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【初出版『最強の法則』100plus】 vol.116:宣伝は戦略と人脈を駆使する仕事

「10万部突破!」「Amazon1位!」
そんな派手な文句が躍る新聞広告や電車内広告。
あなたの書籍でも
できれば、やりたいですよね。

そんなときにパートナーとなってくれるのが、
出版社の宣伝部(宣伝広報部)のメンバーです。

文字通り、その会社の出版物の宣伝を一手に担う部署です。
予算が限られるなか、知恵と人脈を駆使して、宣伝してくれる頼りがいのある存在です。
著者のあなたが接するのは、
サイン会やメディア取材の際ぐらいかもしれません。

ベストセラーが出ると、つい担当編集や販売担当者にスポットが当たりますが、
もっと宣伝担当の重要性にも光を当てるべきなんじゃないか、と個人的には思います。

書籍の宣伝の実態については、以前少し触れました。
おさらいしておくと、
全国紙などに毎月レギュラーの広告枠を持っている出版社もありますが、
基本的には「売れている本をさらに売るための宣伝」が主流です。

つまり、
・売れた実績のある著者の本を宣伝する
・ヒットしてきた本を宣伝する

この2パターンが圧倒的に多いです。
ただ単に宣伝広告を出せば売れるという時代は、とっくに終わりました。

メディアも使い分けないといけません。
全国紙でも日本経済新聞と読売新聞とでは、メインの読者層が違います。
どの書籍をどの媒体でコスパよく宣伝するか、宣伝部の戦略が必要なのです。

取材を受けたり、パブリシティ記事をメディアに掲載する際も、
出版社から有料のパブとして売り込む場合と、メディア側から要望がある場合とがあります。
当然、狙うのは後者なわけですが、
その場合に宣伝部員の経験と人脈が試される場合があります。

ベテランの宣伝部員の紹介で、長いお付き合いのあるメディアに、
無料で大きな紙面で掲載されたなんてことは、何度も経験しました。

時期も見る必要があります。
ビジネス書の新聞広告の掲載は、平日がいいのか、土日がいいのか。
月の前半がいいのか、給料日後がいいのか。
議論が分かれるところです。

たまに、親しいメディアから格安で広告枠のオファーがあったり、
無料でいいから広告を載せてほしいなどという要請が来ることもあります。
そういう意味では外交能力が試される部署でもあるでしょう。

出版社が公式に行う宣伝活動に関して、
著者の方ができることはそれほどありませんが、
出るメディアや広告媒体の特性を理解して、
なんでも協力することが必要でしょうね。

次回は、宣伝とレビューやSNSでの拡散の相関関係を見ていきます。
ではでは!

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