EC業界に風穴を開ける| Visional取締役 村田 x カウシェCEO門奈 対談
「ここ20年変化のないEC業界に風穴を開けにいく、難しいことに挑戦しているカウシェを応援したいと思った」——今回は、2022年12月にカウシェのアドバイザーに就任した、ビジョナル株式会社 取締役兼 トラボックス株式会社 代表取締役社長の村田聡氏と、カウシェ代表取締役CEO 門奈剣平の対談です。
二人が知り合った経緯をお教えください
村田:10年ほど前の、まだ門奈さんがLoco Partnersでインターンをしていた頃に連絡をもらって、1時間半ほどマーケティングのやり方について話したのが最初の出会いでした。
門奈:かなり前ですよね。そこからカウシェ立ち上げのタイミングでまたご連絡させてもらい、何を追いかけるか、カウシェは面白いサービスだけれどもエッジを効かせるところがまだ定まっていないよね、どこで違いを作るか、などというアドバイスをもらいました。
その後はフェーズが変わるごとに村田さんに事業戦略の相談をしていましたが、当時はご飯の味がしないくらい緊張していました(笑)
カウシェのアドバイザーになった決め手はなんでしょうか?
村田:一番の決め手は、ここ20年変化の少ないEC業界に風穴を開けにいく、難しいことに挑戦しているカウシェを応援したいと思ったからです。
これまで、具体的に「こういうものが欲しい」という顕在層の顧客には大手ECプラットフォームが安さ・速さのモデルを徹底的に追求してきました。それに対してまだ具体化されていない潜在層のニーズを引き出していくことを「シェア買い」なら実現できると思い、カウシェに可能性を感じたのが今回参画を決めた、一番大きな理由です。
そして門奈さんの愛される人柄も大きいです。経営者はロジカルではない部分を作っていくことも大切だと思っており、門奈さんはそれを作ろうとしているのを感じます。
門奈:ありがとうございます。カウシェに関わりはじめていただく中で、現時点で感じていることはありますか?
村田:いいことでもあるけれど、やり方が真面目。もっと突き抜けて面白くなってほしいですね(笑)
門奈:(笑)具体的に、面白くなるとはどう言うことでしょうか?
村田:カウシェは潜在顧客に商品を販売するECだと思うんです。そうなると、これはある種の「エンタメ事業」をやることになる。「そこにいくと何かいいものがあるかもしれない」という期待を作り、いかに面白く見せるかが大切。
例えば世界で展開されているスウェーデン発祥の大型インテリアショップは展示フロアを回っていかないとレジにたどり着かない構造になっていて、顧客はモデルルーム化したフロアを回る中でいろんなものが欲しくなる。それは購買意欲を最大限に高める工夫ですよね。そういったエンタメ性をインターネット上でどう表現していくのか。品揃えをよくし、安くするだけではなく、他のECと違うカウシェらしさを作らなきゃいけない。「シェア買い」という文化を広めるってなんだろう、ということを突き詰めて考えて欲しいなと思います。
門奈:ありがとうございます。シェアしたらどうなるか?誰かと買うことで何が得られるか?ということをお客様に簡単に理解してもらうことは、まだまだハードルがあると思っています。
村田:そうですね。商品に関しても、他のECで売れているからカウシェでも出す、というものだけだと面白くない。他ではそこまで売れていないものが、カウシェの企画で見せ方を変え、誰かに教えたくなるように設計する。そうしてシェアされた時に口コミの力で爆発的に売れた、という事例を作りたいですね。
門奈:商品のブランディングをカウシェが担っていくイメージですね。
村田:まさにそう。ただ物を売るのではなく、商品を魅力的に見せ、潜在層にアプローチしていく仕組みにできれば、自ずといい商品も集まってくる。
今の世の中の情報収集はインターネットの比重が大きく、検索やSNSでの口コミなどを含め情報量が圧倒的に増えています。
例えば、アパレルを一つの例に挙げると、洋服屋に行って、店員のおすすめを聞き、試着して会話しながら購入する。この機能がインターネット上にだんだんスライドしていっています。SNS上で誰かが投稿したコーディネートを見て購入したり、ネットの口コミによって商品を知ったりする。
門奈:インフルエンサーだけでなく、一般の消費者もその口コミを作り、商品が広まる形になってきていますね。カウシェもまさに、「お客様の声で商品が広まるアプリ」だと思っています。
門奈:はじめてカウシェを見たお客様が「シェア買いとはなんだろう?でもこの商品いいな」となるためには、商品をどう揃えればいいでしょうか?
