットのお湯(90℃)/抽出時間:15秒

一、二煎目で甘旨味がしっかり抽出されるので、三煎目はお湯でさっぱりと淹れていただくのがおすすめです。
心地よい苦渋味と、清々しい青みのある香りの余韻が感じられます。

お茶を飲み終わった後のお茶の葉も、後述のレシピを参考に召し上がってみてください。

❷氷出しの淹れ方と味わい方

日本茶を氷で淹れることで、水出しよりもさらに渋味が抑えられ、濃厚な旨味でありながら、軽やかな後味と、華やかで清々しい香りの余韻を楽しむことができます。

氷を乗せやすいよう、縁に注ぎ口のある平らな茶器を使いましたが、小皿や片口でも大丈夫です

氷出し
茶葉:6g/氷:2~3ヶ/抽出時間:30分~60分


≪氷出しの淹れ方≫
➊平らな茶器、又は小皿や片口にお茶の葉と敷いて、氷を2~3ヶ乗せて30~60分待つ。
(室温が低かったりなどで氷の溶け方が遅い場合は、氷の上から小さじ1~2杯のお水をかけてください)
➋ある程度、氷が溶け、お茶の葉の周りに水が広がってきたら、そっとお湯のみに注ぐ。


最初はお茶の葉が溶けた氷の水を吸っていきます
氷がある程度溶け、お茶の葉の縁(矢印の部分)からお水が広がってきたら注ぎましょう

季節や室温、氷の種類によって氷の解ける時間が変わってくるので、時間のある時にゆっくりじっくりと楽しんでいただきたい淹れ方です。

一滴一滴、ゆったりと抽出されるので、「お茶を飲む」と言うより、「雫を味わう」ような気持ちで、お茶のひとしずくを身体と心に落とし込むように味わってみてください。

この映像は30分の氷出しの様子を、100倍速にしたものです。
旨味がにじみ出てくる様子をイメージしてみてください。

氷出しの淹れ方の場合、時間の許す限り、氷やほんの少しのお水を追加しながら、抽出される雫をお楽しみください。
氷出しを満喫したら、一度お湯で抽出して(90℃のお湯40~60ccで15秒抽出)お茶の葉をしっかりと開かせ、後述のレシピを参考にお茶の葉も召し上がってみてください。

❸お湯出しの淹れ方と味わい方

日本茶は、お湯で淹れることで旨味、渋味、甘味、苦みが抽出されるので、しっかりとした厚みのある味わいを楽しむことができます。

お茶の葉が開きやすいよう、宝瓶(ほうひん)という茶器を使いましたが、急須でも大丈夫です

一煎目
お茶の葉:6g/お湯:70cc/温度:50℃/抽出時間:90秒


≪お湯出しの淹れ方≫
➊急須や宝瓶ほうひんにお茶の葉とお湯を入れ、90秒待つ。
➋お湯のみに最後の一滴まで優しく注ぐ。(茶こしを使っても良い)


芯のある旨味と、甘くまろやかに鼻に抜ける香り、そして舌全体に広がるややキリリとした穏やかな渋味を感じられます。

気持ちが不安定になったり迷いがあるとき、そっと叱咤激励してくれるような安心感のある味わいです。

二煎目
お湯:70cc/温度:70℃/抽出時間:15秒

軽やかな旨渋味。
肩の力が抜けるようなほっとする味わいと軽やかな優しさが感じられます。

煎を重ねるごとに開いていくお茶の葉も、とても鮮やかで美しいです

三煎目
お湯:70cc/温度:90℃/抽出時間:15秒

キリっとした苦渋味、凛とした清涼感と華やかさも感じられる清々しい香りの余韻。

迷いを払しょくし、新たに気持ちを切り替えて前に踏み出す力をくれる、そんな味わいです。

お茶の葉の楽しみ方

水出しや氷出し、お湯出しでこのお茶を楽しんだら、お茶の葉もぜひ、召し上がってみてください。

通常の煎茶は、葉肉が硬いため食用には不向きですが、このお茶は柔らかな新芽を丁寧に摘み取ったものなので、柔らかい食感の中に心地よい弾力のある歯ごたえ、噛むほどに感じる渋味をお楽しみいただけます。

柚子みそ和え(左)、納豆和え(中央)、柚子胡椒和え(右)

