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「+●●」で成功率アップ!リモートで出版社営業に挑戦ー子育てフリーランス6話ー

フリーランスイラストレーター歴12年のカワグチマサミが、妊娠・出産・育児と夫の関係に向き合い、試行錯誤しながら「いい感じ」の働き方にたどり着くまでの赤裸々エッセイ。著書「子育てしながらフリーランス」の原作。火・金更新!

前回のお話。

フリーランスセミナーに参加して失敗し、自分がどんなフリーランスになりたいか見つめ直すことができました。異業種交流会ではプレゼンに惨敗し、クライアントの立場になって営業ツールを作り直しました。

そして次は…

私には、出版社に営業をしたい理由が二つありました。

一つ目は、純粋に本が好きということ。
形に残る本にイラストを描いてみたいという思いがありました。

そして二つ目は…

という企みがありました。

私は、どんな時もケチでした。

それに、営業するなら出来るだけ効率よくいきたいものです。
あいた時間でゴロゴロしたいです。

なので、営業先は、個人のお店ではなく、今後の活動で実績としてしっかり紹介できる出版社にしようと思いました。

だけど、どこの出版社に、どんなふうに売り込んでいいのか、わかりませんでした。

あみだくじでもして適当に決めようと思ったその時…

空から、初めてのセミナーで無駄遣いしてお別れした5000円札(3話登場)が降ってきた

ような気がしました。

営業は、他のイラストレーターの人たちもやってるはず…。そのたくさんいるイラストレーターの中から、編集部の人たちに自分を選んでもらうには、

私はこういうことができる(得意な)イラストレーターです」と、
わかりやすくアピールすることが必要。

………………………………………………。

………………………………………………。

ということで、闇雲に「営業」をする前に改めて自分自身についてもっとよく知ろうと思いました。

こういうの面倒くさいけど、ここをスルーすると後で迷子になってしまいます。
過去作でもわかりますように…。

それに、
自分自身を知ること=アピールできることを知ること」です。

そこで私は、自分が「やりたいこと」「好きなこと」「得意なこと」から、
売り込み先を見つけました。

ステップはこんな感じです。


自分自身を知って売り込み先を見つけるワーク



ステップ① 自分自身を分析する!

「自分のやりたいこと」、「好きなこと」、「得意なこと」を思いつく限り書き出してみる!
書き出すことで、自分の考えや気持ちを、客観的に見ることができます。


ステップ② 売り込み先のジャンルを見つける!

ステップ①で出した答えから、売り込み先のジャンルを導く!


他にも

  • ナチュラルタッチも描ける→ナチュラル系の書籍、雑誌

  • ノベルゲームが好き→ゲーム雑誌

  • 歴史が好き→歴史本、教科書

  • 寝ることが好き→健康、美容系の書籍、雑誌

  • グラフィックデザインができる→イラストとデザインを一緒に提案できる

  • ブログで絵日記を書くこと→エッセイコラムを提案

などなど。

ステップ③ 売り込み先の企業を探す!

ステップ②で絞ったジャンルの出版社を具体的な売り込み先を見つける!

  • 電子書籍アプリで見つける

  • インターネットでホームページなどを調べる

  • SNSから見つける

  • 自分が活動したいジャンルで、すでに活動しているイラストレーターがどこの出版社と仕事をしているかリサーチする

  • イラストレーター登録サイトや紹介本から見つける


書き出す前は、どこに売り込んでいいのかサッパリわからなかったけど
こうやって文字に起こしていくと、自分の中で情報が整理されました。

また、文字にすることで意外な強みに気づくことができました。

そして、実際に、売り込み先のリストを作ってみると、 ある事実に気が付きました。

売り込む予定の出版社を全部回るとなると、交通費、宿泊費、ご飯代もかかり、1泊2日じゃ足りません。

主婦なので、長く家を留守にすることも難しい。

すでに「ズボラ主婦」という肩書きを背負っているのに…
さらに「不良主婦」と思われてしまうかもしれません。

外出しにくい!お金がかけられない!
「主婦の壁」にぶつかりました。


そこで私は、地方でも手軽に営業できる方法を試してみることにしました。

思いついたことでお金がかからないことは即行動!

