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昔の資生堂のCMを語ろう(CMソング、コスメ紹介、レコード編)前半

こんにちは可愛唯です。
今日は10代の頃から好きな資生堂のコマーシャルについて書いていこうと思います。
好きなものは追求するタイプですから、コマーシャルに興味を持った15歳(2015年)から今でも研究し続けているのでとことん語って行きます。

お化粧品は勿論、昭和のスターやヒットソングと当時のマーケティングや現代社会についても書いていくので良かったら最後までお読みください!


ナツコ、コスモアイカラー、禅、恋コロンシャンプー、アクテアハート、シフォネット、フェアネス

あらあら胸がポッとなる単語ばかりですね

私の実家には1978-1999年の資生堂のCM集のDVDが置いてあります

幼い頃、父がリビングで見ていても『景気がいい感じでこう言う映像好き〜』くらいにしか思えませんでした

幼心なので、景気がいいと言うセンテンスは浮かびませんでしたが、当時の気持ちを鮮明に思い出すと''昭和の華やかな感じがノスタルジック''に感じたのです


それからというもの、筒美京平先生の影響により70年代〜90年代のアイドルタレントさんを好きになりアングラ芸術の影響で山口小夜子さんを大好きになったことにより、この資生堂のCMがコンテンツとして欠かせないものとなりました。

一番印象的なCMといえば

EPO『う、ふ、ふ、ふ』がテーマソングに使用された「フェアネス フォギーパウダー」のCM

上司との移動中に車内でこっそりパウダーを叩いている映像なのですがアンジェラハリーさんが美しい、、、!

上司にお化粧を直しているのがバレそうになってイタズラな笑みを浮かべるのがまさに『う、ふ、ふ、ふ』と言った感じ♡

そのシチュエーションもお化粧しかり綺麗にすることは当時、働く女性に欠かせないものだと思わせられる可愛らしい映像です。(令和にこんな事言ったら怒られちゃうね)

チヤホヤされて♪キレイになると♪

「見られることがビタミンになる」という歌詞にも、映像の世界も当時の女性社会にもしっくりくる!

そのパウダーがどんな使用感なのか、効果をもたらすのかあまり分からないけれど、このCMのようにお仕事中もうふふふと綺麗になれるのなら欲しい!と不思議と購買意欲が湧くのです…

そして、今のCMのように女優さんドアップでパッケージがドーンと映るのではなく、ドラマのワンシーンのよう。

この頃の資生堂のCMはどれもただのコマーシャルではなく映像作品として見受けられますね。

後に山口小夜子さんのドキュメンタリー映画「氷の花火」で知るのですが、やはり当時は景気が良くて、上の人が何でもやっていいよ!といった感じだったそうです。


続いてこちらのCMも有名だったのではないですか?

『水、金、地、火、木、土、天、海、冥』

ハッとしましたよね?

資生堂「コスモアイカラー」のCMです。

冥王星がまだ惑星だった頃….

こちらのCMは個人的に資生堂のCMの中でも最も好きなCMです!

DVDには1パターンのみの収録ですが、動画サイトだともう1パターンありました。

DVDに収録されているのは、地下鉄のホームにいる女性が通過する地下鉄に振り向いた時に、月人間(????)に笑いかけられる幻想的なCMです。

楠本裕美さんが本当にキレイー!!

そして、このアイシャドウは「コスモアイカラー」というくらいですから、ブルーやパープルといった宇宙的なカラーで一体どうやって使うんだろう?
と思いますが、CMの楠本裕美さんを参考にすると、上瞼だけ広範囲に囲み目のように塗られていてグラデーションになっています。

当時の資生堂のCMはファッションも都会的でオシャレ!その感じに夜空のような深い色がよく似合っています。

CM全体は一人きりの地下鉄のホームといったシチュエーションで、どこか暗い雰囲気。
ですが、テーマソングが松任谷由実『メトロポリスの片隅で』が使用されていて、あの地下鉄が走り抜ける時の風の強さ….疾走感があるのです。


資生堂のCMソングは季節感やシチュエーションにマッチ(先輩)していて、DVDを通してたくさんの名曲に出逢いました。

序盤に収録されている口紅のCMは
南沙織『春の予感』!梅が咲き始めると、聴きたくなります。祖父母に梅林に連れて行ってもらった後部座席で聴いていたあの暖かい春の始まりを思い出します。
CMもセピア色で曲の温かみとシャッターを押す楽しげな女性が良い。
もし、リアルタイムで流れていたら…たしかに春だし口紅買っちゃおう!って気持ちになります。

 
やはり、資生堂のCMモデルとしてハズせないのがマリアンさん〜♡資生堂のCMで見てから大好きになりました。
竹本まりや「不思議なピーチパイ」こちらはシングルレコードのジャケットがなんと、資生堂の広告バージョンがあるのです!
「春のくちびるがピーチになりました」というナレーションにまさしくピンクにくちびるを染めたマリアンさんの写真がジャケットになっていて、今ではなかなかない、CMを見て化粧品と同時にCMソングも買おう!という文化がきっとあったのですね。

