見出し画像

【初出版『最強の法則』100】 vol.71:売れているものしか宣伝しない

前回までは、ネタや記事としてメディアに取り上げられるケースを見てきました。
今回からは、有料の宣伝広告の運用のされ方を見ていきましょう。

書籍の宣伝広告も、あらゆる宣伝手段が可能です。
新聞広告、電車内広告、SNS広告、Amazon広告、テレビCM、街頭ビジョン…。
ただし、最近の傾向ははっきりしています。
「売れている作品だけを宣伝する」のです。

たとえば、書籍の宣伝でもっとも使われている新聞広告。
図書館に行って、新聞1週間分をサラッと見てください。
発売予告や新刊発売のみの宣伝広告は、ほとんどありません。
あるとしたら、東野圭吾クラスの一部の売れっ子作家の新刊広告くらいでしょう。

新聞広告として掲載されているのは「すでに売れている」作品がほとんどなのです。

「10万部突破!」
「発売即重版」
「Amazon○○部門1位」
「○○書店○○部門ランキング1位」
「○○大賞受賞作」

など、キャッチコピーも何らかの“実績”が必ず謳われているはずです。
電車内のドア横の広告もよく見ると思いますが、同じような傾向です。

つまり、いまの宣伝広告は大きく3種類の用途に分かれていると言えます。
「売れている作品をさらに売り伸ばすため」
「売れた実績のある著者の作品を売るため」

あるいは、
「著者と作品の格を上げるため」
です。

なぜ、そうなるのか。
どんな商品もそうですが、
宣伝すれば即売れる、という牧歌的な時代は終わってしまいました。
宣伝広告は、非常にコスパが見えにくいものです。
各出版社は宣伝予算を削っていく傾向にあります。
予算が限られているので、売れている作品に「選択と集中」をせざるを得ないのです。

たとえば、全国紙の宣伝広告ともなれば、朝刊掲載で100万円単位の費用がかかります。
仮に掲載費100万円とすると、1500円の本を何冊売れば元が取れるのか。
出版社は販売価格ではなく卸値で計算するわけですが、
ごくごく単純計算では1000冊でトントン。
できれば2000冊は売れてほしいところです。
最低でも、広告掲載前日と掲載日とでは売れ行きが桁が違う――くらいの効果は欲しい。

しかし、POSデータをいくら見比べても、確かに数字は上がっているが、顕著な効果が出ているとはとても言えないことが多いのです。
それだけの価値しかない書籍だったのでは…と言われたら、それでおしまいですけどね。


宣伝広告は読者の方向けのみならず、
書店さんや業界関係者へのアピールの場でもあります。

一概に「効果がないから宣伝広告はやらない」とは言えないのが苦しいところです。

もちろん、効果的に宣伝広告を使っているケースも数多くあります。
次回、見ていきましょう。
ではでは!

★「初出版『最強の法則』100」70回突破記念!出版相談を無料で!★

勝手に始めたSNS連載「初出版『最強の法則』100」も70回を超えました。
これを記念しまして、
先着7名様に、出版に関する相談を無料で実施させていただきます。
「出版したいけど、何から手をつけていいのか、わからない」
「採用される企画の作り方は?」
など、素朴な疑問からディープなお話まで何でも承ります。

下記リットリンク、メッセンジャー、各SNSのDMなどに
「相談希望」と書いて送ってください。
折り返しご連絡いたします。
https://lit.link/kawadaosamu

書籍を出版したい方を支援するグループを立ち上げました。 上から目線で出版に向けての指導やプロデュースをするという形ではなく、 著者が出版して目標を達成するまで、共に歩んでいく――そのような関係性を「出版パートナー」と呼び、私たちの理想形としています。 よろしくお願いいたします。