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夢の職業に就くための3つのステップ(ある車掌の場合)

こんにちは。交通技術ライターの川辺謙一です。

今回は、車掌として働く方を例にして、「夢の職業に就くための3つのステップ」を紹介します。いま進路や就職先で迷っている方の参考になれば幸いです。

■鉄道で働くことを夢見た人たち

私の友人・知人の中には、子供のころから鉄道業界に入ることを夢見て、それを実現した方が複数います。その中には、日々の仕事に関して生き生きと語ってくれる方や、「今の仕事が天職だ」と言う方もいます。

なぜ彼らは、夢の職業に就くことができたのでしょうか。
それは、私にとって長年の疑問でした。

ただ、彼らとの雑談を重ねて行くうちに、以下に示す3つのステップをしっかりと踏んでいるという共通点があることに気づきました。

(1) 夢の職業に就きたいという強い意志があった
(2) その職業が自分に適しているか冷静に分析をしてきた
(3) 「自分がやりたいこと」と「社会や職場のニーズ」を合致させた

つまり、たんに「〇〇になりたい」と思うのではなく、自分の性格や技能などがその職業に合っているかよく考えたうえで、社会や職場が求めるものを提供できるようになった人が、結果的に夢を実現できたことに気づいたのです。

■現役車掌Aさんが実現した夢

次に、実例を挙げて説明します。

これから紹介する現役車掌(Aさん)は、子供時代に「車掌になりたい」と思い、その夢を実現した方の一人です。彼は、ある鉄道会社に所属するベテラン社員で、通勤列車から特急列車まであらゆる種類の列車に乗務した経験を持っています。

Aさんは子供のころに鉄道で働く人に興味を持ち、車掌になることを長らく夢見ていました。家族旅行で寝台特急に乗ったときに、乗務していた車掌に「鉄道が好きなの?」と話しかけられ、楽しく会話したのをきっかけにして、「自分もこういう人になりたい」と思ったそうです。

その後Aさんは、専門学校を経て鉄道会社に入社し、車掌になる夢を実現しました。それから現在に至るまで、車掌として活躍されています。

Aさんは「趣味は仕事にしないほうがいいけど、夢は仕事にするべき」と言います。「趣味」と「」では、子供時代に憧れた世界に入るための「覚悟」が大きく異なるからです。

鉄道に限らず、どの業種にも「良いこと」と「悪いこと」が半々で存在します。

鉄道を「趣味」の対象として見ている人は、鉄道の「良いこと」ばかりに注目してしまい、「悪いこと」を見落としがちです。鉄道を楽しむことが目的なので、これはある程度やむを得ないことでしょう。

ただ、このような方が鉄道業界に入ると、さまざまな問題が生じます。これまで見落としてきた「悪いこと」ばかりが目立ちはじめ、それを受け入れる「覚悟」ができず、仕事を続けるのが「苦」になってしまうからです。

実際に鉄道を「趣味」としていた人が鉄道業界に入った結果、「こんなはずではなかった」「仕事のせいで鉄道が嫌いになった」と思うことはよくあるそうです。

いっぽう鉄道を「夢」の対象として見ていれば、「何が何でも鉄道業界に入りたい」と考え、強い意志を持つことができるとAさんは言います。このような方は、「良いこと」と「悪いこと」の両方を受け入れる「覚悟」ができているので、仕事に対するモチベーションを長く保つことができるのだそうです。

「だから子供のころになりたいと思った『夢』の職業には就いた方がよい。自分はそのことをこれまでの人生で証明してきた」とAさんは言います。

■自己分析と社会貢献

また、Aさんと話していると、さまざまな角度からご自身をよく分析されていることがよくわかります。また、他人の評価や期待をあまり気にせず、自分と向き合う機会を増やし、自分が本当にやりたいことを見出して来られたこともわかります。

おそらくそうすることで、自分の性格や知識、経験、得意分野などが車掌という職業に合っているかを繰り返し確認されてきたのでしょう。

Aさんの仕事は、車掌の域を超えている部分があります。後輩の車掌のために仕事のマニュアルを自主的に作成するだけでなく、お客様(利用者)がどうすれば鉄道の旅を楽しめるかを考え、実行してきました。

つまりAさんは、自分がやりたいことを通して、職場や社会に貢献しているのです

言い変えれば、自分と他人の両方がハッピーになり、互いにWin-Winの関係が保つことができる活動を続けてきたからこそ、結果的に子供時代の「夢」を実現することができたとも言えます。

ここで、冒頭で紹介した3つのステップをもう一度見てみましょう。

(1) 夢の職業に就きたいという強い意志があった
(2) その職業が自分に適しているか冷静に分析をしてきた
(3) 「自分がやりたいこと」と「社会や職場のニーズ」を合致させた

そう、Aさんも、この3つのステップを確実に踏んでいるのです。

■他の業種にも共通する考え方

ここまでは、現役車掌のAさんを例にして、夢の職業に就くための3つのステップを紹介してきました。

この3つのステップは、おそらく他の業種にも応用できるでしょう。なぜならば、自己実現と社会貢献をリンクさせることは、多くの仕事に共通する課題だからです。

この記事が、いま進路や就職先で迷っている方のお役に少しでも立てば幸いです。

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