早速試しに一社、営業メールを送ってみました。






ー二日後ー








作品は、自分が生み出したもの。分身みたいなものなので、無視されると傷つきます。

傷ついて被害妄想が止まらない私は、ある行動に出ました。



思いついたことでお金がかからないことは即行動がモットーです!

・・・・・・・・・・・・・・・

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・・・・・・・・・・・・・・・

きっと、私の他にもたくさんメール営業している人たちがいるのでしょう。毎日、毎日、知らない人たちから…。

私でも、全て開かないかもしれません。

それに、電話先の編集さんはとても忙しそうでした。



それから私は、
メール営業をするときに事前に「電話」をかけることにしました。

実際に、カワグチが電話+郵送orメールをした時のやりとりになります。



アポが取りやすい!「電話+」戦法!

①挨拶・担当に変わってもらう

カワグチ:初めまして。イラストレーターのカワグチマサミです。御社の●●という雑誌で、
イラストを描かせて頂いたいと思いご連絡いたしました。
担当の方はいらっしゃいますでしょうか?

受付●:はい、少々お待ちください。担当の者に変わります。

②担当に挨拶・ポートフォリオを送っていいか確認

カワグチ:初めまして。イラストレーターのカワグチマサミです。
御社の●●雑誌を読んで、ぜひ、イラストを書かせていただきたいと思いご連絡いたしました。
一度、ポートフォリオをご覧いただいてもよろしいでしょうか?

編集▲:いいですよ。

③ポートフォリオの送付方法を確認(郵送かメール)

カワグチ:ありがとうございます!では、ポートフォリオをお送りしたいと思うのですが、
メールと郵送、どちらがよろしいでしょうか?

編集▲:では、メールでお願いします。

カワグチ:ありがとうございます!

④郵送方法、宛先に間違いがないか確認(特にメールの場合)

カワグチ:では▲さんのメールアドレスとお名前を漢字で教えていただいてもよろしいでしょうか?

編集▲:はい。000@000000000です。

カワグチ:確認させていただきます。000@000000000ですね。すぐに送らせていただきます。

⑤挨拶

カワグチ:お忙しい中、ありがとうございました。
よろしくお願いいたします。

編集▲:はい、こちらこそよろしくお願いいたします。



メール営業例文(タイトル)

○○様

お世話になっております。
先ほどお電話をお掛けしましたイラストレーターの○○です。
お忙しい中、ポートフォリオをご覧いただけるとのこと嬉しく思います。

御社の雑誌、〜を拝見いたしました。主婦向けの家事の特集に共感いたしました。
私自身も主婦で、家事の時短に興味があり、ぜひ、イラストを描かせていただきたいと思いました。(企業への特別な想い)

こちらがポートフォリオになります。
コミカルなタッチが得意です。
○○社で○○のイラスト、○○などの実績がございます。
下記、ドロップボックスのリンクからダウンロードできます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イラストが必要なときは、お気軽にお声をおかけくださいませ。
連絡先はこちらのメールアドレス、または携帯電話000-0000-0000までお掛けくださいませ。

よろしくお願いいたします。



ポートフォリオは、その企業に合わせて、カスタマイズしました。
リンクポートフォリオの作り方は4話

メールで送るポートフォリオは、ドロップボックスのフォルダにデータをアップしてリンクを記載しました。WEBでは公開できない作品(ポートフォリオ掲載は承諾済み)も、この方法なら送ることができます。

郵送で送る場合は、手に取った時にポートフォリオとわかるように、
封筒に、「ポートフォリオ」と言う記載と、イラストを印刷して、目立つようにしました。

私はこの「+電話」営業で、出版社に数十件、営業をしました。

ほとんどの出版社が丁寧に対応してくれました。

しかし、何十件も営業してると、たまに感じが悪い人もいます。

そんなときは、ポートフォリオを送りませんでした。


営業する前に電話をすることで、事前に売り込み先の雰囲気を知ることができるのは
売り込む方にもメリットがあります。

また一方で、とても親切に対応してくれる人もいました。

それを聞いて、出版の仕事を依頼されるのは、長期戦になると覚悟しました。そこで、出版社の売り込みを優先的にしながら、他にも、編集プロダクションや、広告会社などにも視野を広げて営業をしました。

また、企業によっては外部スタッフを募集しているところもあります。
社内とは別の外部スタッフ(イラストレーター、デザイナー、ライター)などを必要としている企業もあるので、ホームページを要チェックです!