≪お茶殻を使った簡単レシピ≫
➊お湯出しのお茶の場合:三煎以上飲んだ後のお茶の葉
 お水出しや氷出しの場合:飲んだ後のお茶の葉を熱いお湯で湯通しする。
(渋味を強く感じる場合は、再度、10~20秒ほど熱いお湯で湯通しして水気を飛ばしてください。)

➋水気を取った①のお茶の葉を、柚子みそ、柚子胡椒、ポン酢、だし醤油など、好みの調味料で和える。
又は、納豆、ちりめんじゃこ、浅漬け、サラダなどと混ぜて楽しむ。


上記のレシピを参考に、お好きな調味料や具材と混ぜてみてくださいね。

※お茶の葉には、お水やお湯では抽出されない栄養素(食物繊維、ビタミンA、ビタミンEなどの脂溶性成分)が多く含まれているので、お茶を飲むだけではなく、是非、お茶の葉も召し上がってみてください。

●川根茶・茶茶茶の美味しさの秘密

・受賞茶について

今回のプレゼント企画で提供するお茶は、令和4年度静岡県茶品評会において一等入賞した最高級煎茶です。

1年間丹精込めて育てた茶園から一芯二葉で丁寧に摘まれた新芽を、4代目相藤直紀が熟練した技術で揉み上げたお茶です。
お湯のみに注いだ時のお茶の色は金色透明で、深い味と香りが楽しめます。

・極みの茶匠とは

極みの茶匠とは、下記の5つを兼ね備えた茶匠のこと。
➊栽培の匠
➋荒茶の匠
➌仕上げの匠
➍淹れ方の匠
➎楽しみ方の匠

一口に「日本茶」と言っても、その栽培、製造工程は複雑で、それぞれの工程は分業で行われることがほとんどです。

・栽培=お茶農家
・荒茶加工=お茶農家、共同工場、農協など
・仕上げ加工=一部のお茶農家、製茶問屋

相藤農園は、こだわりの栽培、荒茶加工、仕上げ加工を行うとともに、お茶の淹れ方や楽しみ方の提案も行っていきます。

➊栽培の匠

良質なお茶を作るには、やはり良質な葉を育てることが大事です。

お茶の木にストレスをかけないように、そしてお茶の葉の成長を止めないよう、1年を通じて足を何度も運び、茶の木の状態を見ながら栽培を行っていくのが栽培の茶匠。

お茶の栽培で気を付けることは、
●季節(気温や降水量など)による変化の中で、お茶の木や葉の状態を常に良い状態に保つこと
●虫や病気を防ぐこと
●季節やお茶の状態に合わせた肥料を、適切な量とタイミングで与えること

以上のことに気を付けて栽培することで、母葉ぼよう(新芽の親となる葉)が大きく育ちます。母葉ぼようが大きく育つほど、茶樹の光合成がうまくいくので、春に旨味をたっぷり含んだ良い新芽が伸びてきます。

※参考写真:黄緑の部分が新芽、濃い緑の部分が母葉

毎日のお茶の木の管理に加え、川根は
●昼夜の寒暖の差がある
●日照時間が適度に短い
●霧の発生頻度が高い
●水はけの良い土壌
などの条件が揃い、良質なお茶を栽培するのにとても恵まれた環境なのです。

また、今回のお茶は、一般的な弧状仕立の茶園とは違い、自然仕立て茶園という茶園で栽培したお茶です。

また、どんなお茶を作りたいかという目的によって、茶樹の形も変わってきます。

茶畑というと、かまぼこ状や平らにならされた形状が一般的です。

均一にならされた茶畑

茶樹をこのような弧状にするのは
●栽培面積が広くなるため、収穫量が増える
●機械を使ってお茶を摘み取れるため、手摘みより時間や人手が少なく済む
●1年に、2~4回収穫ができる
といった理由があります。

一方、今回ご紹介する「川根茶・茶茶茶」のお茶は、「自然仕立て」という、お茶を自由にのびのびと育てる栽培方法です。

自由にのびのびと育つ、自然仕立ての茶園の茶樹たち

自然仕立てで栽培する理由は
●1年に1回の収穫なので、勢い良く枝が伸び、葉がしっかりと育つ
●葉が立体的に繁るため、光合成がたくさんでき、旨味の濃いお茶に育つ


自然仕立てにすると、均一にお茶の枝が伸びないため、機械を使ってお茶を摘むことはできません。選りすぐりの新芽のみを、全て手作業によって摘み取るため、収穫量も少なくなってしまいます。