お次もマリアンさん。

資生堂「ナツコ」

もうこの単語で頭を抱えた方もいらっしゃるのでは?勿論、夏のコスメだから「ナツコ」!
夏のアイシャドウということでサザンカラーの鮮やかなブルーのシャドウを二重幅にキレイにのせていて、今見ても古臭い感じが無いのが不思議(なピーチパイ)(糸井重里さんごめんなさい)
今では季節に合わせたコスメってあまりないですよね。季節感よりも、顔立ちの流行が重きに置かれているような気がします。
先ほどのCMよりも少し大人っぽく雰囲気の斜めからのカット。『ハートカクテル』の世界観みたいで好き。
というか、この時代から日焼け止め効果のあるファンデーションってあったんだ!!日に焼いた方がかっこいい時代ってもっと後なのかしらん?
テーマソングは吉田拓郎『サマーピープル』
こちらのCMを通して初めて吉田拓郎さんの楽曲に出会いました。ほら、浅田美代子さんのことで、あのね、存在は知っていたからさ、えっと、なにがっていうか….
フォークソングも聴いたことが無かった中学生時分、ビビッときて、歌えるようになるくらい聴きました。

こちらはなんと、、

吉田拓郎「サマーピープル」

資生堂の広告バージョンを持っております!
マリアンさんのお写真目当てで買いました。
曲名よりも、CMのキャッチコピーがドーンと大きく書かれていて、今では考えられないですね。色んなメディアが相乗効果を生み出して、レコードも化粧品も売れるようになっていたのかなとあくまで予測ですが。

現代メディアに常に興味があるのでマーケティングの変形も興味深いですね。
久々に針を落として聴いてみたら、ものすごい盤が歪んでいる笑笑 『あいしぃてぇるぜぇ〜ん↓↓♪』ってなっちゃってるもん

話が逸れました(^^;;

『君の瞳は10000ボルト』

こちはもハッとしてグッと来る方がいるはず!
資生堂「ベネフィーク グレイシィ」のCMですね。
グレイシィは今もあるラインなので私もお化粧始めたての頃は使っていました!
こちらのCMのテーマソングは堀内孝雄(アリス)『君のひとみは10000ボルト』
歌詞に「金木犀の咲く道」と出てくるので勿論、秋のメーキャップのCM。前奏からスタートするのが珍しい!とっても耳に残って良い!CMって大体サビを使うじゃないですか!

『この秋、どこかキラッと光るメークアップをしてみませんか?』と特定のアイテムというよりグレイシィ自体のCMなのかな?
これもまた、秋になったらグレイシィでお化粧してみようかな〜♪なんて思っちゃいますね。
映像も遊園地のトリックアートハウスみたいでオシャレで可愛い!

そして、、、なんと、、、、

堀内孝雄「君のひとみは10000ボルト」

持っていました。

経年劣化なのかなかなり傷だらけですね。いつどこで購入したのか覚えていないのですが、知らず知らずのうちに手が伸びてしまっているみたいです汗

DVDの中盤の方は90年代、アイテムにフォーカスしたCMが増えてきて今井美樹さんが出演されていて、テーマソングも今井美樹さんの楽曲が使われているCMもあります。チップタイプのアイシャドウのCMなのですが、何とテーマソングの曲名が「彼女とtip on duo」!

この場合、商品が先に企画されて、そこに合わせて楽曲を作るのでしょうか?コマーシャルのマーケティングに詳しい方がいましたらぜひ教えてください…!

このCMをキッカケに今井美樹さんの楽曲を聴くようになりました♡



このDVDを見ていくと後半は「サクセスフルエイジング」と言った高齢の女性向けへのメッセージが強くなっていくのです。「可愛いおばあちゃんになりたい」と言ったアナウンスが入ったCMもありました。
平成生まれの私があくまで予想するには90年代の女性社会のテーマは「美しく歳を重ねること」

女性性を搾取させないためにも女性だけに美しさを強いる社会に対してアンチテーゼが一時期強まりましたよね。きっと、現代で放送したらものすごく物議を醸すんじゃないかな。

今から書くのはあくまで個人的なモットーなのでサラっと読み流して欲しいのですが、私は女性性も大切にしていきたいです。
そして、歳を重ねても可愛くいたい。だからこそこのDVDにも凄く惹かれます。
美しくいたい姿勢を搾取されたとしても、自分が満足できる美しさを追求できれば良いと思っています。
性別問わず容姿を褒められる事も可愛くいたい私にとっては嬉しいことです。
ですが、年上の男性が年下の女の子に会社で「可愛いね」なんて言ったらセクハラ扱いされてしまいますからね。社会は変わり続けて行きます。

そうして、今は外観至上主義の社会に変わっていき、性別や年齢を問わず美しくいることが人々のテーマになりました。フラットを目指す若者たちが社会を作り上げている現代だからこそインテグレートのCMが物議を醸してしまったのかなと。
イタいところを突いて美意識を鼓舞させてくれる資生堂の尖った姿勢も変わらずにいて欲しいと思いつつもなかなかそれを発信するのは難しい世の中になりましたね。


さて、長くなってしまったので後半に続きます!
本当は一回でまとめるはずだったのですが、資生堂の展示に行った話もありますし….
.何より資生堂のCMには絶対に欠かせない存在である山口小夜子さんの話や、まだまだオシャレなCMがあるので、そちらについて書いていきます!


お読みいただきありがとうございました。


2019.9「美と、美と、美。-資生堂のスタイル-」展にて


2024.4.1

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