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【東京道路奇景ガイド#01】 箱崎ジャンクションと成田空港の意外な関係

こんにちは。交通技術ライターの川辺謙一です。
今回は、先日の記事で紹介した「東京道路奇景」の実例として、箱崎ジャンクション(JCT)をご紹介します。都心から地下鉄でかんたんにアクセスでき、迫力ある姿を手軽に楽しめる「奇景」です。

■箱崎JCTの概要

箱崎JCTは、首都高速道路(首都高)のJCTの一つで、6号向島線から9号深川線が分岐しています。首都高などの都市高速道路によくあるT字型JCTです。

とはいえ、箱崎JCTはただのT字型JCTではなく、構造が非常に複雑。カーブを描く高架橋が上下に重なり合い、一般道路の上で絡み合っています。その高架橋たちを下から見上げると、迫力ある風景を鑑賞できます。

それゆえ、JCTを鑑賞するのが好きな方からとくに愛されているJCTでもあります。

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■なぜ構造が複雑になったのか?

箱崎JCTの構造が複雑になったのは、T字型JCTに、バスターミナルをふくむ東京シティ・エアターミナル(T-CAT)を組み込んだからです。T-CATは、都心に設けられた交通拠点であり、かつては成田空港の処理能力を補うためにチェックインカウンターが設けられていました。

『首都高速道路公団二十年史』のp180には、箱崎JCTとT-CATを組み込んだため、非常に複雑な構造になったと記されています。同書p159には、計画時に成田空港の整備が決まり、それに合わせて日本初のシティ・エアターミナルを都心に整備することになり、用地確保が容易な箱崎JCT付近に整備した経緯が記されています。

T-CATの3階にあるバスターミナルは、首都高で抜き唯一のロータリーを介して、首都高の本線とつながっています。このため、一般的なT型JCTよりも連絡路(本線同士を結ぶ道路)の数が多くなっており、立体構造が複雑になっています。

つまり、箱崎JCTの構造が複雑になった背景には、60km以上離れた成田空港の存在が密接に関係しているのです。

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■鑑賞場所

水天宮前駅2番出入口で地上に出て、セブンイレブン前の歩道から見上げると、迫力ある風景が楽しめます。

■アクセス

東京メトロ半蔵門線水天宮前駅 2番出入口から徒歩0分
東京シティエアターミナル(T-CAT) 1F出入口(西端)から徒歩0分


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