読書量と読解力
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
先日共通テストに関する記事を書いた時に、"読解力"について考えました。
一般的には「本を読めば読むほど読解力が上がる」と言われています。読書量が多いほど文章を読み解く能力が高いと考えるのは、あながち間違いではないと思う。
実際のところ、読書量と文章理解力の間には相関関係があるらしい。
海外でも「読書と語彙力」を研究したり、幼稚園時点での読書環境が、小学生に入学してからの語彙力や文章理解力を分析し、相関関係があると結論づけている。
調べてみると、日本の研究*で本のジャンルと語彙力の関係性を研究した論文を発見した。
小学生を対象に、本の種類を「フィクション」「ノンフィクション」「絵本」に分類し、貸出図書数と語彙力や読解力の関係性について分析している。
結論から言うと、読書量に応じて語彙力等の上昇は認められるものの、読むジャンルが影響を与えるかについては明確な説明できないそうだ。
私が学生時代、ライトノベルがまだ流行りたて(それこそ石川流さん「涼宮ハルヒの憂鬱」が刊行したて)の頃、読書感想文にライトノベルを書くのは如何なものかと教師に叱られた、というつぶやきを以前目にした。
感想文を書くほど感動したならば、全然良いことではないかと他人事ながら思うが、学校という場ではなかなか厳しいのだろう。
何かしか読めない人よりも、何でも読める方が、人間らしくて良いではないか。
だが皮肉なことに、読書には「負の効果」もあると述べている。
読書のし過ぎ(一日2時間以上)は、ほどほどに読書(一日1〜2時間)をする人よりも読解力が低下するというデータがあるという。
結局読書は余暇時間の使い方。宿題はやるべきだし、なんだかんだ言っても勉強はすべきだと正直私も思う。
けれども、読書のし過ぎがポジティブな効果を上回るというのはどうもいただけない。
私自身、人と話した方が、もっとコミュニケーションを取れた方が学生時代を謳歌できたかもしれない。
しかし、本があったからこそ、私の学生時代は成り立ったのだ。
本が人との関わりを繋げ、今でも物語が私の心を癒し、支えとなっている。
論文に対して感情を述べるのはお門違いかもしれないが、少なくともこれからも沢山の本を読もうとは思った次第。それではまた次回!
日本の研究*
上田紋佳・猪原敬介・塩谷京子・小山内秀和「語彙力・文章理解力の発達に及ぼす読書のジャンルの影響」読書科学 日本読書学会編集委員会 編 第59巻 (3), 121-133, 2017-10
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