熟練のお茶摘みさんでさえ、1時間のお茶摘み作業で詰めるお茶は300g/人。
300gのお茶の葉(生葉)から作られる品評会出品茶は、たった25gほど!
いかに、手摘みされたお茶が貴重かがおわかりになると思います。

現在、ほとんどの茶生産は機械によって行われるため、このような手摘みの煎茶は、品評会のために作られるごくわずかな量しかありません。

新芽の様子を見ながら、色や品質を向上させるために4月中旬~下旬に茶畑に覆いをかけ、4月末から5月上旬に摘み取りを行います。
また、摘採時期を見極める事も重要。3.5葉期から4葉期に約30人のお茶摘みさんによって1芯2葉で折り摘みとし、芽の長さも約6㎝にそろえて摘んでもらいます。爪でちぎると、その部分が赤くなり品質が低下するので、絶対に折り摘みにする、ということを徹底しているのです。

お茶畑の上に覆いをかけて、旨味をたっぷり閉じ込めます

摘み取り時間が長くなると品質が低下の原因になるので、お茶摘みさんの人数を増やし丁寧に摘み取ります。また摘み取られた生葉は日光に当たらないよう気を付けます。

毎年変わる気象条件や天候などによって茶園管理のタイミングも見計らいながら行うため、近年の異常気象には悩まされています。
答えのないお茶作りの中、常に茶園に通って茶の木がどんな状態なのか、何をしてほしいのか観察すること、そしていろいろな経験を積んで、今後も技術を磨いていきます。

➋荒茶の匠

荒茶とは、お茶の生の葉を飲用できるよう加工したもの。(荒茶には、粉茶、棒茶(茎茶)などが含まれており、完成品ではなく半製品の段階です。)
品種や摘み取り時期、栽培方法によって、その生葉を揉むのに適した温度、時間、強さが変わってきます。その都度、お茶の状態と向き合いながら、お茶の葉の内部に含まれる水分をに均一に外に出し、そのお茶の持つ味や香りを最大限に引き出すのが荒茶の匠。

摘み取られた生葉はすぐに工場に運び、鮮度を保つためになるべく早く製造を始めます。

①蒸す工程
生葉にある酸化酵素の活性を失わせ、生葉の青臭を除き煎茶特有の緑色と香味発揚を行います。ギリギリまで浅く蒸すので青臭がないか蒸機からでてくる蒸気と茶葉の香りを嗅ぎながら、蒸気量や通過時間を変更します。

ここでの失敗が一番怖いので緊張します。

お茶の繊細な香りを嗅ぎ分け、蒸し時間や蒸気の量を、その都度調整します

②粗揉工程
揉み込まれている茶葉を手の平で何度も触りながら、茶葉の水分や温度を感じ、しとりを保って少しずつ茶葉の中から水分を外に揉み出し乾かしていきます。
茶葉を手の平で感じると同時に熱風温度、風量や揉む回転速度などを調整していきます。手もみ茶永世名人であった祖父は粗揉機の中の茶葉を触りながら、私に手の平の感覚が大切な事を教えてくれました。

機械に付きっきりの状態で、こまめにお茶の葉の水分量を確認します。手の感覚が頼りです。

揉捻じゅうねん工程
この工程では、茶葉に含まれる水分を均一にし、撚りよりを付けていきます。
揉捻じゅうねんの鉢の中で茶葉がしっかり回転しているかを見ながら、おもりをかけていきます。ここでも、お茶の葉の具合を常に見ながら、茶葉にかけるおもりの重さを調整していきます。

揉捻機じゅうねんきでお茶の葉に含まれる水分を均一にしていきます

中揉ちゅうじゅう工程
茶葉を手の平でさわり、上乾きしないようにしとりを保ち排気温度を見ながら、風量と胴回転を調整します。茶葉の内部からの水分を徐々に出し、乾燥させながら揉んでいきます。

精揉せいじゅう工程
茶葉の内部の水分を揉みだしながら、少しずつ乾燥させ形状を丸よれで伸びた形に整え光沢を出します。ここで加錘操作に失敗すると形状が扁平になったりするので、茶葉がしっかり回転しながら揉まれているか見ながら加錘していきます。

