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大河「光る君へ」(12)思いの果て

 春分の日前後からこっち冷えますね。来週あたりから急に暖かくなるようで、体調崩さないよう頑張りましょう。
※「源氏物語を読みたい80代母」のための企画です。最終回までこの形式で続ける所存。思いっきりネタバレ全開なのでご注意くださいまし。
お喋り役の平安女房ズは以下:
右近(右)、侍従(侍)、王命婦(王)、少納言(少)

侍「ねえ右近ちゃn」
右「(食い気味に)ちょっと侍従ちゃん。アナタ推しは道長くんよね確か」
侍「エッ!い、いやアタシの推しは昔も今もヒカル王子で……今回の大河では道長くんってだけd」
右「(食い気味に)今回のアレ何?バカなの?いやバカよね?会いたくて震えるハートのまひろちゃんを呼び出しといて、開口一番アレってさあ!なんなん?!」
侍「右近ちゃん激おこーーー!でもわかるー、アタシもちょっと話の順番かんがえようよって思ったのは思った!あれじゃまひろちゃん何も言えねえ……ってなるよね、相手が倫子さまじゃなくてもさ」
右「ああーもうホントに……ここで直秀くんがいたら、絶対に
『お前アホなの?』『だからやめとけっつったんだよ』『まひろ、今からでも俺にしない?』
 とか何とかツッコミまくってるとこよ。返す返すも惜しい人をウグッヒクッ」
侍「う、右近ちゃん泣かないでー!アタシも泣けてきちゃううわーーん」
王「あらあら大変。今回のラストシーンを地で行ってるわね」
少「おやつ持ってきましたよ、お茶にしましょうね」
 ……休憩中……
侍「えっこれ初めて食べたけど美味しい!甘さ控えめなのに落花生もりもりで満足感あるし、歯ごたえ絶妙ー!」
少「よかった、気に入っていただけて。福井土産『五月ヶ瀬』ですの。このところどこも北陸づいてますから、近所で色々買えて楽しいですわ」
王「なるほど、福井名産をダイレクトに宣伝してくスタイルね。うん美味しい。羽二重餅は何度かいただいたことあるけど、こっちもいいわね」
右「……(涙目で頷きもぐもぐ)」
王「まあアレね、道長くんとまひろちゃん、お互いがお互いの発言に縛られちゃって動けなくなった感じかしら。頭で考えすぎってやつ。口開く前にとりあえず抱きしめるなりキスするなりすればよかったのに。道長くんさあ、あれじゃ恋人というより、お母さんにねえねえ聞いて聞いて!ボクえらいでしょってやる子供よね」
侍「王命婦さん辛辣う!でもまるっと同意ー!」
右「(侍従ちゃん同意するんかーい:右近・心の声)」
少「ただ、道長さまは道長さまなりに、まひろさんの望みをかなえようと熟慮してのことなんですよね……まひろさんはまひろさんで、道長さまを傷つけたことをずっと悔やんでいて、今度こそ素直になろうと決心していた。そのタイミングで、ご結婚しかもよりによってお相手があの倫子さまと聞いてしまっては……とことん嚙み合いませんわね(溜息)」
侍「やっぱり妾でもイイヨ!なんて言えなくなっちゃったもんねー。ああつら!わかっていたとはいえ平安の身分違いの恋つらみ!」
右「(鼻声)……私、実を言うと今回のことで倫子さま推しになったわ。あの大胆でストレートなアタック痺れた」
少「道長さま、御簾をくぐって倫子さまの熱い視線を受けた瞬間、目をそらされましたわね。あれを倫子さまほどの聡いお方が見逃すはずはない。そこからの有無を言わせず胸に飛び込んでいくムーブお見事でした……お二人が遂に見つめ合ったシーンでは感動さえおぼえましたわ」
王「まひろちゃんも道長くんも、自分の本当の気持ちを言葉にできなかったものね。それに対して、私は貴方が好き好き大好き!って全身全霊全力で伝え切った倫子さま、やはり最強よ。誰にも負ける気がしない」
侍「そっかー。やっぱり道長くんとまひろちゃんのラブラブカップル成立は無理っぽいかー。しょぼん……」
右「ていうかさ、別に恋人同士のままでもよくない?平安的には。まひろちゃんを妻として手元に置こうとするから大変なんであってさ。お前がマメに通えば大体解決なんだよ道長、勿論倫子さまは正妻としてちゃんと立てた上で。まひろちゃん散々泣かした挙句、倫子さままで泣かしたら許さんからね?聞いてんのか道長ゴルア!!!」
侍「右近ちゃんやっぱりオコオコーーーー!」
王「まあ涙は止まったからヨシ!」
少「来週も楽しみですねウフフ♡」

 はい、怒りの右近ちゃん回でした。いつかは道長と倫子の縁談が整い、まひろの知るところになるとわかってはいましたが、まさかこんな展開とは。庚申待こうしんまちの夜というのは
「普段よりも慎み深く過ごしながら朝が来るのを待った」
 と番組最後の説明にありましたが、何も慎んでなーい。しかも文もかわさずアポなし凸かい道長よ(←フィクションです)。三日夜の餅はどしたー。
 それはともかくとして、ここまで殆ど「穢れ」に対する畏れを感じてない風の道長、藤原を呪う気満々の明子を妻にしたらどうなっちゃうんでしょうか。あの詮子姉さんが明子の真意を理解していないとも思えないし、何らかの意図はありますよね。今後あの一族に起こる色々(意味深)を考えると、道長くん正直恋愛どころじゃないのでは……と震えてます。
 一方まひろの「志」はどうなるんでしょうね。まだ形になっていない、まひろの中に降り積もるばかりの「物語」がいつ何をきっかけに蓋を押し開けて噴出するのか。創作の道はある意味、道長と同等かそれ以上の苦難と苦悩をともなう修羅の道でもあります。倫子のように、自らの真の望みに向かって一も二もなく飛び込んでいくその瞬間がいつかは訪れるはず。これまでの展開からして、絶対に一筋縄ではいかないでしょうけど。怖いですが楽しみですねえウフフ。
 これだけでは何なので今回の数少ない癒しシーンを書き留めておきます。
・小麻呂ちゃんのお手てをそっと握る倫子さま
 猫をも小道具に使う倫子さま、さすがあざといパーフェクト姫。
・まひろの弟・惟規のハートウォーミングムーブ
 道長からのお文を取り合うくだり、まんま雲居雁と夕霧のそれを思い出しましたが、まひろが泣きそうな顔で帰ってきた後の対応は沁みましたね。何も聞かず盃をすすめる弟いいヤツ。
・今回初登場のさわちゃんのお着物が何気にまひろのより上等だった
 芸が細かいですね。父親の方がお金持ちだからやむなく置いていった、ということなんでしょう。
・宣孝オジサンの婿探し(実資アタック)
 いい味出してました。「あれはもう死んでおる」って(笑)
 ……意外とあったわ癒しエピ。また来週ー!
<つづく> 


「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。