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コミュニティで熱狂を生むための感情設計について考える【連載第3回】

みなさんこんにちは、【オンラインサロン『コルクラボ』に所属して1年経ったので色々振り返ってみた】第3回です。

コミュニティ運営をしている人の話を聞くと「なかなか盛り上がらない」「メンバーが自発的に動いてくれない」といった悩みをもっている人が多いような気がします。

コルクラボはコミュニティプロデュースを学ぶためのコミュニティということでこれらのテーマについても度々ディスカッションをしてきました。

熱狂や行動についての、議論が盛り上がったのは『安心社会から信頼社会へ』の課題図書のクラス会だったと思う。内容は社会的不確実性が高まる世の中で信頼が大事になってくるよね。そして信頼があると社会全体の生産性がUPする。逆に信頼がないとベースの安全・安心から確保しなければならず、コストが余分にかかってしまうものだよねという話です。信頼と安全安心の関係が整理されていきました。

確かに、人に信頼があれば電車の自動改札機なんていらないだろうし、信頼のない世の中だと他人が怖いので安全・安心を確保するために自動改札機を置いたりとコストが余分にかかってしまうよね。これは目からウロコでした。

共通言語化した「安全安心」という考え方

え、熱狂の話をしていたのに、なぜ信頼??と思われるかもしれないけれど、もう少しだけお付き合いください。

コルクラボでは人がものごとに対してアクションしやすい状態を「熱狂状態」と定義して、熱狂がさらに高まると「拡大」に向くと置いています。そしてベースに「安全安心の確保」を加えた下のモデルが共通言語になっているわけなんです。

ここで熱狂と安全安心、信頼がリンクします。信頼を必要とする世の中の動きにおいて、ますは安全・安心の確保をベースにする。これはコミュニティという小さな世界の中でも同じだね。まずは安全安心を確保しよう。という理解です。

コルクラボの教え★コミュニティ形成で一番はじめに注力すべきは、安全・安心の確保。熱狂は安全・安心の結果であって原因ではない。安全・安心を構築しないままプロジェクトを進めると、スピードは速いかもしれないけど、NET社会では足元をすくわれたり、トラブルが起こることがある。

盛り上げようと思ったらまずはメンバーの心理的な安全と安心を確保することから始めようという感じです。

では安全とは何かというと「誰も人格否定しない状態」「評価がくだされない状態」安心とは「自分にとって動ける場所や居場所があることをイメージできる状態」にすることと置いた。その際に、温度差には言及しないのもポイント。こんなやりとりがあって頭の中も結構すっきりしてきたのかもしれません。

それでも安心安全って難しいよねって、メンバーとはよく話します。みんな安全を感じられなかったという経験を人生のどこかで持っていたりするものなんですね。そういえば、マズローの欲求5段階説にも安全の欲求ってあるけど、今の時代は生命的安全も身体的安全も守られている一方で心理的安全が脅かされるということが起っているからかもしれない。

■熱狂のメカニズムは議論を経てアップデートした

また熱狂についてはこんなアップデートのエピソードもあった。以前はファンの熱狂というのはピラミッドのような形(下の右の図)でとらえていて、下段の人たちを経験や好意的な接触頻度を増やすことによって上段へと進化させていくことが大事なのでは、なんて話をしていたんだけど、それからしばらくして下段?上段?ってのはヒエラルキーを想起させるからよくないよねってなった。コミュニティはメンバー同士がフラットな関係だからこそ、楽しいし、居心地がいいはずだよねって。

その結果、熱狂の図は同心円の図に変化しました。考え方も変わって、中心にいる人がより熱く熱狂するとそれが周りの人に伝わって熱くする。こっちのほうがしっくりくるよねという話になり、今では僕も左の図を意識するようになりました。

コルクラボの教え★熱狂とは中心人物が熱くなることによって周りに伝播するものである

では安全の確保をするためにどうすればということで、前回のレポートに戻るけどアイスブレイクをしたり、懇親会を設計したりということになる。そしてもう一つの試みはなんとタメ語。

■タメ語推進委員会がメンバー間のタメ語を推進

安全の確保と、メンバー同士の距離を近づけるためにはタメ語にするといいんじゃないかという意見が出て、ある日「タメ語推進委員会」が設置されたのを覚えている。

タメ語はOKな人から名札にシールを張る仕組みになっていて、慣れた人から取り入れていった。すると意外に早くなじんで今では佐渡島さんのことも『サディ』と呼ぶようになったし、なんか距離近くなった。

何人かのメンバーはみんなで一気にインフルエンザになったりして、そうかこんなに距離が縮まったのかと僕も布団でガタガタ震えながらそんなことを考えていました。

コルクラボは今では中学生と50代の社長がタメ語で話すという、とても不思議な光景が見られるコミュニティになりました。それをいいねと思えるのは安全と安心が確保されてきたからなのかなと思います。

(…まだまだ続きます。)

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いつもnoteを読んで下さりありがとうございます。

今回は数回の連載?になる予定です。

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なお、僕のツイッターは @kawahao です。

日々のコミュニティプロデュースの学びを発信しています^^

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