お茶の葉を針のように細く細く撚っていきます

作業はそれぞれの工程に合わせた機械で行いますが、お茶の葉の具合(柔らかさ、水分量、厚みなど)は毎回違うため、機械のそばにつきっきりで、数分ごとにお茶の状態を確認しながら行っていきます。

生のお茶の葉から荒茶が出来上がるまで、約7~8時間ほどかかります。

➌仕上げの匠

仕上げの匠とは、出来上がった荒茶を見て、それぞれの荒茶に合った①選別、②乾燥を行うことで、荒茶の持つポテンシャルをさらに引き出す工程です。

気候によって変わる作柄に対して、毎回真摯な気持ちで向き合うのが仕上げの匠。

①選別のこだわり
荒茶をふるいにかけ、太いところや、粉などを外します。ここで行う選別によって、最初の荒茶の量から半分ぐらいの量に減ります。

網の目の細かさや、揺らし方を変えることによって、丁寧に選別していきます

品評会に出品するお茶は、ここからさらに、手作業によって形が曲がっているものや、色が違うものをピンセットで拾って外します。とても根気と手間がかかる作業です。

②乾燥のこだわり
その後、再火乾燥に入る。棚式乾燥機に入れ茶葉の香りを嗅ぎながら、お茶本来の香りを大切にし乾燥させます。
ある程度お茶を乾燥させることで、保存性も高めます。

➍淹れ方の匠

お茶の淹れ方は一つではありません。
日本茶の製法、品種、産地、摘採時期などによって、適した温度、時間、茶器、お茶や淹れる相手への気持ちなどを踏まえた淹れ方をするのが淹れ方の匠。

①味わい別、日本茶の基本の選び方
・玉露、かぶせ茶:旨味が強く、青々しくほのかな海苔の香りがするのが特徴。
・浅蒸し茶:爽やかな余韻の香り、すっきりとした飲み口
・深蒸し茶:まろやかな口当たりと苦旨味。
・棒茶(茎茶):渋味や苦味の少ない、さっぱりとした甘旨味。
・番茶:さっぱりとした渋味(旨味は少ない)
・ほうじ茶:さっぱりとした後味と、とても香ばしい香り。

②適した温度
日本茶は、淹れる温度によって味わいや抽出される成分が変わる、二面性を持った不思議な飲み物です。

≪お水や氷で淹れる≫

お水や氷で淹れると、旨味主体のまろやかな味になります


・テアニンなどの旨味成分が多く抽出される。(リラクゼーション効果がある)
・渋味や苦味成分であるカテキン(エピガロカテキンガレート)やカフェインの抽出が抑えられる。
・免疫力を高めるカテキン(エピガロカテキン)が抽出される。
・カフェインの抽出が抑えられるため、カフェインレスになる。
・香りは控えめ。

≪お湯で淹れる≫
・渋味や苦味成分であるカテキンやカフェインが多く抽出される。
・カフェインが抽出されることにより、天然のエナジードリンクとなる。
・抗菌、抗ウイルス作用のあるカテキン(エピガロカテキンガレート)が抽出される。
・香りがよく立つ。

③適した抽出時間

淹れる水やお湯の温度が低いほど、お茶の味わいや成分は抽出しにくいため、時間をかけて抽出します。

一方、お湯の温度が高い場合、旨味、渋味、苦み、甘味などの成分が多く抽出されるため、濃い味が好きな方には長めに、薄味が好きな方はには短めの抽出時間がおすすめです。
※具体的な淹れ方や時間は、上述したそれぞれの「淹れ方」を参考にしてみてくださいね。

➎楽しみ方の匠とは

お茶を飲む時の気分やシーン、食べ物などによって、お茶を選んだり淹れ分け、さまざまな楽しみ方をするのが楽しみ方の匠。
今回は、一般的な日本茶と食べ物とのペアリングのコツと、飲み終わった後のお茶の葉(お茶殻)の活用の仕方をお伝えします。

➊ティーペアリング
ティーペアリングとは、食べ物に合わせてお茶を選び、お互いの味や香りを引き立てて楽しむこと。
日本茶は、産地、品種、製法、摘採時期など、さまざまな種類があるので、食べ物に対して、まずは違いのわかりやすい製法別の日本茶を合わせてみることをおすすめします。