「外部スタッフ募集」は、新規で営業をかけるより、作品を見てもらえる可能性が高いので、 片っ端から応募しました。

そして、地道な営業活動をコツコツ続けて数週間がすぎた頃…



ある雑誌と目が合いました。


それは、本当は私が一番仕事をしたい雑誌でした。

しかし、私はまだその編集部に営業ができていませんでした。


なぜなら……






でも、電話営業も慣れてきた頃だし
そろそろ、やらなければ……


うーん。

うーーーん。

うううううううう。。。。。

・・・・・・・・・・・・・・・・・。



やっぱり、やめよう。


この時、私は、初めて対面で営業をしようと決めました。

つづく


こんにちは〜!今のカワグチだよ〜!

「営業しても結果が出ない…
どうすればいいですか?」

という質問が、すごく多いです!

…わかる!

私もそうだった!

ということで、今回はカワグチのメール営業のやり方を書きました〜!

普通にメールで作品を送ってもほとんどスルーだった〜!

結果がイマイチなときは、自分のやってることに何かが足りないことなんですね。

それをどう補うか?です。

私の場合は、「相手の立場から考えてみる」が足りなかったなと思います。

そこで、クライアントの立場を考えてみました。
考えるだけでなく、知り合いに営業先と似ている職種の人がいたらリサーチするのもいいと思います。

すると…

どんな仕事をしてるのか?
どんなライフスタイルなのか?
どんな想いで仕事に取り組んでるのか?

などが、見えてきます。

営業方法の中には、数を打てば当たる方法もありますが、私は狙い撃ち作戦を選びました。

それこそ、相手の立場になった時、
数打てば当たる作戦で来られるより、興味を持ってきてくれる方が嬉しいですよね。

そして、メール(郵送)営業をするときは、
事前に「+電話」の二段階営業を思いつきました。

すると、実際に返信率が上がりました。

事前に電話で挨拶したり、どの方法で作品を送るのか要望を聞くことで、信頼をもってもらえます。

クライアント側からしたら、新しい人に依頼する時、「この人はちゃんと仕事してくれるのかな?」 という不安があります。

フリーランスって、私たちが思ってる以上に得体が知れない者です。

私は怪しくないよ★
私はやる気があるよ★

って伝えるのが大切です!

大切なのは、「相手の立場になってみる」です。

これは営業以外でも、フリーランスとして仕事をする上でも、家庭崩壊しないためにも大切です! (崩壊しかけた)

あとは、それを「継続」すること。

どんないいアイデアでも、すぐに結果がでることは珍しいです。

継続しながら、思いついたことを試していく。
他にいいアイデアが湧いてでてきたら、ぜひ試してください。

そうやって、自分に合った営業方法を見つけてみてください〜!

「実践してみたよー」「こんな方法思いついたよー」今回の記事の感想でも、もらえると嬉しいです!

次回は、対面営業についてぶっちゃけますよ〜!

では、またね〜!

つづく

カワグチマサミ(@kawaguchi_game



トークイベント【仕事と家庭を大事にするための失敗談】
2022年3月1日(火)18:30 ~ 20:00
参加費無料、アーカイブあり、会場書籍販売あり
会場(KOIN 京都経済センター3階)orオンライン


子育てしながらフリーランスで「いい感じ」で働くための赤裸々エッセイ+仕事に繋げるためのハウツー本「子育てしながらフリーランス」出版。

子どもと親の自己肯定感を高める、「子育て言い換え事典」(KADOKAWA)出版。






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