村田:決まりきった売れる商品を揃えるだけではつまらないと思っています。「MD(マーチャンダイジング)ってなんだ?」という問いを常に考えてみてください。
過去に私がやっていたんですが、MDは売上予算を達成したらそれぞれが好きな商品を取り扱っていい、としていました。絶対売れないだろうな、といった超高額商品や、普段入れないようなランクのお店の体験系商品など、「これ売れたら最高だよね」「こんないい商品を発掘した」などと話しながら、記憶に残る商品を出していました。まさにこういう商品が、話題になるんですよね。サービスって、見てもらったらそれで勝ちだと思っているので、遊びの余白を残すことも大切です。
門奈:もっと面白くなって欲しい、と言われた意味が分かってきました。
村田:スタートアップが手堅くマーケットを作っても伸びない。掲載する商品の事業者も、これから伸びそうなところと一緒に成長できるといいと思います。
村田さんはカウシェでどんなことをしているかお教えいただけますか?
村田:カウシェのMDはどんなことをすべきか、具体的な企画案を話すこともあるし、追いかけるKPIについてや、組織の在り方など、カウシェのフェーズごとにスケールを意識したスパーリングをしているイメージです。
門奈:今回ご一緒させていただくことになった一番最初の時に、「カウシェのGMVが1兆円になった時の景色が楽しみだね」という話をしていただきましたが、それはどんな景色をイメージしていますか?
村田:現在カウシェが目標に掲げている2025年度に1000億円のGMVを達成することは、もちろん容易な道のりではないとは思いますが、努力すればたどり着ける景色だと感じています。
だからこそ、本当の意味で世の中を変えるレベルの金額はどこなんだろうと思った時に、1兆円のGMVを作ることで世の中へインパクトを与えられるのではないかと。
もちろん段階を踏みつつですが、そんなイメージを持って事業を進めていってほしいです。
門奈:はい。まずは1000億円のGMVを成し遂げてはじめて、カウシェのVisionである「世界一楽しいショッピング体験をつくる」の入り口にやっと立てるような気がしています。
村田:そうですね、目標を達成する組織を作り上げるために、今は強固なカルチャーを作っていきたいフェーズですね。
門奈:村田さんから見て、カウシェの組織やカルチャーをどう感じていますか?
村田:複業メンバーが全体の7割で、フルリモートができるカウシェは現代の働き方において素晴らしいモデルケースのひとつだと感じます。これから組織が大きくなるにつれ、いかにオンラインと対面とを使い分けていくかも重要になってくると思うので、コミュニケーションの取り方に向き合い続けることが大切ですね。
門奈:ありがとうございます。最後にですが、日々我々にアドバイスしていただいている中で、カウシェに何を期待していますか?
村田:一言でいうと「面白さ」です。様々な捉え方ができる表現かもしれませんが、いろんな人が「面白い」と思えるようなサービスになってほしい。
私にとって、買い物は楽しく、面白いものだと思っています。むしろ買い物が楽しくない・面白くない、なんてことにはなってほしくない。例えば、実際に購入しなくても、ウィンドウショッピングをする行為が楽しい。特に欲しいものがなくても何かを探しにきたり、買い物自体がエンターテイメントだと考えます。そこに面白さがなくなって、ただ使いやすい・便利・早い・安いだけになってしまうとつまらない。ふと見にいきたくなるような、ワクワクする面白いカウシェになるよう、これからサポートさせてください。
カウシェでは、共に「世界一楽しいショッピング体験をつくる」メンバーを募集中
少しでも気になった方は、ぜひ下記よりエントリーいただければと思います。
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