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生きることなく人生を終えたくない

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

先週、ふと映画が観に行きたくなった。特に映画好きというわけではないのだが、一日予定がないとふと映画を観たくなる。

映画情報を常に把握してないため、前日の夜に放映スケジュールを確認する。面白そうな映画がなければ行かない。

黒澤明監督の「生きる」をイギリスを舞台にリメイクした「生きる -LIVING」が放映されている。その日の映画は決まった。

・あらすじ
第二次世界大戦後のロンドン。ウィリアムズは役所市民課の課長として勤めていた。部下には煙らがられ、家でも孤独を感じて過ごしていたある日、医者から癌を宣告される。余命は半年だという。

だが"英国紳士"として働き努める以外の生き方を知らないウィリアムズは、人生の楽しみ方がいまいちわかっていなかった。仕事をサボり、酒を飲み歩き、ストリップを観に行っても満たされない。その間も癌は身体を蝕んでいた。

ロンドンに戻ると、部下であったマーガレットと町中で出会う。常にアクティブな彼女の姿にウィリアムズは惹かれる。彼女と過ごしているうちに、生きるうちにやるべきことを見つける。

学生時代に志村喬が主演を演じる黒澤明監督の「生きる」をDVDで観た。何度観ても泣ける。もちろん、リメイク版も泣いた。もっとも涙腺は緩い方である。

悲しきかな、人間は映画やドラマのような生き方をできる人は少ない。

自己啓発本によくあるのが「自分が死んだとき、お葬式であなたはどんな人だったと言われたいか」を考えるというものがある。

あなたは後世に何を残したいですか、あなたは残してきた人々に何を引き継いでもらいたいですかと。

セミナーに行くなり、本を読むなり、それこそ映画を観て一時的には彼のように今を精一杯生きようと誓う人は多い。だが、その大半が日々の生活の中で失われていく。そんな誓いなど端からなかったかのように。

だが、一度きりの人生だから大きなことを成す、世界を変えるようなことをすることが全てではない。

「生きる」の主人公のように、死ぬ直前に自分は幸福であった、自分自身に丸がつけられるならば、それは立派に生きたと言えるのではないか。

成し遂げたことの大きさが人生の尺度ではない。私はこの映画を観るといつも実感する。それゆえに毎日必死に生きるべきという話にも通じてしまうのだが。

個人的には黒澤明監督の「生きる」の方が好きだが、是非リメイク版も観てはいかがだろうか。それではまた次回!

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