スマホを捨てて書を読もう
中学生の時、家に有った父親の本を読んでみたのだった。
それが面白く、その作家の本を次々と読む様になった。
その歴史小説の作家は司馬遼太郎。
とにかく面白い。
まるでその場に居て見てきたかの様に書く。
写真はもちろん、絵も残っていない歴史上の人物の顔まではっきり書く。
まるで油で揚げたような顔、などと書く。
司馬遼太郎さんという人は本当に教養の有る人だなあと思う。
俳優の東出昌大さんがテレビのインタビューで言っていたのを覚えている。
父親の本を読んだのがきっかけで、司馬遼太郎の歴史小説をたくさん読んだ、と。
みんなそうなんだなあと思った。
そういえば、三谷幸喜さんがこんな事を言っていた。
子供の頃、おじいちゃんが見るので、家族全員付き合いで大河ドラマを見ていた、と。
それがきっかけで、ずっと大河ドラマを見る様になったのだと。
三谷幸喜さんは「新選組」「真田丸」「鎌倉殿の13人」と、大河ドラマを書く作家になった。
司馬遼太郎さんは、国民的作家と言っても良いのだろうと思う。
息子や娘が居る父親をやっている人はぜひ、子供が手に取れる様に本棚に司馬遼太郎の本を置いておくべきだ。
自分が思春期の頃、立て続けに航空機事故が起こった。
衝撃を受けたのは大韓航空機撃墜事件と日航機墜落事故だった。
ソ連軍によって民間航空機が撃墜された事件。しかしその大韓航空機は、
航路をそれてソ連の領空に入っていたのだった。それは何故か。
そして、500名以上の命を奪った御巣鷹山に墜落した日航機。
それらの航空機事故についての本もむさぼり読んだものだった。
柳田邦夫さんの一連の著作は夢中で読んだ。
日航機事故では、突然隔壁が破損して垂直尾翼を吹き飛ばしてしまった。
操縦不能になり、ダッチロールしながら約30分、まるでソフトランディングしようとしたかの様な姿で御巣鷹山に墜落した。
ボイスレコーダーが回収された事によって、この時の機長たちの会話が残っている。
今でもYoutubeで検索すれば聞く事が出来るだろう。
柳田邦夫さんの航空機関連の著作を読み漁り、「零戦燃ゆ」を読み、大東亜戦争関連の本を読み漁る様になったのだった。
1990年代、自分はホームページを持っていた。
あの頃のネットはとても善意に溢れ、暖かい交流が出来たものだった。
自分の日記を読んでメールをくれる同年代の人がたくさん居た。
そういう人から、吉村昭を勧められた。
吉村昭の小説もむさぼり読んだものだった。
歴史小説の様なものが多く、また、吉村さんの文体は全く飾り気が無く、
淡々と事実を並べていくような書き方で、ドキュメンタリーの様な感覚でのめりこんだものだった。
歴史小説というものは、ベースが史実であって、作り話ではない所が良い。
事実は小説より奇なり、というが、本当にそうで、よくもまあ、こんな事をしたものだ、
と自分の先輩達に畏敬の念を感じざるを得ない。
ぜひあなた自身も、そしてあなたの息子や娘たちにも、先人の頑張りを知って学んで、
教養を高める為に、歴史小説を読んで欲しいと思います。
*ここに書いた、司馬遼太郎、吉村昭、柳田邦夫の著作は、どれがお勧めも何もなく、
どれを読んでも全部面白いので、ぜひ読んでみてください。
カワイの本棚
https://r4.quicca.com/~kawai/kawai/hondana.htm
かわいひでとしホームページ 人生を考える思索のページ (quicca.com)
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