「薬草のある暮らしの提案」自然の恵みで身体を労る。 - 教室のリーフレットデザイン
奥久慈と呼ばれる、茨城県久慈郡大子町。漆やりんごの産地でもある自然豊かな場所で「食房MU」という屋号を掲げ、"食"を中心に様々な活動を行われている河原昭子さんという方がいらっしゃいます。
自然栽培で育てた野菜や、畑などに自生している野草、手作りの調味料や地元の食材などを取り入れた自然食のランチ(予約制)の提供、自然派の食品や自ら手作りする加工品の販売などに加えて、不登校の子ども達に遊びや学びの機会を提供し、子ども達がありのままで過ごせる時間を設けたいとの思いから、「おばらこどもの居場所」という活動も行っています。
ご本人曰く、提供するランチは日替わりではなく「気替わり」らしく、その時々の気分で変わるそう。
昭子さんの作るお料理や野菜たち。
ん〜、おいしそう...!
こちらは、こどもの居場所での一コマです。
昭子さんは子ども達が大好きで、自由にのびのびと過ごせる時間を意識しつつ、時には一緒になって遊びながら、子ども達を温かくおおらかに見守ります。こどもの居場所ではいつも、昭子さんの方が子ども達から元気や学びをもらっているそうで、子供たちのことをとても嬉しそうに話してくれます。
こちらは野菜寿司です。
見た目からも、どんな味なんだろうと想像ができないほど斬新で独創的なお寿司です。わたしも戴いたことがあるのですが、本当に美味しくて、「こんな食べ方があるんだ!」なんて驚きや発見があります。昭子さんの料理は美味しいだけじゃなく、食べるのがとても楽しいんです。
そんな昭子さんは、実はわたしの義理の母で、夫のお母さんなのですが、
最近、「いつの間にか日常に溶け込む薬草使い教室」という薬草教室を始めており、既にお客さんが付き始めている中、より一層活動を広めて行きたいと、薬草教室の案内としてリーフレットを作ってほしいと依頼を受けました。(教室の名前は、相談を受けていた夫が以前に決めたものです。)
「デザインのことはよく分からないから、お任せします」と、デザインや構成などに関しては全ておまかせで、何も情報が定まっていないままでのスタート。なかなか大変な作業ではありましたが、一つ一つ丁寧に取り組みました。
制作にあたり、必要な情報を整理する為に、まずはヒアリングから。
なぜ薬草教室をやっているのか、始めるまでの経緯やきっかけ、思い、そもそも薬草とは何か、歴史や一般的な薬などとの違い、魅力など、足りない情報は自分たちでも調べつつ、全体像を捉えて行きます。
ヒアリングを元にコンセプトシートを作成し、「だれに、なにを、どう伝えるか」などを考えながら方向性を決めて行きました。
今回は、、
掲載する情報を整理し、手に取る人の気持ちになって、手に取りやすいサイズ、情報の順序、読みやすく伝わりやすい文章、言葉だけでは伝わりにくい部分を補うイラストなどを考えていきます。
それと同時に、こちらの伝えたいことをしっかり伝えながら、印刷にかかるコストなどの現実面とのバランスも取りながら、実現可能で最適な形を見つけていきます。
また、今回の制作意図に沿ったイメージに仕上げるため、リーフレット全体を通して「かんたん」「ゆるゆる」「親しみやすい」といったようなイメージが感覚的にも伝わるように、細かい部分のデザインにもこだわり、手描きを多く取り入れました。
幾通りも描いて、イメージに近い形に仕上げていきます。
似顔絵も入れたのですが、昭子さんの温かくてやさしい印象が伝わるように、いくつかテイストを変えて模索しました。
そして、微調整を繰り返し、最終的に仕上がったデザインデータがこちらです。
オモテ面では、まずパッと見て何の案内かがわかるよう、タイトル、教室のイメージイラスト、教室の概要説明の3つの要素で構成しました。
ウラ面は、昭子さんの自己紹介、教室の詳細、問い合わせ先を入れ、さらに興味を持った方がより詳しい情報をブログやSNSで見ることができるよう、それぞれのQRコードを入れています。
さて、あとは色と紙を設定して印刷すれば完成です。
今回は「レトロ印刷」さんで印刷をして頂きました。リソグラフ専門の印刷会社さんで、ランダムに起きる細かな版ズレやインクのかすれやムラがあり、1枚ごとに手刷りしたような味わいのある仕上がりになるのが特徴で、味を出したいデザインの場合は、よく利用させて頂いています。
色は、表2色(茶と黄緑)、裏1色(緑)に。
紙は、一番ベタな「わら紙」というものを使用しました。
薄くて少し裏が透けるのですが、「学校のプリント」等でよく使われているあの紙のような感じで、今回の「ゆるゆる」「親しみやすい」というイメージに合わせて選びました。
実際に上がってきたリーフレットがこちらです。
サイズは、A4の半分のA5サイズ。
置き場所が狭い場合は、さらに半分に折って使ってもOKです。
「懐かしさ」がありながらも、古くさく感じない印象に仕上げることで、「温故知新」のようなメッセージをわたしなりに込めさせて頂きました。
薬草は、古くから薬の代わりとして利用されてきた先人達の知恵です。“古き良き”から離れつつある現代の私たちにとっては、新たに役立つものとして。薬草は、今とこれからを生きる多くの人に利用されて行く“価値のあるもの”だとわたしは感じています。
そんな薬草の魅力を、どうかたくさんの方に知って頂けますように。
茨城県近郊で、リーフレットを配布して頂ける方、お店に置いてもいいよという方がいらっしゃいましたら、お声かけ頂けますと幸いです。
また、薬草にご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、お近くであれば食房MUで、お近くでなくとも出張教室も行っていますので、ぜひお問い合わせ・ご参加ください。
今後とも、食房MU及び「いつの間にか日常に溶け込む薬草使い教室」をどうぞよろしくお願い致します。
筆: 河原 理絵
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