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8月3日 読書会報告

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

2024年8月3日の午後に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!

第1回 課題本系企画【偏愛読書会】として、「森見登美彦」作品で読書会を行いました。

告知ページ等で使用したアイキャッチ

当日は新規の方が1名、リピーターが4名の合計6名。森見さんの作品をきっかけに読書会に参加した人から、この読書会に向けて初めて森見作品を読んだ人まで、作家に対する思い入れは様々でした。

森見さんの作品やエッセイ、それにまつわる京都の小噺や偽電気ブランなどただただ楽しく語らいました(*^^*)

紹介して頂いた本

読書会終了後に撮影

「熱帯」文藝春秋

冒頭、森見登美彦氏が渋谷の「沈黙読書会」に参加するところから始まる。

そこは作品や本にまつわる「謎」について語る読書会で、森見氏は昔読んだけれども途中で失ってしまった「熱帯」という本について語る。

だれも知らないかと思いきや、一人の女性がその本の存在を知っていた。そして彼女の物語がはじまったのです。

参加者が読書会なるものに参加するきっかけになった作品。千夜一夜物語のように物語が物語を生み、まるで夢を見ているかのような感覚を覚える。

「四畳半タイムマシンブルース」KADOKAWA

我が四畳半のエアコンのリモコンを求めて、昨日へタイムトラベルする「私」たち。名案と思いきや、それが人類滅亡の発端になるのではないかと翻弄する。

タイムトラベルものでありながら、昨日と今日という短い期間ってのがまた面白いし、ストーリーの辻褄が合わせが秀逸で良かったという。

これは「私」と「明石さん」の物語の一つの結末であり、御存知の通り「成就した恋ほど語るに値しない」のである。

「聖なる怠け者の冒険」朝日新聞出版

事を荒立てることなく人生を終えたいが信条の社会人が、しなきゃいけないことを通じて、徐々にやらなければいけないことを見つけていく。

森見登美彦さんの作品を読んでいると、暗に「時間」をテーマにしている物語が多いと思われる。「四畳半神話大系」然り。

「きつねのはなし」新潮社

京都の大学生である主人公は、博識で旅先の話が面白い先輩と出会う。彼の図書室に入り浸り、時折先輩の彼女さんとも話をする。

しばらくしてその先輩と彼女は別れたらしい。昔と比べて気持ち痩せていた彼女から、先輩大した人間ではないと聞かされる。旅行に行ったこともなければ、今まで語っていたこと全てが嘘だったと。

だとしたら、なぜ先輩はそんな嘘を語っていたのだろうか(「果実の中の龍」より)。

「森見登美彦の京都ぐるぐる案内」新潮社

「きつねのはなし」に通じるのだが、京都にはどこか「ここではないどこか」に連れて行かれる感覚を覚える。

それは吉田神社のような場所にもあるが、ちょっとした小路にもある。

1000年以上の歴史がある京都には、怨念なるものが京の街角に潜んでおり、ふっとどこかに連れて行ってしまうのだと。

「有頂天家族」幻冬舎

紹介者が横浜の読書会で参加した際に、「主人公が人間でない作品」で選んだ本。偽電気ブランが印象的でした(あと赤玉ポートワインも)。

人間界・天狗界・狸界がそれぞれ生きる京都。狸界は常に危険に晒されているけれども、脈々と受け継がれる「阿呆の血」ゆえに、楽しく生きることと決める。

オーディブルで聴いた際、朗読者は一人なのに登場人物一人ひとりがキャラ分けされていて良かったと語る。

「夜行」小学館

10年前の鞍馬の火祭の後、長谷川さんが突如姿を消した。

久しぶりに鞍馬の火祭りを訪れた友人たち。私はふと京都の画廊にて、長谷川さんに似た人物を見かけたことを語る。そしてその画廊には、「夜行」という作品があったと。

最初は単なる見間違いの程度の話だったのだが、友人たちは皆「夜行」を知っており、なによりその作品にまつわる不思議な出来事を体験していた。

神隠しにあった人間は、そもそも不幸なのだろうか? もしかしたら、自身が望んで神隠しにあった(姿を消した)のではなかろうか。

「ぐるぐる問答: 森見登美彦氏対談集」小学館

森見登美彦さんが、万城目学さんや綾辻行人さんと対談するインタビュー集。

この本によると、「四畳半神話大系」などの主人公は、森見登美彦氏が思う理想像を描いており、明石さんなどのヒロインは、森見登美彦氏の乙女心を言語化したのだという。

それを読んで、私が好きになった明石さんは、ほぼ森見登美彦さんだっとのかと思うとがっかりしたと語る紹介者。

きっと二人はどす黒い糸で結ばれているのでしょう(そんな汚いものは、いらないかもしれないですが)。

「太陽と乙女」新潮社

森見登美彦氏のエッセイ集。「美女と竹林」と違って。私生活や執筆時に考えていることをしっかりと述べている。

この本でも女性像、「黒髪の乙女」について語っており、先の対談集にも通じることだが、女性像が著者の理想を押し付けていない(いやらしさを感じない)のは、他人ではなく自分を表現しているからだと思われる。

著者が登場人物に寄せている気持ちなどを読んでみると、また物語への捉え方も変わりますよね。

8月の読書会スケジュール

8月17日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会 → 満員御礼
8月24日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK&BOOZE! → 満員御礼
8月31日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会 → 満員御礼

お陰様で、現状(8月7日時点)8月に予定している読書会は満員御礼となっておりますm(__)m

早ければ今週末には、9月のスケジュールを決める予定です。

皆様とお話できるのを心よりお待ちしております(*^^*)

今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。