玉露
旨味が強く、海苔のような香りが印象的なので、海鮮系のお料理と相性が良いです。素材にこだわった高級なチョコレートとも良く合います。

深蒸し茶
まろやかな飲み口が特徴なので、カレーやスパイス系などの濃い味の料理や、しっかりした甘さのスイーツの味を和らげてくれます。

浅蒸し茶
爽やかな余韻が特徴。後味と香りの余韻がすっきり感じられるお茶なので、サラダや白身魚、鶏肉など、淡白な味わいの料理と相性が良いです。

棒茶
柔らかな旨味が特徴なので、塩系やマヨネーズ系のお料理との相性が良いです。ふんわりした優しい飲み口は、生クリームを使ったスイーツとも相性が良いです。

番茶
夏以降に摘み取られるお茶なので、旨味は少ないですが、さっぱりとした渋味が特徴。濃い味、ボディ感の強い料理や、甘味や油分の強いスイーツの後味をさっぱり切り替えます。

ほうじ茶
緑茶を焙じた(焙煎した)ものがほうじ茶で、しっかりとしたこうばしい香りが特徴。ほうじ茶の香りがアクセントとなるため、揚げ物やこうばしい香りのお料理やスイーツと相性が良く、後味をさっぱり切り替えてくれます。


➋お茶の葉の活用
日本茶の中でも、玉露や品評会クラスの特別に作られたお茶は、新芽の柔らかい部分のみで作られることが多いので、お茶を飲んで楽しんだ後のお茶の葉(お茶殻)も、美味しくお召し上がりいただけます。
(※通常の煎茶のお茶殻の場合、食べられないことはありませんが、葉が硬いことが多いので食用には不向きです。)

お茶殻まで味わい尽くせるのは、高級茶だからこその贅沢です!


前述の「お茶の葉の楽しみ方」では、さまざまな調味料やスパイスと和えるレシピをご紹介しましたが、以下のような活用もお試しください。

・チャーハンを炒める時に混ぜる
・餃子やかき揚げに混ぜ込む
・ラーメンやお茶漬けなどの具として
・サラダのトッピングとして
・ネギなどの薬味の代わりとして

お茶を飲むだけでは、お茶に含まれる栄養の3割程度しか摂取できないと言われています。
お茶殻には、お水やお湯では抽出されない栄養素(食物繊維、ビタミンA、ビタミンEなどの脂溶性成分)が多く残っているので、是非、お茶の葉も召し上がってみてくださいね。

●相藤農園さんの受賞歴

相藤農園さんは、直紀さんの曾祖父の代から70年ぐらい、品評会に出品しているんだ。
品評会に出品し、審査結果から反省点を見つけ、それを来年の品評会へ向けて改善できるように茶園管理と製造に取り組んでいるだぁよ。
品評会での結果を見直し、改善することで、より良質なお茶を作る技術を高めていきたいと考えているんだって。

≪主な受賞歴≫
農林大臣賞受賞(第7回全国製茶品評会:煎茶の部)
農林大臣賞受賞(第8回全国製茶品評会:煎茶の部)
農林大臣賞受賞(第9回全国製茶品評会:煎茶の部)
農林大臣賞受賞(第10回全国製茶品評会:煎茶の部)
農林大臣賞受賞(第13回静岡県茶品評会:煎茶の部)
農林大臣賞受賞(第31回全国茶品評会:手もみ茶の部)
農林水産大臣賞受賞(第22回静岡県茶品評会:普通煎茶の部)  
農林水産大臣賞受賞(第35回全国茶品評会:普通煎茶の部)
農林水産大臣賞受賞(第10回関東ブロック茶品評会:普通煎茶の部)  
農林水産大臣賞受賞(第45回全国茶品評会:普通煎茶の部)
農林水産大臣賞受賞(第9回全国手もみ茶品評会)
平成15年
全国茶商工業組合長賞受賞(第57回全国茶品評会:普通煎茶の部)
平成16年
日本茶業中央会賞受賞(第58回全国茶品評会:普通煎茶の部)
平成23年
農林水産大臣賞受賞(第39回関東ブロック茶品評会:普通煎茶の部)
平成26年
金賞受賞(第10回国際名茶品評会)
平成28年
世界名茶大賞受賞(第11回国際名茶品評会)
平成30年
特別金賞受賞(第12回国際名茶品評会)
令和2年
農林水産大臣賞受賞(第74回全国茶品評会:普通煎茶4kgの部)
令和3年
金賞受賞(第13回国際名茶品評会)
農林水産省農産局長賞受賞(第75回全国茶品評会:普通煎茶4kgの部)
令和4年
静岡県知事賞受賞(第57回静岡県茶品評会:普通煎茶の部)
農林水産省農産局長賞(第76回全国茶品評会:普通煎茶4kgの部)

