「体験」を充実させる方法について考えてみた
旅行、食事、会話、仕事、映画、買物、ネットサーフィン...etc
世の中は「体験」であふれています。初めて行うものもあれば、ルーティーンでこなすものもあります。愉快な体験も、不快な体験も、忘れられない体験も、忘れ去られた体験も、全て積み重ねていくのが人生です。
ずっと言語化したかったことがあります。
どうすれば、「充実した体験」を増やすことができるのでしょうか。
皆さんは何か心がけていることはありますか?
目次
0. 「充実」とは何か
1. 「変えられない事実」と「変えられる事実」
2. 「語彙力」を増やす努力をする
3. 要素を拾って、上手にフィルタリングする
最後に
0. 「充実」とは何か
そもそも「充実」とは何でしょうか。
何をもって「充実」と言えるのでしょうか。少し話は逸れますが西野亮廣は「満足度 - 期待値」が高ければリピーターが増えるとシンプルに定義しています。では、充実度や満足度とは結局なんでしょうか。
シンプルに、「充実」した体験を思い出してみましょう。
今までの人生で「充実」した体験を要素分解していきます。
・ドライブや音楽フェスなど自分の趣味に関する体験
・新しい世界を知るという発見のある体験
・旅行やキャンプなど五感を使った体験
・野球のホームランなど結果が出せた体験
これらの体験は、どれも記憶の中枢に刻まれており、いつ思い出してもはっきりと思い出すことができます。逆にいうと、「はっきりと思い出せる体験」というのは「充実した体験」の一つの要素と考えることができます。また、「ポジティブな時間が長ければ長いほど」充実した体験と言えるでしょう。
「充実度」の定義
1. あとではっきりと思い出せる体験
2. ポジティブな時間が長いこと
1. 「変えられない事実」と「変えられる事実」
「コップの水」についての有名な心理学の実験があります。
コップに半分入った水を見て、「半分空っぽ」と感じるか「半分入っている」と感じるかは心理状況に左右する、という実験です。
この実験は、応用の幅が広いので私は大好きです。全ての体験は「コップの中の水」という動かされざる事実であり、その感想は十人十色だという点に納得がいくからです。プログラミングで言うと、ある入力(体験)をある関数(個性)に入れると、多様に出力(評価)される状態です。(分かりづらいですね、すみません。笑)
「体験」=「動かしようがない客観的な事実」
「評価」=「考え方次第で変わる主観的な概念」
例えば、友人ともつ鍋を食べたとしましょう。
「もつ鍋(体験)」に対する「反応(評価)」は当然人それぞれです。
友人Aは、「すごく美味しかった」と言いました。
友人Bは、「温まるし、野菜も取れるし美味しい鍋でした」と言いました。
友人Cは、「ツユは味噌とニンニクが程よく効いて、美味買った!モツはぷりぷり。キャベツもニラも牛蒡もたっぷり入って、大満足。シメはちゃんぽん。もう、お腹いっぱい。でも野菜たっぷりだから、罪悪感が無い」と言いました。
誰が充実した体験をしていると思いますか?
Aさんは、総合評価を簡潔に述べました。
Bさんは、もう少し具体的に感想を述べました。
Cさんは、もつ鍋を要素分解して、高評価だった点を抽出して述べました。なぜ美味しかったのか、について簡単に考察しています。
三人の大きな違いは、「交換可能であるか」だと思います。
「評価」→「体験」をあとで辿れるかどうか
あとで振り返った時に、Aさんはきっと、どんなもつ鍋だったか思い出せないでしょう。どんな具材が入っていて、どんな味付けで、食べたあとどんな気持ちになったのか。大部分のところが薄れている可能性が高いです。
「充実した体験」にするためには、「あとではっきりと思い出せること」が必要な条件。Cさんのようになるべく具体的に要素を分解して言語化すれば、一年経ってももつ鍋のことを覚えていることが可能でしょう。「変えられない事実(=もつ鍋)」に対して、「変えられる評価」を具体化することで、「充実した体験」へと近づけることが出来るのです。
その①:体験をなるべく具体的に要素分解して言語化する
2. 語彙力を増やす努力をする
スカイダイビングしてもテレビ見ても「面白かった」という同じ感想を言う人がいます。どうしたら、「美味しかった」「楽しかった」「面白かった」以上のアウトプットが出来るようになるのでしょうか。
「美味しかった」「楽しかった」「面白かった」をなるべく禁句にする
簡単です。ボキャブラリーが減るだけの何の意味もない短文の感想をなるべく言わないようにするのです。
料理に焦点を絞って話しましょう。まずは「美味しかった」以上のことを言えば良いのです。と言っても料理の評価はかなり難しいですよね。よくテレビで食レポする芸能人を見ると、自分ではとても出来るようには思えません。ただ、パターン化してしまえば楽かもしれません。
産地の特定(長崎の五島列島など)+具材の特定(生牡蠣など)+味付けの方法(レモン少々)が味覚評価(クリーミーな味わい)で総合評価(ワインとよくマッチした)、など
味覚評価(甘味・酸味・苦味・塩味・旨味など)は奥が深く、一流の食レポが出来るようになるためには3年かかると言われています。食レポについてわかりやすく解説した記事もあります。
人は1日に約2時間、食事という「体験」をします。
食事を充実した体験にすることができれば、人生の幸福度をグッとあげることができるでしょう。
その②:体験を言語化する「語彙力」を増やす努力をする
3. 要素を拾って、上手にフィルタリングする
ひとえに「体験」と言っても、要素は無限にあります。
例えばラーメン屋で食事するとしましょう。ラーメン屋にて体験できる要素をできる限りあげてみましょう。
アクセスは高田馬場駅から歩いて10分。お店の外装は黄色い看板が特徴的。入口から漂う豚骨の匂いが食欲をそそります。店内に入れば、店員が元気に接客してくれます。メニューから目当てのラーメンを注文し、どんどん期待値が高まってきました。待っている間は店内のお客さんや店員さん、椅子の座り心地、テーブルの清潔感など内装をゆっくりと眺めます。すぐラーメンが運ばれてきました。期待に対してお味はどんな感じか。ゆっくり食べながら考えます。店内では懐かしい音楽が流れていました。
こんなもんでしょうか。ラーメン屋で食事するという体験だけでも、(お店への)アクセス、外装、内装、匂い、接客、料理の味、音楽など非常にたくさんの情報がインプットされてきます。
その③:視野を広げた上で、特筆すべき情報だけ抽出する
全ての項目に対して評価を下す必要はありません。ラーメン屋で流れている音楽を重要視する人はまずいないでしょう。たくさんの情報を脳内でリストアップした上で、特徴的な要素を挙げます。「食事」が主役ですが、店員の接客や店内の雰囲気などの脇役にも着目するのです。脇役がしっかりしている映画は締まります。その際、全ての脇役俳優に対して一言ずつコメントするのではなく、何を特筆すべきなのかフィルタリングすることが重要です。
# 終わりに
同じ体験をしていても、満足度や充実度は人それぞれ違います。一つ一つの体験に対して、より多くの要素を拾い、より発見が多い人間になりたい、と思っています。誰も気づかなかった、良い要素を見つけることができれば、体験がより充実した内容となってくると思っています。
体験を充実させる方法
その①:体験をなるべく具体的に要素分解して言語化する
その②:体験を言語化する「語彙力」を増やす努力をする
その③:視野を広げた上で、特筆すべき情報だけ抽出する
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