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古書と古本

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

神保町は日本最大級の古書店街として有名ですが、はてさて古書とは一体何かと問われたら、首をかしげてしまう。神保町を散策している時に見るのは、基本的に古本であり、古書とは違う気がします。

では、"古書"とは一体何を指すのであろうか。「広辞苑 第4版」岩波書店によると、下記のように定義されている。

こ-しょ【古書】
①むかしの書物。古い文書。②古本。新本ではない書籍。

広辞苑より抜粋

…おや、同じ意味なのだろうか?「古い文書」なのはわかる。神保町には100年以上前の文書や書物、かつての大東亜戦争で支給された手引書、海外の古い洋書など、明らかに「むかしの書物」だとわかるものがある。すると、"古本"はどう定義されているだろうか。

ふる-ほん【古本】
①古くなった書物。読みふるした書物。↔︎新本(しんぽん)
②時代を経た書物。古書。

広辞苑より抜粋

ニュアンスとしては、読みふるした書籍、誰かがすでに読んだ中古本という印象はあるものの、やはり古書と同義であっても問題なさそうである。さて、"新本"では無いとしたら、その言葉の意味は何か。

しん-ぽん【新本】
①人手に触れていない新しい本。↔︎古本(ふるほん)。②新刊の書籍

広辞苑より抜粋

既に人の手に触れられていない本が新本であるならば、人の手が触れられた本は全て古本なのである。そうなると、神保町は、ただ古本が集まる場所ではない。人の手によって紐解かれたことのある書籍が全て古本に該当するならば、神保町は人々の思いが集まる場所ではなかろうか。

誰かが紐解いた書籍、誰かが面白いと思った本、その1冊1冊で成り立つ町が神保町。そう思うと、なんとも魅力的ではなかろうか。それではまた次回!

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