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小説【ある晴れた日の午後】

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現在執筆中の短編小説です。思い出しうる最古の記憶から、ある晴れた日の午後まで続く家族との交流の話です。 #短編小説 #冬 #幼少期 #家族
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#死別

【短編】ある晴れた日の午後11

【短編】ある晴れた日の午後11

親族一同は部屋に通されて、台の上に載せられた父のものと思われる遺骨と対面した。
係の人の指示で、血の繋がりの濃い順に並べられ、台を取り囲むように配置された。
はしを順に回して遺骨を拾い上げ入れ物に入れていく。
叔父が祖母に向かって父は痩せ型だから骨が少ないだの雑談をしているのを黙って聞いていた。

入れ物にそれらが収まると、私達は一礼をして部屋を出た。

外は、夕暮れが近づいてきたのか一段と寒くな

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