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あたしの身体がほっともっと弁当で構築されつつある今日この頃【食べログに遺された生の記録・マガジン】

仕事場での昼メシはいつだってお弁当を食べたい派のこんなあたしはおいしいお弁当を求めてあちらこちらをさ迷った結果、あたしにぴったりのお弁当は『ほっともっと』であるということを知るに至る。

しかしながら、これまで出向いていった仕事場の近くには『ほっともっと』はなかったのです。お弁当自体はは商店街やスーパー、あるいはコンビニなどへ行けばひょいと買えるのです。

あたしに合うお弁当にはついぞ出逢えなかったその恨みがこころの奥に深く沈溺していたものか、ご飯はべちゃべちゃ、味も素っ気もないお菜に油ぎとぎとのフライ、賞味期限ぎれのような様子のとんかつなどあたしに合わないお弁当を食するものなら、食べ物は粗末にしてはいけないという浄土に旅立ったばあちゃんからの教えをこれまで固く固く守ってきた根っからのもったいない精神の持ち主のあたしは紅しょうがのひと欠片まで残すことなくきれいに完食しなければならないという強迫観念も手伝って、一口食べるごとに憤怒の形相で掻き込むのであった。

喰い物の怨みは恐ろしいとはいうものの、あたしなぞは腹が出る程喰っておきながらあたしの口に合わない弁当というだけで罪もないお弁当に怨みを持ってしまう病的な精神も持ち合わせているだけに、こと食べ物に関しては食べログなどにみる主観的な衆人の好みにとは全く違った感性を持ち合わせているために、口コミや人の噂、あるいはマスメディアによる心理操作などに惑わされることなく、自分の舌と身体にマッチするものを慎重に選ばなければ、本来食べることが幸福感をもたらすようになっているはずのこの我が身が、食べるたびにストレスを募らし血圧をあげていたのでは、この世に人として生まれてきた意味がないじゃないかとふと光明の悟りを得たものです。

日毎の糧はおいしくいただけるよう、食べるものを自身がチョイスしていかなければならないのだそれが食べ物をいただく側の最低限のマナーであるということに気づくまでに人生の大半を費やしてしまったこの自分をまた恨みたくもなってくるけれど、そんな暗い話はここまでとして。ついにあたしにも遅い春が来たというか、つくづくとその幸福感を噛みしめずにはいられない福音が舞い込んできたのです。

現在の仕事場の近くに『ほっともっと』がある、ってことについ最近気づいたのです。

それまでは『オリジン弁当』を発見して小躍りしていたのが、どうしてもあたしの身体にはオリジンさんが馴染めないことがわかってきて、オリジンさんとも別れるときが来た、今度は『なか卯』でどんぶりもののテイクアウトなどしようと思っていた矢先、天啓があってグーグルマップで周辺の弁当屋を調べたところ歩いて4、5分のところに『ほっともっと』があったのです。本当に運が向いてきたなと思いました。

いまや国民食である、のり弁当は同類他社のそれと比べるとのり弁にかける真心は半端じゃないことがあたしにはわかります。
『ほっともっと』での記念すべきお弁当第一弾は迷わず
◆のり弁 2012年06月06日(水) ★★★★☆
に決まりました。細かいことを云うようで恐縮ですが、のり弁にはソースより醤油の小袋を添付するべきです。まあ、このところはお好みですから大衆がソースを求めているのだろうから、あたしも迎合してフライとちくわにソースをかけて食べましたが。

翌日は
◆幕の内弁当(竹)2012年06月07日(木) ★★★★☆
これまたレベルが高い。コンビニあるいは惣菜屋さん同類他社の幕の内弁当にはいずれも落胆していたのだが、『ほっともっと』の幕の内は別格です。大切なお客様へのおもてなしにも遜色ない様子と風味です。惜しむらくは、ご飯があったかいのに、お菜が冷たい。お菜まであったかかったら、『ほっともっと』はすごいと思う。
お弁当づくりの現場からしたら、「いちいちうるせーんだよ」とお叱りを受けそうなので、あたしの意見はここで封印しておきます。

まずいまずいとお経のように唱えたり非難したところでまずいものがうまくなるはずがないから、まずいものには沈黙するしかない。けれど、レベルの高い料理には注文(文句)をつけたくなるのが人情というものではないだろうか。
と、小言の言い訳を。


各種お弁当実食の記録

◆2012/06/08(金)  ロースかつ丼 ★★★★☆

しっかりと豚肉の風味がある本格的なかつ丼です。満足。

◆2012年06月11日(月) ビーフカレー ★★★★☆

コクと旨みがある、あたしの好みに近いカレー。

◆2012年06月12日(火) 焼肉コンビ弁当 ★★★☆☆

牛焼肉、コロッケ、塩から揚げ、キャベツが乗ったもの。
総合的に味付けはよい。ただ、お肉が固かったのが残念。
塩から揚げの風味もこの1個でわかったのでよかった。
塩から揚げ弁当と焼肉弁当は今後のチョイスから外すことに決定。

