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大河「光る君へ」(23)雪の舞うころ

 越前国、イイ感じに描いてくださっていて大大大感謝の巻です!越前雲丹美味しそうでしたね。まひろが詠んだお歌、
 ここにかく 日野の杉むら 埋む雪 小塩の松に 今日やまがへる
あのシーン、雪でウンザリだわーじゃなくすごくエンジョイしてる感あって良きでした。ありがとうありがとう♡♡♡
※「源氏物語を読みたい80代母」のための企画です。最終回までこの形式で続ける所存。思いっきりネタバレ全開なのでご注意くださいまし。
お喋り役の平安女房ズは以下:
右近(右)、侍従(侍)、王命婦(王)、少納言(少)

右「ねえねえ侍従ちゃん!!!」
侍「なあに右近ちゃん……っていつもと逆じゃん。どしたの?」
右「どしたの、じゃないわよ何あのラスト!!!宋人イケメンズ吹っ飛んじゃったわあのぶち抜きっぷり!!!」
侍「あっ、ああ宣孝オジサンのプロポーズう?ビックリしたよねーいきなりだもんね」
右「なんで侍従ちゃんそんなに冷静なの……あの、いつも面白いこと言ったりやったりで笑わせる、だけど政治的なアレコレの話になったら切れ味鋭い、機を見るに敏な世渡り上手の宣孝さまよ?ヤバい、あの色気にズキューンって撃ち抜かれちゃったわ……いや直秀くんのことは忘れてないのよああでも朱さまも素敵だしあああ……私、こんなに多情だったっけ(ばたり)」
侍「右近ちゃんがオカシクなっちゃったああああ!」
王「まあまあ侍従ちゃん。まひろちゃん多方面からモッテモテの乙女ゲーム展開だもの、仕方ないわよ。それにしてもまひろちゃん、あの中じゃ宣孝さまと一緒の時が一番リラックスしてるし、掛け合いも長年やってるから息もピッタリよね」
少「二人で雲丹を召し上がるシーン、なんだかドキドキしてしまいましたわ。すごく艶っぽいといいますか……まるで夫婦のようで」
侍「あーーわっかるー!アタシもそう思った!満面の笑みのまひろちゃんが雲丹スプーンに乗っけてさあ、今にも宣孝サンにアーン♡てやりそうだったヨネ!」
王「越前国に来てからというもの、まひろちゃんお着物もお部屋も豪華になっていつも楽しそうで、可愛さ十倍増しだものね。そりゃ周明も惚れるわよ宣孝さまも焦るわよ」
侍「エッ周明くんまひろちゃんに惚れてる?!なんか目的あって近づいてるっぽいじゃん?!まーそういうワルそうなとこもいいよねってかんじだけどー!」
右「Twitter(x)じゃ国際ロマンス詐欺とか言われてるみたいだけどね(笑)個人的にはアレ、騙そうとして結局騙しきれないってパターンになるとみた。朱さまの酷薄な一面も期待大だわ」
侍「右近ちゃんの響くポイントもよくわっかんないわアタシ……」
少「まひろさんこれからどうなさるのかしら。宣孝さまは素敵なお方ですし安定したご家庭を作られるには最適ですよね。でも周明さまのあの憂いを帯びた熱い目で見つめられつつ『一緒に宋へ行かないか?』なんて囁かれたら……抗える気がいたしませんわね(うっとり)」
侍「少納言さんて……訳アリのちょいワルが好き?!でもワカルこっちはアタシも!」
王「道長くん不憫ねえ。詮子お姉様にウッカリ漏らしちゃうほどまひろちゃんに未練タラタラなのに、宮中が不穏すぎてニッチもサッチも」
右「中宮定子さまのお子様が女の子で、ホっとしたのも束の間……」
少「帝の自制心がどこまで持ちますものやら……」
侍「しょ、少納言さんがそんなダイタンな発言をするなんてえー!平安大河恐るべし……!」
右「来週も楽しみねウフフフ♡」


 まひろちゃん、すっかり越前国を満喫してますね。京とは雲泥の差の暮らし、衣食住に不自由ないばかりか紙も手に入るし読書もし放題だしイケメン家庭教師に宋語も習うしで、充実しまくってます。ほらーやっぱりこうなるでしょなんせ国司様の娘なんだし!越前国じゃ姫扱いだったはず!という私の主張は合ってたやーん(ドラマだけど)。宣孝サンのサプライズ求婚にはビックリでしたが、ああついに言ったか!という印象だったのは佐々木蔵之介さんのイケオジっぷりが半端ないせいか。お土産には最新コスメより本、その匂いに歓喜するまひろのキャラは、まさに紫式部まんまだと思わされるし、そういう女であることを大いに面白がり、
「お前と会うと違う世界が垣間見える」「新たな望みが見える」
とまで言い切る宣孝も、さすが紫式部と夫婦やる男だ只者じゃないわよね、とナチュラルに納得してしまう。24歳差というとヒエエっと思うけど、この時代は遠縁の男と年の差婚ってそんな珍しいことでもなかったし、残ってる歌からしても二人の仲睦まじさは伺えるので、ただただ素直に応援したくなります。これもまたドラマの醍醐味なり。
 それと今回特筆すべきなのはやはり、中宮定子と清少納言のシーン。枕草子の「うつくしきもの」(可愛らしいもの、いとおしいもの):
 鶏の雛の、足高に、白うをかしげに、衣短なるさまして、ひよひよとかしかましう鳴きて、人のしりさきに立ちてありくもをかし。また親の、ともに連れて立ちて走るも、みなうつくし。
 まさに出産を控えた方に相応しい。しかも
「(御簾から差し入れられるお前の書いたものは)日々の楽しみだ」「この日々の楽しみがなければ、私はこの(お腹の中の)子とともに死んでいたであろう」「この子がここまで育ったのはそなたのお陰である」「少納言、ありがとう」
 これはもう泣くでしょ泣く。もう書きながらも涙出ますわ(´;ω;`)ウッ…(ウイカききょうさんの表情もよかった!)
 自分の書いたもので生きる力を取り戻し、母として強くならねばと毅然と前を向く中宮定子が、ふっと遠い目をして
「懐かしいのう」
 と呟く。ああああもう何でも書きますどんどん書きます死んでも書きます定子さまのために!!!ってなるよねわかる。わかるぞ……そして凄いのは、ここから長きに渡り「わかる」「泣ける」「残さなきゃ」と思った人が無数に発生していくことなのよね。言葉の力はこれほどに大きい。それを令和の世に映像で、ドラマで再現したことの素晴らしさよ。もう本当にありがとうありがとう。

 それにしてもまひろはいつ「源氏物語」を書き始めるのだろう?何がきっかけになるのかな。おそらく越前国を辞してから後の話になるんだろうけど、既にちょっと寂しい。あと一度の冬を越して、春には帰っちゃうのね。美味しいものいっぱい食べて存分に楽しんでいってねの気持ち。
 来週も楽しみです!
<つづく>

「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。