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生みのくるしみ

今年は1年かけて本を作ってきたのですが、佳境に差し掛かった夏~秋、本を出すということについてに向き合いました。楽しくおいしいおやつが作れる本ですし、終始楽しく作れたらそれが一番いいのですが、初めての出版社さんとのお仕事はやはり迷いつつ頭をひねらせつつ…だったことを記録しておきます。

書籍づくりは妊娠~出産と同じ。なにをどう生むのか?というつわりのような迷いを経て、現実味を帯びてくるといったん安定し(気分が上がってくる)、最後の追い込みの細部づくりでまた苦しむ。

ウェブサイトでの発信は直せるけど、本は出したら直せない。私の物だったはずなのに、世に出たら私の手元を離れて世を渡っていく。だからこそものすごく、一語一句について考える。実験する。

直しも提出してから、ごめんなさいやはりここ、45gでなくて40g~にしてくださいなど、何度わがままを言わせていただいたことか。誰かの台所で、この本を見ながら材料を図ってくれている様子を思うと、細部において納得したい。自分を語る本にするより難しかったかと、レシピ本という難しい選択をしてしまったことを後悔したりもする。

「作品作ってると、だいたい一度嫌いになって、また好きになる。」それが一日でつくるものであれ、一年をかけて作るものであれ。美大受験の浪人中に先生に言われた言葉。(美大生は、浪人中が一番のことだけ考えられた時期でもあるので結構この時の思考の貯金がある人多いと思います)あとは束ねられるのを待つ、のですが、納得できるまでわがままを言わせてもらって、いいものが生まれそうでやっとワクワクしています。

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あとはもう生んでみないとわからないという所なので、見守ること、大事に売っていくことをしてあげられたらと思っています。

そして今は、この身ごもっていた期間がおわることがさみしい、というこれも出産を思い出す気持ちです。



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