◆2012年06月13日(水) しょうが焼きコンビ弁当 ★★★★☆

豚しょうが焼きとチキンタルタルが乗ったもの。
牛焼肉と比べて豚のほうがお肉がやわらかくて、ぐぅ~。味付けも濃い目でご飯がすすむ。チキンタルタル甘しょっぱいタレとタルタルの絶妙な風味がよい。これならご飯大盛でばくばくいけそう。
※注記;個人的に「がっつり」という表現は好まない。飯はがっつり喰うもんではなくばくばく喰うもんだ。

◆2012/06/14(木) チャーハン弁当 ★☆☆☆☆ (ーー;)

連日ほっともっとの弁当を喰っている。気まぐれで飽きっぽいあたしが、毎日毎日足を運んでいるんだからエライ。
と自分を誉めておいて、そんな気まぐれな奴を惹き付けてやまないほっともっとはもっとエライ!
と持ち上げる。
がしかし。
本日のこのチャーハン弁当は実に無念だった。
炒飯にはちょっとこだわりがあるあたしは(あたしをうまい!と唸らせる炒飯は滅多にないという信念を持つ)
正直ほっともっとの炒飯には期待していなかった。そこいらの中華屋さんがつくるおざなりな炒飯よりは多少うまいだろうけど……
というちょっと投げやりな気持ちでこれを求める。
メニューにはない数量限定に好奇の心をゆすぶられ、ほっともっとのメニューをほぼ制覇する目標と相俟って心持ちはノリきれていないけれど目的のためには事務的に390円を払ってこれを求めた。
さて、ふたをあけた瞬間、立ちのぼるにおいからしてこれは残り物のご飯を使っているナとすぐわかった。
ははーん、だからメニューに乗っていないし数量限定なのだなと悟ったとたん、急に食欲が失せていくのがわかった。
牛肉コロッケと唐揚げが彩りを添えてはいるが、肝心の炒飯はそこだけ色あせたような貧相さ、なにかが足りないと思ったら、チャーシューのようなものだ全く見当たらないのだ。卵とネギと塩コショウでちゃっちゃと炒めたメシという感じ。
風味はもう余りものでやっつけましたという様で幽体離脱しながら生命維持のためだけに胃の府に押し込んだような中食になってしまった。
愛するほっともっとさんが悪いのではなく、なぜ炒飯弁当がメニューになく数量限定なのかを推理できなかった、ひとえにこのあたしの自己責任なのです。ああ、またあたしの信念が頑なになってきたようです。旨い炒飯を求める旅はこれからも続く……

◆2012年06月15日(金) 焼肉ビビンバ弁当 ★★★★☆

本日新発売のビビンバ弁当を食べてみました。
焼肉ビビンバと、野菜ビビンバの二種あるのですが、本日は焼肉ビビンバから攻めてみました。
お昼時に予約せず直接お店に行ったので待たされるかな?と思いきや、ホットコーナーにつくりおきのものがあったので、すぐにテイクアウトできました。半熟卵付きになっていたので、「半熟卵なしで」と申し出ようと思ったのですが言う勇気がなくて半熟卵つきのものを持ち帰りました。
さて、あたしは炒飯についでビビンバッ!にはちょっとこだわりがあって、その件について語りだすとキリがないので、結論から先に言うと、ビビンバッ!なるものぐっちゃぐっちゃにかき混ぜねばならないという主義があって、タレをかけてちょっとだけ捏ねて三色丼のような食べ方をするのは愚の骨頂である。
ビビンバッ!真髄は幼児にやらせたら喜ぶ顔が目に浮かぶようなこねこね遊び、それをビビンバッ!にも適用しなければならないのある。
とにかく一心不乱にご飯と具を捏ね回しました。
タレがとても良い味を出しています。牛肉も美味しい。
ただ、ちょっとタレの量が多いかな?と思ったものの、半熟卵でブレンドするとこれがまたいい塩梅になって二度美味しい。
半熟卵がないときは、ご飯を多めにしてもらうか、タレを少なめにかけたほうが具材の風味が引き立つでしょう。
でもやはり、ビビンバッ!は、韓国だけにソウルなパワーをかもし出す料理であるから、おしとやかに喰うもんではなく、鼻息を荒くしてばくばくと喰うのが似合う。ご飯大盛に半熟卵なら、大いにソウルフルな食事になると思う。

◆2012年06月18日(月) ビーフハンバーグ弁当 ★★★★☆

数多のハンバーグ弁当を食べてきたあたしは今までこんなハイレベルなハンバーグ弁当を知らない。
同類他店(スーパー含む)のそれは見た目がよさそうなで、大いに期待して食してみるものの常に後悔の念に苛まれてきたものである。
しかしほっともっとのハンバーグは違った。ソースも絶妙な風味であたしの口にベストマッチ。サンキューベリー。マッチで~す。
一口であたしが求めていたものだとわかった。終始にやけた顔で恍惚の表情で弁当を食べるあたしをみたら戦慄するのではないかと想像できるほど、あたしは歓喜に打ち震えていたのである。
自然に感謝の念が湧き上がってきて、心のなかではおいしいおいしいという声にならない声とありがたいありがたい思いがぐっとこみあげてきました。

