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実家敷地に開かれたコミュニティをつくる

地方で増加する空家問題。東京在住の息子(僕)が、そうなる前に手を打ちました。2020年、平屋賃貸住宅4棟を完成。建築専門紙「新建築」2020年8月号の表紙に掲載されました。これから、それに隣接する敷地で、新たな建築を進めます。ハード(建築)だけでなく、ソフト(住まい方)にも工夫し、地域に開かれたオープンなコミュニティをつくる計画です。そのプロセスをnoteで記録していきます。

第46回 (あらためて)AWAZUKU TERRACEとは何か

2025年1月24日、AWAZUKU TERRACE(以後AT)2棟の上棟式を無事執り行うことができました。そこで、あらためてATとは何かを整理してみたいと思います。 上のタイトル写真の左半分にあるF-1~F-4の平屋4棟は、2020年完成のAWAUKU HOUSE(以後、AH)です。それを第1プロジェクトとすれば、今回第2プロジェクトとして工事中なのが、その右手間の集合住宅2棟(5戸)=ATと奥の母屋(コモンハウス)です。 AWAZUKU TERRACE+コモンハウスと

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第45回 テラスドア位置に筋交いが通っていた

上のタイトル写真は、工事前の雑然とした母屋キッチン。全体に暗くあまり好きな場所ではなかった。これからは、人が集まりたくなるようなスペースにしたい。それもあって、窓の先の狭い敷地に東屋のようなスペースをつくり、キッチンから直接そこへ出られるようする。そこでは洗濯物を干したり、椅子とテーブルを置いてくつろげるようにするつもり。そのために、窓の横(下のパース図で奥の窓の右側)にテラスドアを設置する計画だ。 ところが、9/18の打合せ時に建築士からそれができなくなったと言われた。テ

第44回 キッチン吹き抜け上部(ワークスペース)の窓開閉をどうするか

8/31の打合せの時、建築士に2階ワークスペース窓開閉問題への提案を依頼したところ、早速9/2の打合せで3案が示された。なお前提として、既存根太は残すことにした。安全面と、それなりに古材で味があると思うからだ。 パターン1)窓がある東側半分(緑の部分)に格子状のエキスパンドメタル(タイトル写真参照)を敷く エキスパンドメタルは、人が歩く分には強度に問題ない。光や風も、さほど遮ることはないだろう。ただ裸足で歩くと、隙間に指が挟まってしまうリスクが全くないわけではない。安全の

第43回 キッチン吹き抜け案

8/31の打合せで、建築士からキッチン吹き抜け案が提案された。もともと、キッチン真上にある納戸は、東と北の2面にカウンターを設置、また床は小上りにして(第41回参照)、そこでPCワークができるワークスペースにする計画だった。 下の写真は母屋2階納戸の床を剥がしたところだ。床中央あたりの梁より左上側の下(1階)がキッチンになる。格子に組んだキッチン天井の桁が見える。また、納戸2か所の窓(すりガラス)からの光が、キッチンに届くのがわかる。 下の写真は、1階キッチン東側と吹き抜

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建築家とつくる実家の貸家プロジェクト

地方の空き家、空き地問題。いい加減な収益計画によって増殖する賃貸集合住宅。自分の頭でよく考えて、対応していかなければなるまい。どう考えてつくっていくのか、リアルケースの実況中継です。

第73回 多拠点生活というニーズ

もともとこの賃貸住宅を建てようと考えたのは、僕が生まれた場所を雑草だらけの放棄地のようにしたくなかったからだ。あるいは、至る所で見かける醜いアパートなんぞでその土地をうめたくなかったからだ。 そして、古くから残るそのあたりの集落に、新しい風を吹き込みたいとの思いもあった。だから、住んでもらうのはできるだけ多様な人々だといいなあとも考えた。でも、なかなかそういう人々を呼び込むのは簡単でないこともわかった。 たまたま、7月14日にアカデミーヒルズのオンラインセミナーを観て、「

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第72回 (リアル)オープンハウス開催&Zoomオープンハウス企画

8月1日(土)のオープンハウスに備え、前日の夕方、実家に向かうためにオフィスを出ようとしていたところに、スマホの着信音が鳴った。ミニミニで担当してくれているSさんからだった。明日の手配についてかと思ったがまったく違った。 なんと、明日のオープンハウスにミニミニ蒲郡店のスタッフは誰も来られないとの知らせだった。驚いたことに、社内の別部門のスタッフが、新型コロナに感染したからだという。別部門とはいえ、同じ敷地内で働いている。賃貸部門も店舗閉鎖はしないものの、できるだけお客さんと

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第71回 オープンハウスの企画(2)

早速、ミニミニ蒲郡店で担当してくれているSさんに連絡を取ったところ、すぐに賛成してくれた。ただ、集客策としては近隣へのオープンハウスのチラシ配布程度を考えていたようだった。社員が手分けして回って配るイメージだった。しかし僕としては、それでは効果はないと考えた。近隣の住人で、ここを借りてくれそうな方はいそうもない。現地には募集看板も立っている。もし借りたい方がいれば、すでに何らかの方法で知って、ミニミニや僕の両親に問い合わせてきているのではないか。 僕は、ポスティングか新聞折

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第70回 オープンハウスの企画(1)

3月の下旬、設計者である栗原さんにまだ借り手が見つかっていないことを話すと、心配してくれたのかオープンハウスをさせてもらえないかと提案してくれた。以前も自らが手がけた建物の完成直後にオープンハウスを開催し、多くの方々に建物を見てもらっていたそう。目的としては、作品としての建物を実際に見てもらうことで、設計依頼者を掘り起こすことだったそうだが、結果的に来場したのは建築業界の方や建築科の学生が多かったそうだ。(以下は以前のオープンハウスのチラシ) ちなみに、これまでのオープンハ

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