初めて農林大臣賞を受賞した時のもの(曾祖父の時代)

●相藤直紀さんの熱い川根茶愛

相藤農園さんのある川根本町は、静岡県の中部を流れる大井川の上流にあり、川根茶は古くから銘茶産地として有名。

山間でお茶が育つことから、日照時間が短いことや昼夜の寒暖の差が激しい事など、お茶にとって恵まれた自然環境だから、良質なお茶が出来上がるんだよね。

相藤農園さんは、直紀さんの曽祖父が開墾した畑を守りながら、代々品評会に出品するお茶を作り、現在、4代目としてお茶作りを受け継いでいるだぁよ。

4月末にはたくさんのお茶摘みさんに来てもらって品評会に出品するお茶を摘んでもらうことを約70年前から行っているんだって!
お茶摘みさんの中には60年近く摘みに来てくださる近所の方もいて、お茶の葉を摘んだ時の感触で良いお茶かどうかが分かるそう!すごい!

多くの方に手伝っていただきながら行うお茶摘み

川根本町(旧中川根町)の茶農家は70年以上前から全国茶品評会に出品していて、これまでたくさんの人が大臣賞を受賞してきたんだ。
町内の中でも個人個人が切磋琢磨し競い合いながら技術を磨いて現在に繋がっていて、たくさんの茶名人がいる町でもあるんだよ。

現在は、以前より品評会に出品する茶農家は減ってきているけど、現在でも品評会の話しになると、茶名人の先輩方のこだわりや品評会に対する熱い想いが聞けて、とても勉強になる、と直紀さん。

物心ついた時には、家の中で祖父や父がお茶の話や品評会の話しをしているのをそばで聞いていたんだって。
そして、直紀さんが就農した時には、祖父と父と品評会を一緒に取り組み、いろんな事を学んでいったけど、品評会の話になると、時にはちょっとした言い合いになるほど、お互いが熱くなる事もあったんだとか。

10年前にお父さんが他界し、直紀さんがすべての事をやるように。
当初は品評会についても、今まで祖父や父から教えてもらった事をやっていけば、何とかなると簡単に考えていた直紀さんだったけど、その年の品評会に出品したお茶は、なんと等外(=受賞茶ではないお茶のこと)
直紀さんは、自分が作ったお茶と町内の他の出品者のお茶と比べてみて、やはり全然違うお茶だ!と気づき、自分でも納得できなかったんだって。

そして2年連続で等外が続き、自分には品評会で上位に入賞する技術が足りない事が分かりすごく悩んだ時期が続いたとのこと...。

そこで、品評会に出品している茶名人の先輩たちにいろいろな話しを聞き、技術的なことを学ぶようにしよう!と思い立った直紀さん。
すると、皆さん惜しげもなくアドバイスしてくれ、それが本当にありがたく感じた、と語ってくれたよ。

直紀さんは、品評会の事をこれだけ話しができる産地は他にない、だからこそ川根茶の伝統が受け継がれてきたのだと実感。
先輩たちのアドバイスのおかげで年々順位があがると同時に、自分自身でも、少しずつお茶が良くなっていくのが感じられたんだって。
良かった~!!

そしてついに!
お父さんが他界して7年が経った年に、全国茶品評会で日本一に!!!

鹿児島で行われた授賞式

この川根茶産地は恵まれた自然環境があると同時に、品評会に取り組んできた茶名人たちがより良いものを作ろうと議論し、さらに高みを目指して技術を磨くことで川根茶産地の伝統を守ってきた、と直紀さんは考えている。

「この土地に生まれたことで身近な茶名人の話を聞けて、恵まれた自然環境でお茶の栽培が出来る事はとても幸せなこと。だからこそ、その伝統をしっかりと受け継いでいきたい。
品評会で評価されることを目標とすることで、伝統的な質の高いお茶の本質を保ちつつ、新たなライフスタイルに合わせた提案もしながら、後世に伝えていくことをこれからも目指していきます。」

直紀さん、ありがとうございました!
直紀さんの謙虚でやさしい人柄が伝わってくるお茶、みんなにも味わってほしいだぁよ!

4代目園主 相藤直紀

●ショップ紹介


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