◆2012年06月21日(木) おろしチキン竜田弁当 ★★★☆☆

残念

◆2012年06月22日(金) チキン南蛮弁当 ★★☆☆☆ (ーー;)

無念

◆2012年06月25日(月) 特のりタル弁 ★★★★☆

いいねん

◆2012年06月28日(木) しゃけ弁当 ★★★★☆

ホンモノのシャケはやっぱりうまい。
幕の内弁当の「竹」490円と「梅」430円の値段から推測すると(竹は梅のおかず体系にシャケ半切れ添付されたもの)、
シャケ一切れは120円の売価計算になっているようだ。売価120円、しかも焼いてもらっての値段は妥当である。これがシャケのまがいものならもっと安いだろうけれど、ほっともっとさんはホンモノのシャケを使用しているのだ。
シャケ弁当(390円)は、のり弁当(320円)から、ノリとおかか、きんぴらとたくあんを取り除いたものに、シャケを添え、高菜とおかか昆布をトッピンぐしたものである。簡単にいえば、のり弁からノリをとっぱらったものに、シャケをプラスしたものを考えればよい。
その差額は70円だからそう考えるしゃけ弁当はお買い得である。ホンモノのシャケを堪能できる喜びと相俟って、またほっともっとさんへの尊敬の念を深めたのであった。
しゃけのようでシャケでない魚を鮭(シャケ・さけ)と称して料理を提供しておる外食産業屋さんがあるけれど、それはマアこれといって騒ぎたてるようなものではないし、ホンモノのししゃもを人生で一度も喰った事のないこんなあたしは、ニセモノのししゃもをししゃもと生涯疑うことなくありがたがってサケのつまみにしているようでは人として生まれて来た甲斐がないなあとつくづくこのシャケ弁当を喰って考えさせられてしまいました。

◆2012年06月29日(金) 特から揚げ弁当 ★★★★☆

『ほっともっと』では定番の人気商品、から揚げ弁当。から揚げ5個入りであたまにがつく。
通常のから揚げ弁当(4個入り)は430円なので、1個50円計算になる。おかずのみで380円というから、通常ご飯130円だから、ご飯つきのほうがお得かもしれない。
しかし。
ばらばらにして考えてみると、ちょっとおかしなことがあぶりだされる。
から揚げ5個のみ250円、ご飯のみ130円、計380円。
特から揚げ弁当480円から、ご飯とから揚げの価格380円を引くと100円。ということは、添え物のキャベツ、ドレッシング、スパゲティが100円になる。これはどう考えても100円の価格に合わない。
う~m 『ほっともっと』さんの原価に対する考え方はどうなっているのだろうかと、から揚を賞味するよりそっちのほうに意識が向いてしまって、気づいたらお弁当をぺろりと平らげてしまっていた。
身体のほうから声ならぬ声でウマイウマイとフィードバックされてきたので、やはりさすがの人気商品だ。ところで、から揚げが10個入ったチキンバスケットは650円。1個あたり65円になる。そうか、から揚げ弁当はCPが高いんだ。
ありがたいなぁ、から揚げ弁当。

◆2012年07月23日(月) てりやきハンバーグ弁当 ★★☆☆☆

鳴り物入りで登場した新商品。CMでは二人の少女がデミとてりのハンバーグをひと口づつ食べさしてあげているの図が旅芸人の芝居のようで見入ってしまった。そんなCMに完全に影響されて、まずはてりやきハンバーグなるものを食してみたわけだが……
過日450円のビーフハンバーグを絶賛したものの、420円のこのハンバーグは30円のプライスダウンに見合うものではなかった。
うう~m、残念としかいいようがない。
てりやきのソースはしょっからく、本体もまたプライスダウンに比例してレベルダウン。
(プライスダウンしたものに中身レベルアップを望むのは野暮だが)
せめて味の据え置きはしてほしかったと願うのは、ほっともっとさんの深い対消費者戦略を知らないあたしの的外れなぼやきなのだろうか。
ふと気づけは、7月のメニューから450円のビーフハンバーグ弁当が消えていた。

◆2012年08月02日(木) 新デラックス弁当 ★★★☆☆

主なおかず→ゆで卵、ウィンナー、メンチカツ、から揚げ、エビフライ、ポテトサラダ、牛焼肉。
いろいろな種類のおかずが楽しめてよい。
牛焼肉はつくりおきで油が固まっていたのが残念。
エビフライのエビはそれなりに身がつまってプリプリしている。

以上

ほっともっと@中葛西4丁目店




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